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“着る冷感” COOL SHADERが生んだ『冷感ポンチョ』という夏の新定番 10万枚突破の裏にあるザムストの開発ストーリー

2025年11月21日

「真夏のスポーツ活動が、つらくなくなった」——そんな声が、全国のスポーツ現場から届いている。

ザムストが2020年に発売した冷感ポンチョ「COOL SHADER(クールシェイダー)」は、スポーツ選手や応援席の保護者を中心に支持を集め、2025年8月には累計販売10万枚を突破。

 “着る冷感”という新しい暑さ対策の形を提案し、今や夏の定番アイテムとなった。

市場を切り拓いた先駆者としての挑戦と、ユーザーに寄り添った開発ストーリーを紐解く。

■炎天下のスポーツ現場に潜む課題

 日本の夏は年々過酷さを増し、スポーツ現場では熱中症だけでなく「不快感」「集中力の低下」「パフォーマンスの乱れ」が深刻な問題となっている。特にジュニアサッカーの現場では、保護者から「子どもが本当にしんどそう」「救急車を呼ぶこともある」といった声が寄せられていた。

 さらに、熱中症対策が制度化されつつある中で、現場では「水分補給や休憩だけでは足りない」「個人でできる対策が欲しい」といったニーズも高まっていたことに加えて、2020年当時はコロナ禍で大会運営や練習環境にも制約があり、従来のサポート体制が十分に機能しない状況だった。こうした“暑さと戦う現場のリアル”が、COOL SHADER開発の原点となった。



■現場発想から生まれた“着る冷感”

 2020年、サッカーを担当していた開発担当者は、過酷な暑さの中でも高いパフォーマンスを維持できるアイテムを、と考える中で、新しく競技規則に導入された「クーリングブレイク」があることに気づいた。

 当時徐々に普及していた、水にぬらして使う冷感タオルに着目。「これを大判にして全身に纏えば、効率的に身体を冷やせるのでは?」というアイデアが生まれた。さらに、熱中症の応急処置として濡れたタオルを全身にかける方法が推奨されていることも後押しとなり、クーリングブレイクに使える製品開発への道筋が見えてきた。


 また、試作サンプルを手にした開発担当者は、肩にかけた瞬間、思わず声を上げた。「冷たい!これはすごい!」。期待を超える冷感に驚き、「これなら現場で必ず役立つ。売れる!」という強い手応えを感じたという。

 その実感と、ジュニアサッカー現場で聞かれる「長時間の暑さで子どもが体調を崩さないか心配」という保護者の声が重なり、開発担当者の中で“この商品を届ける使命感”が一気に高まった。


 当初は翌年度の発売を予定していたが、企画開発部長の「いち早く現場に届けたい」という判断により、今年の夏に間に合わせるようスケジュールをゼロから組み直した。コロナ禍で工場の稼働が制限される中、約2カ月で企画から量産までこぎつけるという、社内でも前例のないスピード開発が実現。

 また、プロモーション用の写真撮影も、外部業者を呼べない状況下で、社員がモデル・カメラマンとなり、iPhoneを使って会社の近くにある公園で行われた。

 発売した製品は、「冷たさ・涼しさ(COOL)」と「日差しを遮る(日陰=SHADE)」を身に纏い、スポーツに取り組む方の暑さ対策をサポートしてほしいという想いを込めて、「ザムスト COOL SHADER」と名付けられた。


 2020年当時、市場に冷感ポンチョはほぼ存在しておらず、まさに“ゼロから市場を創る”挑戦だった。



【コラム】開発メンバーのこだわり

 COOL SHADERの形状には、開発チームのこだわりが詰まっている。

冷感タオルを大判化する中で、肩にかかりやすく、顔周りも覆えるフード形状が最適と判断。

 首元を冷やすことが身体の冷却に有効であることから、フード付きのポンチョ型が採用され、この形状は意匠登録(第1699335号)も取得しており、他社製品との差別化ポイントにもなっている。

 当初は競合製品がほとんど存在しなかったこともあり、差別化というより「新しい価値の創出」に注力。市場そのものを形成するという意識のもと、フィット性や使用感にこだわり抜いた設計が、ユーザーからの高い評価につながっている。



■市場の壁と草の根の広がり

 前倒しで発売をしたCOOL SHADERだったが、全く新しい製品だったので市場の反応は鈍かった。

 「周りが使っていないから使いたくない」「これ使ってもいいの?」といった声も多く、特にチームスポーツでは慎重な反応が目立った。

 また、「快適だが、見た目が気になる」というコメントもあり、装着時の印象が購入のハードルになることもあった。


 それでも、「COOL SHADERなら暑さからスポーツに取り組む人を守ることができる」というスポーツ事業部長の自信と、COOL SHADERを使用してもらった際の「冷たくて気持ちいい」といったお客様からの評価から、販売を継続した。

 また、プロモーション担当者は現場に足を運び、選手や保護者に直接製品を手渡しながら、リアルな声を拾って、認知を広げていった。

 さらに、高校の強豪チームにアプローチ。そういったチームが使っていることによって「見慣れてきた」「格好良く見える」という声が増え、世間の評価は裏返っていき、冷感ポンチョという新しいカテゴリが市場に定着していった。



■社会課題に応える“新定番”へ

 COOL SHADERは、熱中症対策という社会的ニーズに応える製品として、学校や地域スポーツの現場に浸透。

 「水さえあれば、使える」、「濡らして絞って振れば冷感がすぐに得られる」手軽さと、フード付きの高機能設計が評価され、2025年には累計販売10万枚を突破。

 特別な設備や電源を必要とせず、誰でも簡単に使える点が、スポーツ現場だけでなく、野外でのイベントにおいて重宝されている。

 さらに、気候変動の影響で猛暑日が増加する中、COOL SHADERは“暑さと共存する社会”に向けた具体的な解決策としての役割を果たしている。


 発売して5年目を迎えるCOOL SHADERは、ユーザーの「プレー中でも使える動きやすい製品がほしい」というニーズにこたえ、2025年3月よりベストタイプの「ザムスト COOL SHADER アクティブベスト」を発売。ユーザーが快適に暑さ対策ができるような製品の改善・改良に取り組んでいる。


 ザムストは「信頼できるブランド」として、COOL SHADERをさらに進化させていく。




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