株式会社アドウェイズ
データ活用の壁を越える、アドウェイズとKIYONOの挑戦
2025年11月17日
昨今、企業のデータ活用は、マーケティングの最適化や経営戦略の意思決定などを目的に、“整備から活用”へのアップデートが求められています。それゆえ、多くの企業がCDP(Customer Data Platform ※)の導入を進めていますが、部門間のサイロ化や不明瞭な目的設計など、さまざまな理由により「導入したものの活用に至らない」企業が多く存在しています。
こうした課題に対し、広告とデータ活用の専門性を掛け合わせ、新たな価値を創出することを目指して事業を展開するのが、株式会社アドウェイズと株式会社KIYONOです。
両社は2025年8月に業務提携を行い、広告運用をはじめとしたさまざまな施策に対応する「CDPコンサルティングサービス」を共同で開発し、提供を開始いたしました。
本記事では、アドウェイズの安岡・池田、そしてKIYONOの斉藤氏で鼎談を行い、データ活用の現実、協業の背景、そして今後の展望を探ります。
※ CDP(Customer Data Platform)
企業が保有する様々なチャネルの顧客データ(行動履歴・購買履歴・属性情報など)を統合・分析・活用するための顧客基盤システム。主に、マーケティング施策のパーソナライズや、顧客理解、広告配信の最適化などに活用される
(左からアドウェイズ安岡、KIYONO斉藤氏、アドウェイズ池田)
プロフィール
斉藤 翔吾 株式会社KIYONO / 執行役員 CTO
株式会社KIYONOでCustomer Data Platform「MAGNET」の開発やGCPを使った顧客の基盤構築をサポート。「MAGNET」の開発においてはPMとしてプロジェクトを推進し、コードを書きながら開発メンバーのマネージメントも担当。
安岡 竜 株式会社アドウェイズ/ゼネラルマネージャー
新卒入社後、開発、営業、広告運用に従事。ソフトバンクへ出向し、iPhoneに関するデジタルマーケティング全般の支援を経験。帰任後、ブランディング部門の立ち上げと事業成長に貢献し、現在はプランニングDivの組織運営ならびに事業協業に従事。
池田 正貴 株式会社アドウェイズ/プロフェッショナルプランナー
新卒入社後、スマートフォン向けゲームのデジタル広告運用、認知広告のバイイングに従事したのち、営業職へ転身。博報堂DYMPへ出向し、航空会社や自動車メーカーの認知・獲得といったフルファネルプランニングを担当。帰任後は、プランニング部門のチーフとして、アドウェイズの提案品質向上に貢献。
企業のデータ活用は、なぜ止まってしまうのか
安岡(アドウェイズ):本日は、お集まりいただき、ありがとうございます。
はじめに、どのような経緯で私たちが業務提携を行い、課題解決に取り組むことになったのか、その背景からお話していければと思います。
斉藤氏(KIYONO) / 池田(アドウェイズ):よろしくお願いします。
安岡:まず、市場課題から紐解いていきましょう。斉藤さんももちろん感じられていると思うのですが、市場を見渡すと、「CDPを導入したけれど活用できていない」という企業の声が非常に多いんです。導入自体は進んでいるものの、思うように運用できず、成果につながらない。改めて斉藤さんは、その理由はどこにあるとお考えでしょうか。
斉藤:そうですね。KIYONOは、2017年の創業以来、国内大手から中小企業まで、約300社以上の企業のCDP運用を支援する事業を展開してまいりましたが、確かにそのなかの多くの企業で、CDPが構築止まりになっていたり、運用面において不安を感じられているケースが見受けられています。
理由のひとつは、データが部署やブランド単位で分断されていること。いわゆる“サイロ化”ですね。顧客データが複数システムに分散していて、IDが統合できず、顧客の全体像が見えないまま施策が進んでしまっている状況です。
もうひとつは、目的設計の不明確さです。CDP導入の目的が「とりあえずDXを進めたい」「データを貯めたい」レベルで止まっているケースが多くて。
結果として、データがいくらあっても、何を最適化すべきかがわからないんですよね。
池田:確かに、機能別組織になっている企業であればあるほど、データ活用が難しい傾向があると私も思います。たとえば、営業部門・マーケ部門・開発部門などがそれぞれ独自のKPIを持っている場合、共通の目的でデータを見て事業に活かす体制がつくりづらい。意思決定も複雑化してしまい、CDPが導入されても動かない状態になることが多い印象です。
斉藤:はい。しかも、CDPの構築に時間がかかればかかるほど、当初の熱量が失われてしまう。立ち上げ時は「データでビジネスを変える」と意気込んでいても、半年、一年とかかるうちに担当者が異動したり、目的が変わったりし、結果として、“作ったけれど使われないCDP”が増え続けていると感じます。
安岡:整備のハードルには、データの“質”の問題もありますよね。例えば、EC会員と店舗会員のデータを統合しようとしても、片方はメールアドレス、もう片方は固定電話しか登録がない。そのままだと、名寄せができず、顧客像が描けないままプロジェクトは止まる。結果、せっかく蓄積したデータが誰のためにも使われない。こうした状況は、本当にもったいないことだと感じます。
池田:つまり、「データを集めたけど、どう料理すればいいかわからない」と。
斉藤:まさにそうですね。この状態では、企業もユーザーも、どちらも幸せになれません。結果的に、ユーザーの行動や感情をきちんと捉えきれず、「本当に必要とされる広告」や「心に響く情報」を届けられていないのが現状です。
CDPは「定期的に課題を確認しブラッシュアップを進める」という意識を持たなければ、せっかく構築したCDPが活用されなくなってしまいます。このような意識がマーケティングDXを推進する上で、とても重要だと私は考えます。
協業の必然性。広告とデータが交わる地点で
安岡:そんな中で、アドウェイズとKIYONOが協業に至った経緯をお話ししていきたいと思います。もともと提携ありきの話ではなく、「広告とデータをどうつなげるか」というテーマで意見交換を重ねる中で、自然と方向性が重なっていったんですよね。
斉藤:はい、最初はお互いの課題意識を共有するところから始まりました。お話ししていくうちに、「データを活かしてビジネスを動かす」ためには、広告運用の知見とCDP構築の技術が交わる地点が必要だと感じ、両社でより強い連携を進め、市場に対し価値提供を行っていこうとなったんです。
安岡:初めてお話ししたとき、我々が想像していた以上に、KIYONOさんの“データへの熱量”がすごかったんです。
また、テクノロジーの話はどうしても難しくなりがちなんですが、ただ専門的に語るのではなく、それを「どう活用すれば価値につながるか」という視点で、とてもわかりやすく説明をしてくれました。正直、背筋が伸びる思いでした。
斉藤:褒めていただき、ありがとうございます(笑)。
池田:アドウェイズには、アプリマーケティングを中心に多くのチャネルデータを生かした実績や知見があります。一方で、データ基盤の整備や高度な分析の部分は、まだ強化の余地があった。だからこそ、CDP構築に強いKIYONOさんと組むことで、広告とデータの橋渡しができると確信していました。
斉藤:我々も、データ整備だけで終わらず「どう行動につなげるか」を強化したかったんです。アドウェイズさんの広告運用の実行力と組み合わせることで、データが現場で“動く”形に変わる。非常に大きな強みが生まれると思いましたね。
協業で生まれる新しい提供価値
池田:いま、実際に動き始めて感じるのは、両社のナレッジを掛け合わせることで、企業の“活用フェーズ”を一気に前進させられるということです。単なるCDP構築支援にとどまらず、広告・CRM・アプリ運用などを横断的に連動させる戦略設計が可能になりました。
安岡:なお、広告会社というと、一見「データにはそこまで強くない」と思われがちですが、実際には日々の広告配信データも重要な顧客データです。また、私たちは、広告の現場から顧客の行動変化を常に見つめてきました。そうした蓄積してきたデータや視点、ノウハウをもとに、KIYONOさんと一緒に整備や分析を進めることで、企業が抱える「活用の壁」を解決できる。これこそ、両社の新しい価値になると考えています。
![]()
斉藤:そうですね。アドウェイズさんが保有するアプリや広告の接点データを統合することで、これまで見えなかったユーザーのリアルな行動が見えてくると私たちも考えています。
「どんな顧客が、どの接点で、どんな体験をしているのか」を精度高く把握できる。これが、さまざまな企業のLTV最大化や顧客体験の最適化につながるのではないでしょうか。
安岡:具体的には、今回共同開発した「CDPコンサルティングサービス」では、単なるツール導入や各種設定にとどまらず、企業の現状に合わせた戦略設計から施策の実行、継続的な改善までを包括的に支援することが可能です。
すでにCDPを導入している企業には、既存データの価値を最大限に引き出す活用戦略を。これから導入する企業には、最初から“使える設計”を。どちらに対しても、確実に成果を出せる支援を目指していきたいですね。
データ×広告が変える、マーケティングの未来
安岡:CDPやデータ基盤の整備は、ゴールではなくスタートラインだと私は考えています。重要なのは、データを用いて、実際にビジネスを動かしていけるかどうか。私たちは、データ活用を「運用の一部」ではなく「企業文化」として根づかせる支援を行っていきたいと考えています。
池田:昨今は、デジタル広告にまつわるさまざまな課題が浮き彫りになっています。本来は、必要な情報を必要な人に届けるためのはずの広告が、いつしか“邪魔なもの”になってしまった。そんな現状が、業界全体の課題として横たわっています。
こうした分断された環境の中で、今後は「データと広告の往来」をもっと自然に行える仕組みを作ることが、マーケティングの鍵になると考えています。データが広告を育て、広告が新しいデータを生む。その循環を生み出すことが、企業の成長にも、ユーザーの体験価値向上にもつながると思うんです。
![]()
斉藤:私たちも、池田さんのおっしゃるとおり、データ利活用の、いわば民主化を進めたいと考えています。データの整備や分析が一部の専門部署だけのものではなく、誰もがアクセスできる状態にする。そのためのノウハウや支援を、アドウェイズさんとともに広げていきたいですね。
池田:ありがとうございます。今後は、オンライン上の行動データを活用した顧客予測モデルの構築や、セグメント戦略の設計など、さらに広いデータ活用領域に挑戦していきたいと考えています。企業が自社データを的確に活用し、戦略的かつ継続的にマーケティングを推進できるよう、これからも両社で協力し支援の幅を広げていければ嬉しいです。
斉藤:こちらこそ、一緒にデータ活用の壁を越え、新たな価値を届けていきましょう。
安岡:本日はありがとうございました。
一同:ありがとうございました。
広告からデータへ。そしてデータから広告へ。
アドウェイズとKIYONOは、広告とデータ活用の専門性を掛け合わせ、新たな価値を創出することを目指して事業を展開してまいります。
データが“使える”状態を当たり前にする。その循環を実現するための実験は、すでに始まっています。アドウェイズは、データと広告の両輪で、マーケティングの未来を動かしていきます。
※記載された情報は、公開日現在のものです。最新の情報と異なる場合がございますので、あらかじめご了承ください。
---------------------------------------
本サービスに関するお問い合わせ先
marke_stg@adways.net
---------------------------------------
株式会社KIYONOについて https://www.kiyono-co.jp/
株式会社KIYONOは、データとクリエイティブを軸に、企業のデジタル変革を支援するマーケティングコンサルティング会社です。2017年の創業以来、国内大手から中小企業まで300社以上の支援実績を有し、SEO支援やEC運用支援に加え、Google Cloud Platformを活用した開発支援も提供しています。
株式会社アドウェイズについて https://www.adways.net/
2001年設立。2006年に東証マザーズ、2020年に東証一部に上場。2022年に東証プライム市場に移行。パーパスに、“全世界に「なにこれ すげー こんなのはじめて」を届け、すべての人の可能性をひろげる「人儲け」を実現する。”を掲げ、アプリ・Webの包括的なマーケティングを支援する広告事業、テクノロジーを駆使し新しい広告表現や広告効果最大化を実現するアドプラットフォーム事業、ライフスタイル事業、DX事業など、領域をまたいだ事業を展開。日本を始め、アジアを中心とした海外への事業展開も行っている。
行動者ストーリー詳細へ
PR TIMES STORYトップへ