キユーピー株式会社

一人ひとりの食のパートナーの実現を目指す キユーピーグループのDX戦略~「kewpie ID」3周年で見えた現在地と未来図~

2025年11月11日

消費者のライフスタイルや食嗜好が多様化し、企業と顧客の関係も大きく変化しています。大量生産・大量消費の時代は終わり、消費者一人ひとりの食生活に寄り添った、新たな価値を創造することが求められています。


キユーピーグループはこうした社会変化に「健全な危機感」を持ちながら、デジタルトランスフォーメーション(DX)を経営の重要テーマと位置づけ、取り組みを進めています。単なる業務効率化に留まらず、お客さまとの関係を深め、持続的な企業価値を生み出すための「価値創造プロセスの進化」を目指しています。DX戦略の一つの柱となるのが、今年3周年を迎えた「kewpie ID」です。


今回は、当社のDX戦略を牽引するキユーピー株式会社 執行役員 デジタル推進本部長の椎野と、デジタル推進本部 カスタマーサクセス室長の小林に、DX戦略のこれまでの歩みと今後の展望について話を聞きました。


左:キユーピー株式会社 執行役員 デジタル推進本部長 椎野 浩幸

右:キユーピー株式会社 デジタル推進本部 カスタマーサクセス室長 小林 野映


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キユーピーグループのDX戦略において重要な柱となる「kewpie ID」とは?



小林:kewpie IDはお客さまとキユーピーを直接つなぎ、Hi! kewpieQummyという2つのデジタルサービス※1を、一つのアカウントで利用できるようにする共通のログインIDです。kewpie IDに登録すると、キユーピーの商品サイト上で、レシピや商品のお気に入り登録ができるほか、お買い物リストの作成やプレゼントキャンペーンへの応募が簡単にできるようになります。また「キユーピー商品をオンラインで買ってみたい」というお客さまには、公式食品ECサイトの「Qummy」で買い物ができるようになります。


kewpie IDは2022年9月に運用をスタートし、今年で3周年を迎えました。スタート時に掲げていた「3年間で30万人到達」という目標を達成し、次は100万人のお客さまとつながることを目標に取り組んでいるところです。


※1

参考:キユーピー商品サイト内に日々の食卓をさらに便利に楽しむための会員専用のサービス『Hi! kewpie™(ハイ! キユーピー)』をオープン(2022年9月リリース)

https://www.kewpie.com/newsrelease/2022/2713/

参考:「一人ひとりの食のパートナー」をめざして バラエティ豊かな野菜料理を楽しむためのD2Cの新サービス『Qummy®(キユーミー)』誕生(2022年9月リリース)

https://www.kewpie.com/newsrelease/2022/2712/

キユーピーグループのDX戦略において、kewpie IDはどのような意味を持つのでしょうか?


椎野: LTV(ライフタイムバリュー)を最大化させ、お客さまとの長期的な関係性を構築する意義があると考えています。これまで点在していたお客さまとの接点を、kewpie IDという共通のプラットフォームに統合することで、お客さまの嗜好や当社への期待などを深く理解し、商品開発などに生かすことがねらいです。

LTV最大化のためには、一度会員登録をしてもらって終わりではなく、日常の中でキユーピーグループのサービスを使っていただくための工夫が欠かせません。例えばサイト訪問やメールマガジンの購読など、日々の活動でポイントが貯まると、キャンペーン応募やグッズ交換などに使ってもらえるようにしています。また2025年6月には、LINEで献立相談ができる対話型レシピ提案サービス「レシピトーク」の提供をスタート※2しました。LINEで気軽に、キユーピーのおすすめレシピや、料理番組「キユーピー3分クッキング」のレシピなどから、AIがその日の献立を提案してくれます。グループトークとしても利用でき、家族とのコミュニケーションの場として活用いただけます。


私たちとしては、お客さまの理解をもっともっと深めていきたいですね。そうすることで、お客さまのニーズにあった情報やサービスを届けていけると考えています。

そして何より、kewpie IDとほぼ同じタイミングでスタートした「Qummy」も、お客さまのことを深く知るための大事なタッチポイントということになります。


※2

参考:LINEで献立相談ができる対話型レシピ提案サービス「レシピトーク」の提供を開始 社内のDX人材が生成AIを活用して独自にシステムを構築

https://www.kewpie.com/newsrelease/2025/3749/


Qummyも運用開始から3年ということですが、立ち上げからどのように変化してきましたか?


小林: 「顧客理解」が深まり、ECならではの新たな商品も開発することができました。


まず定量的な変化を見ると、販売するサラダセットの数を100種類まで増やし、商品ラインアップを拡充させてきました。3年間でお客さまに提供してきたサラダの数は約5万食を超え、サラダのECとして、お客さまに認識いただけるようになってきたと感じています。

定性的な面でも、リピーターが増え、お客さまの行動データを分析しやすくなったことで、チキンささみやクルトンなどのように、サラダを手軽にアレンジできる「トッピング」の評価が非常に高いことが分かりました。そこでQummyをたくさん利用してくれるお客さまの潜在ニーズに応えられるように、トッピングだけのセットを新たに商品化し、お陰様で好評を博しています。またQummyを高頻度で使ってくださる方には「一人暮らしの単身者」が多く、たんぱく質をプラスしたような食べ応えのあるサラダを好まれることもデータから見えてきたので、一食(一人分)で十分な満足感が得られるようなメニューを強化しました。これまでは、スーパーなどの小売店を通じてお客さまの反応を探っていましたが、Qummyによってお客さまとよりダイレクトにつながることができました。単なる販売チャネルではなく、「お客さまの声を聞く場」また、その声を聞いてお客さまの潜在的なニーズを迅速に商品などに反映できる「イノベーション・プラットフォーム」の役割も果たしています。



2025年8月には、キユーピーは経済産業省が定める「DX認定事業者」に認定※3されました。これからどのように、DXを推し進めていくのでしょうか?


椎野:認定は大変ありがたいことですが、DX戦略を推進していく「スタート地点」にようやく立てたと感じています。私たちのDXは、単なる業務効率化ではありません。人を生かして「企業価値を持続的に向上させること」を目指しています。kewpie IDを軸とした戦略として、3つの柱を掲げました。

一つ目は、リアルとデジタルの融合により、お客さまにキユーピーのファンになっていただくことです。Qummyやレシピトーク、キユーピー マヨネーズのファンクラブなどはデジタルのサービスですが、キユーピーグループでは長年、お客さまとの「リアル」な接点も持ち続けてきました。例えば全国3か所で行っているオープンキッチン(工場見学)や、見学施設の「マヨテラス(東京都調布市)」「深谷テラス ヤサイな仲間たちファーム(埼玉県深谷市)」には、たくさんのお客さまが訪れています。

kewpie IDを核に、リアルとデジタルの接点を統合することで、お客さま一人ひとりの解像度を極限まで高めることができるようになります。画一的なマーケティングから脱却して、個別のニーズに応える「パーソナライゼーション」を実現し、グループ全体でLTVを高めていきたいと考えています。


二つ目に、kewpie IDとAIを組み合わせ、情報のパーソナライズ化を図っていきます。野菜不足のお客さまがいらっしゃったとして、IDに味の好みが登録されていれば、AIが数あるレシピの中から最適なレシピを独自にレコメンドしてくれるようなイメージです。個人の健康課題を解決したり、食の多様性に応えていくことで、食を通じたウェルネスの実現、ひいては社会課題の解決にもつなげられると考えています。

また、キユーピーグループのサービスを一堂に集め、お客さまがよりスムーズに当社のサービスを行き来していただけるようなプラットフォームの開発も視野に入れています。


そして三つ目は、データ活用によって、お客さまの声を、新商品や新しいレシピ、研究調査などに活用するサイクルを、高速で回していきます。特にQummyはその役割を中心的に果たすイノベーションプラットフォームとして、さらに磨きをかけていきます。


※3

参考:キユーピー、経済産業省が定める「DX認定事業者」に認定

https://www.kewpie.com/newsrelease/2025/3824/

最後に、キユーピーグループが目指す「一人ひとりの食のパートナー」の実現について教えてください。


椎野:社会情勢が急速に変化していく中で、お客さまのニーズに応え、新たな価値を創造し続けるため、企業には「健全な危機感」が不可欠だと思うんです。メーカーが物を作れば売れる時代はもう終わっていますよね。価値創造プロセスを進化させ、企業体質も変革させていきながら、「キユーピーらしさ」は決して失わないという覚悟を持つことが必要。これまで蓄積してきたマーケティングの知見・ブランドといったキユーピーならではの強みとDX戦略を掛け合わせることで、お客さまの食生活に寄り添う新たな商品・サービスをお届けできる。食品メーカーから食生活メーカーに進化し、「一人ひとりの食のパートナー」を実現していくために、より一層DX戦略を推し進めていきます。

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■「キユーピーグループのDX」サイト https://www.kewpie.com/dx/





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