ソーシャルアクションネットワーク

【最新調査結果公表】レジャーシーズン本格化の前に水辺での“そなえ”を 若年層は遊泳・川遊び、高齢者は釣りの事故に特に注意

2025年04月25日

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一般財団法人うみらい環境財団は、日本水難救済会、日本ライフセービング協会とともに日本財団が企画・統括する「海のそなえプロジェクト」を2024年度から実施しています。
今回、2024年度夏季溺れ事故の報道実態調査ならびに救助実態調査をまとめた最新の結果を公表します。
調査結果:https://uminosonae.uminohi.jp/2025/report/assets/pdf/20250425_01_report_summary.pdf

日本ライフセービング協会の救助実態調査によると、2024年には海水浴客は2023年から約80万人減少している一方、2024年の利用者数に対するレスキューの割合は2023年の1.3倍で、コロナ禍の影響で、海に慣れていない人たちが溺れ事故を起こしている可能性があると考えられます。
本プロジェクトでは2024年夏季(7月1日~8月31日)に発生した溺れ事故に関する報道実態調査を実施し、その結果を警察庁および海上保安庁の公式データ(非公開情報を含む)と比較分析をしました。
その結果、報道実態調査は行政機関データと事故の傾向において高い類似性を示す一方、事故者数全体や特定の層(高齢者など)の把握には限界があることが明らかになりました。
本調査結果の公表を踏まえて、ゴールデンウィーク等の本格レジャーシーズンが始まる前に、水辺での事故予防対策について周知します。



本プロジェクトは毎年発生する水難事故の減少を目指して既存の対策の常識を疑い、さまざまな調査により蓄積した科学的データと事実に基づいた新たな情報発信や教育プログラム、双方向でのコミュニケーションの開発等を通じて、国民が自ら共感し主体的に水難予防の意識を醸成することを目的として活動しています。
本プロジェクトは次世代へ豊かで美しい海を引き継ぐために、海を介して人と人とがつながる“日本財団「海と日本プロジェクト」”の一環です。

2024年度 夏季溺れ事故の報道実態調査より見えた事故傾向

溺れ事故の特徴(一部抜粋)
・発生場所: 海岸(43%)、河川(33%)が多く、海域全体(沖合、海岸、港・漁港)で約6割。
・発生時間: 午後が午前より2倍多く、16時台が最多。ただし死亡事故は10時~16時に分散。



・年代: 10歳未満・10代・20代の若年層と、70代以上の高齢者が多い。



・行為: 若年層は遊泳・川遊び、高齢者は釣りが多い。
    釣り・水中への転落・素潜りは生存率がゼロに近く極めて危険。

Fig.13 アクティビティ別の内訳割合[生存,死亡,行方不明,意識不明](溺れ事故が5件未満のアクティビティはその他にカウント)


・性別: 男性が女性の約5倍多い。






考察と分析
1.報道の中で、釣りやアクティビティ時のライフジャケット着用については言及されているものの、遊泳時のライフジャケット着用についての言及はない。
→ライフジャケット等の浮力体を身につけると救命率があがる※1。
 しかし、一般的に遊泳時にライフジャケットを着用するという意識が薄いと考えられる。
(※1 日本財団 海のそなえプロジェクト 2024年発表資料:
https://uminosonae.uminohi.jp/2024/report/assets/pdf/20240619_01_report_summary.pdf )
2.「浮き輪」の利用のほとんどは遊泳での使用
→遊泳時に流されることが事故につながりやすい。
 フラミンゴ等のフロートは「流されて横転」したことが溺れにつながっていた。



3.生存した溺水者71人を救助した人の割合は、他人が約5割と最も多く、家族や友人・知人は少ない。同行者は溺水に気づいていないことが課題。また、救助を要請しても、公的救助機関の到着までには時間が必要なので、その場にいる人の適切な救助が求められる。
→救命には同行者の一次救助やおぼれた後の適切な対応も必要だが、それ以上におぼれないための知識を身につけておくことが大事。



注意すべきこと

・海や河川等の場所は問わず、ライフジャケットを必ず準備する
→着用時の生存率は9割近く、着用していない時の2倍以上(令和2・海保)
・十分に水分補給をする
・水に入る前に、あらかじめ危険な場所を確認する
・陸上の目印を決めて自分が流されていないか確認する
・自分の体力の限界を意識する
・子どもがいるときには、スマホなどで注意をそらさない
・浮き輪や大型フロートがあっても安全ではないと認識する
・飲酒したら入らない
・危ないと感じたときは慌てず得意な泳ぎで呼吸と浮力を確保する
・溺れている人がいても飛び込まず、浮力のあるものを投げて“118”に通報する

■調査概要
・対象期間: 2024年7月1日~8月31日
・調査対象: 全国紙(1社)、地方紙(45社)、全国紙データベース(1社)、地方紙収集サイト(1社)のデジタル新聞、放送局オンラインニュース(5社)。補填としてWebサイトのAPI検索を実施。
行政データ: 警察庁および海上保安庁に対し、公開データに加え、非公開の詳細データ(個人情報に配慮された集計値・ローデータ)の提供を依頼し、比較分析*を実施。
*比較分析= 報道データと行政データの事故者数、死者・行方不明者数、年齢別・性別・水域別・日付別構成 などを比較し、報道データの信頼性を評価。

<団体概要>






うみらい環境財団、日本ライフセービング協会、日本水難救済会の3者が推進し、日本財団が企画・統括する、日本初(※)のコンソーシアム型プロジェクト。3カ年計画で「海のそなえ」の新しい常識の浸透を図ることを目標としています。
毎年発生する水難事故の減少を目指して既存の対策の常識を疑い、さまざまな調査により蓄積した科学的データと事実に基づいた新たな情報発信や教育プログラム、双方向でのコミュニケーションの開発等を通じて、国民が自ら共感し主体的に水難予防の意識を醸成することを目的として活動しています。
(※複数団体による水難事故防止のためのプロジェクトにおいて)
https://uminosonae.uminohi.jp/







日本財団「海と日本プロジェクト」
さまざまなかたちで日本人の暮らしを支え、時に心の安らぎやワクワク、ひらめきを与えてくれる海。そんな海で進行している環境の悪化などの現状を、子どもたちをはじめ全国の人が「自分ごと」としてとらえ、海を未来へ引き継ぐアクションの輪を広げていくため、オールジャパンで推進するプロジェクトです。
https://uminohi.jp/
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