特定非営利活動法人ピースウィンズ・ジャパン

社会課題解決のその先へ。ピースウィンズ・ジャパンが描く「民が主導する社会変革」

2025年11月19日

紛争地の現実、既存の支援の限界。一人の若者が目の当たりにした衝撃は、やがて大きなうねりとなり、社会を根底から変えようとする巨大なプラットフォームを生み出しました。


国際人道支援、国内の災害支援、保護犬事業「ピースワンコ・ジャパン」による動物愛護、そして地域創生。一見、多岐にわたる分野で活動する認定NPO法人ピースウィンズ・ジャパンですが、その根底には一貫した哲学が息づいています。


単なる支援者ではなく、社会課題解決の「仕組み」そのものを創り出す、社会変革のプロフェッショナル集団です。


今回は、ピースウィンズ・ジャパンの代表理事 兼 統括責任者である大西健丞氏へのインタビューを通して、その原点にある想い、挑戦を支える組織文化、そして未来を共に創る仲間へのメッセージを、深く紐解いていきます。


原点はイラク北部での衝撃。「社会を変えるプラットフォーム」という思想


― まず、ピースウィンズ・ジャパンが誕生したきっかけ、その原点についてお聞かせください。


大西:すべての始まりは、大学院時代に訪れたイラク北部のクルド人自治区での体験です。

当時、私は学問として国際関係を学んでいましたが、そこで目の当たりにしたのは、教科書の中の世界とは全く異なる、生々しい現実。


紛争によって日常が破壊され、人々が苦しむ姿。学問と現実との間にある途方もない乖離に、大きな衝撃を受けました。


同時に、もう一つ、私の価値観を揺さぶる光景がありました。それは、現地で活動する欧米のNGOの姿です。


圧倒的な規模と高い専門性を持ち、プロフェッショナルに支援活動を展開していました。情熱や善意だけでなく、ロジスティクス、交渉、資金調達など、すべてが組織として体系化されていました。


「支援とは、これほどまでに高度な専門技能が求められる仕事なのだ」と、当時の日本のNGOの常識を覆すものでした。


しかし、私が所属していた日本のNGO団体は、志は高くとも、資金難という厳しい現実に直面し、現地からの撤退を余儀なくされました。


支援を必要としている人々がまだそこにいるのに、活動を続けられないのです。この悔しさと無力感が、私を突き動かしました。


「自分たちの手で、本当に意味のある支援を継続できる組織を作らなければならない」

その一心で、1996年に仲間たちと共にピースウィンズ・ジャパンを設立しました。



― 貴法人の事業は、国際人道支援から動物愛護、地域創生まで多角的です。これらの事業を通して、どのような価値を生み出そうとされているのでしょうか。


大西:私たちの事業領域は広いですが、その根底にある考え、社会に提供したい付加価値は、設立当初から一貫しています。それは、社会課題解決のための「プラットフォーム」を構築するということです。


世の中には、既存の行政や市場のシステムだけでは解決できない、複雑で根深い社会課題が数多く存在します。そうした課題に対して、単に物資を届けたり、一時的なサービスを提供したりするだけでは不十分です。


本当に必要なのは、その課題を生み出している社会のシステムそのものを、より良い方向へ変えていくこと。


そのために、私たちはハブ(拠点)としての役割を担います。NGO、企業、政府、そして地域住民。それぞれが持つ知識、技術、資金、ネットワークといったリソースを結びつけ、パートナーシップを構築しています。


そうすることで、一つの組織だけでは成し得ない、大きなインパクトを生み出せます。

たとえば、災害支援では被災者のニーズを的確に把握し、企業の持つ物資や物流網、政府の支援策を最適に組み合わせることで、迅速かつ効果的な支援を実現します。



大西:動物愛護では、殺処分問題という社会課題に対し、保護・譲渡活動だけでなく、ペット産業や行政との連携、地域における意識啓発まで含めた包括的なアプローチを実践しています。


私たちが目指すのは、個別の課題解決の先にある、「民の主導による、社会変革の仕組みそのもの」を生み出すこと。


これこそが、ピースウィンズ・ジャパンが社会に提供したい、唯一無二の付加価値だと考えています。


「活気のある挑戦の場」 プロフェッショナルたちが織りなす組織文化


― 社会変革という大きな目標を掲げる貴法人ですが、それを支える組織はどのような雰囲気なのでしょうか。風土や企業文化についてお聞かせください。


大西:私たちの職場をひと言で表すなら「活気のある挑戦の場」です。そこには、職員一人ひとりが「社会課題の最前線にいる」という共通の目的意識を持っていることが大きく影響しています。


紛争地や被災地の最前線であれ、国内での新たなプロジェクトの立ち上げであれ、常に私たちは困難な課題と向き合っています。その緊張感と使命感が、組織全体に高い士気とエネルギーを生み出しているのです。


最大の特徴は、その風通しの良さです。年齢や役職、職歴といった垣根は一切ありません。良いアイデアであれば、誰の提案であろうと積極的に採用し、すぐに実行に移すスピード感があります。


前例がないからやらない、ではなく、前例がないなら、私たちが最初の事例になろうという精神が、組織のDNAとして根付いています。



大西:もちろん、それは決して無謀な挑戦を意味するわけではありません。私たちの仲間は、困難な状況下でも冷静に状況を分析し、迅速に結果を出すプロフェッショナル集団です。


それぞれが専門性を持ち寄り、議論を尽くし、チームとして最適な解を導き出します。そのプロセスは非常に刺激的です。


もちろん、私たちの活動が常に順風満帆だったわけではありません。特に動物愛護事業の拡大期には、その運営方針について、著名人の杉本彩さんをはじめとする外部の方々からご意見をいただいたこともあります。


私たちはそうした声にも真摯に耳を傾け、組織を改善する機会として捉え、より良い活動へと進化させてきました。


時に厳しい現実に直面することもあります。しかし、「社会を本気で良くしたい」という大きなやりがいを、信頼できる仲間たちと共有できる。これ以上の喜びはありません。


それが、この職場の最大の魅力であり、困難を乗り越える原動力になっています。


求めるのは能動的な挑戦者!「やりたい」が社会を動かす力になる


― 最後に、これからのピースウィンズ・ジャパンを共に創っていく仲間として、どのような人材を求めているか、そして候補者の方々へのメッセージをお願いします。


大西:私たちが最も求めているのは、自らの頭で考え、能動的に行動できる人材です。


先ほどお話しした通り、私たちの活動領域は拡大を続けており、次々と新しい課題、新しいプロジェクトが生まれています。そのような環境では、誰かの指示を待っているだけでは何も進みません。


「自分ならどうするか」「もっと良い方法はないか」と常に思考を巡らせ、自分なりに工夫を凝らしながら、新しいことに果敢に挑戦できる。そうした方が、私たちの組織では水を得た魚のように活躍しています。


社会課題は、ますます複雑化・多様化しています。これらを解決していくためには、これまで以上に多様な才能、意欲にあふれた人材の力が必要です。


ビジネス、テクノロジー、マーケティング、クリエイティブなど、どのような分野の専門性であっても、社会課題解決の現場で活かせる場面は必ずあります。



大西:NGOというと、自己犠牲や奉仕の精神が強く求められるイメージがあるかもしれません。しかし、私たちは職員一人ひとりの「これがやりたい」「こうすればもっと良くなる」という内発的な情熱こそが、社会を動かす最も大きな力になると信じています。


だからこそ、その挑戦を後押しする風土を何よりも大切にしています。


自分の意欲と能力を、社会を良くするための力に変えたい。

プロフェッショナルなチームの一員として、自らも成長しながら大きな貢献をしたい。


もしあなたがそう考えるなら、ぜひ私たちの仲間に加わってください。共に悩み、共に汗を流し、まだ誰も見たことのない社会変革の景色を、一緒に創り上げていきましょう。






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