株式会社三井住友フィナンシャルグループ

メガバンクの常識を超える挑戦──SMBCグループを、そして日本を変える起点となることをめざして

2025年01月16日


新たなイノベーションエコシステム構築を目指すSMBCグループのデジタル戦略部にキャリア入社した清水博氏、鳥巣悠太氏、中井沙織氏は、これまでの経験にSMBCグループの強みを掛け合わせ、オープンイノベーションに取り組んでいます。転職時には、「なぜ今、これまでとまったく業界が異なるメガバンクに移るのか」という声もあったと振り返る3人。それでもSMBCグループを選んだ理由、入社して見えたカルチャーと強さ、これから目指すべき姿について語ります。

デジタルと専門領域の掛け合わせでオープンイノベーションを推進

SMBCグループは金融を軸にした事業を展開しながらも、その枠を超えてデジタルやテクノロジーを活用することで社会課題を解決しようとしています。そのために、それぞれの専門性にデジタルの力を掛け合わせたオープンイノベーションに取り組むのが、清水、鳥巣、中井の3名です。


清水 私は現在、非対面で行う本人確認の正確性を担保するサービスを創出するための動きをしています。法律で決められた本人確認の方法を前提に、それをデジタルでいかにシンプルにしていくかという挑戦です。この仕組みで個人の属性と決済を紐づけることができれば、金融機関のサービスに限らず、ECサイトでの転売防止などにも広げていけると考えています。


株式会社三井住友銀行 デジタル戦略部 上席部長代理 清水 博氏


鳥巣 今私が担当しているのは生成AIの領域を中心とした2つのミッションです。ひとつは社内外の多様なステークホルダーを巻き込んでビジネスエコシステムを構築すること。ITベンダー、コンサルティングファーム、スタートアップ、さらにはIT業界にとどまらないさまざまなプレイヤーとの関係性を強化し、生成AIを基軸としたオープンイノベーションの促進を目指しています。

もうひとつは、マーケットインテリジェンス(市場戦略情報)の調査。業界の動向や顧客のニーズ、競合情報、経済環境などを収集・分析して、金融機関が生成AIをはじめとしたデジタル技術を使ってどのような意思決定・戦略策定を進めていくべきかを考察しています。経営戦略においても生成AIは重要なトピックのひとつ。生成AIを用いてどのように競争力を高めていくかという戦略を練っています。

参考:生成AIと人の共創プロジェクト







中井 私はWeb3(ブロックチェーン技術を用いた分散型インターネット)領域を担

当するイノベーションチームで、デジタルアセット・暗号資産関連のブロックチェーン技術を使った金融と非金融のサービスの創出に取り組んでいます。まだ詳しくは紹介できないのですが、競合他社がサービスを始めていない領域で、三井住友銀行・SMBCグループが先駆ける形でサービスをつくろうとしています。


新たなテクノロジーを活用した、金融と非金融のサービスづくりと新たな市場づくり、その両方を担う大変さを感じていますが、グループ会社も含めたフィナンシャルグループならではの形で新しい市場へ参入し、サービスの普及を戦略的に進めていけると考えています。

テクノロジーとオープンイノベーションへの積極性に惹かれてSMBCグループへ

清水は2023年1月、中井は2023年7月、鳥巣は2024年2月に三井住友銀行に入社。前職までのキャリアは、三者三様です。


鳥巣 私は外資系のシンクタンクやコンサルティングファームで十数年間、ITアナリストとしてさまざまな事業会社のデジタル事業を外側から「マクロ視点」で俯瞰し、アドバイスをしてきました。日々デジタル施策に取り組む企業の担当者やIT事業者と対話する過程で、自分自身もデジタル事業を推進する立場で仕事をしたいと思うようになったのです。これまで続けてきたマクロ視点の活動にとどまらず「ミクロ視点」から自分ごととしてデジタル事業を推進し、現場での困難や喜びを経験する。それが今後のキャリアを見据えるうえでも重要だと考えました。


デジタル活用が先行する金融業界の中で三井住友銀行を選んだ理由は、先進的なテクノロジーを広く活用してもらうための「ユーザー(顧客)との向き合い方」に魅力を感じたから。


株式会社三井住友銀行 デジタル戦略部 上席部長代理 鳥巣 悠太氏


鳥巣 金融業界は、もともとデータを起点として業務に取り組む場面が多く、他業界よりもデジタル化が進みやすい特色を持っています。三井住友銀行を選んだひとつの要因は、そうした先進的な業界の中でもデジタル金融サービスである「Olive」を筆頭に、取り組みが一歩先をいっているように見えたためです。また、技術の先進性のみならず、UX(顧客体験)に重点を置くサービス設計思想を持っているところも個人的に重要視しました。どんなに先進的な技術を取り入れたとしても、その技術を搭載したサービスのUXをないがしろにしていては、いずれ顧客は離れていきますから。


中井 たしかに、三井住友銀行のテクノロジーを取り入れる速さは印象的でしたね。私は前職の通信キャリアで、テクノロジーを金融と掛け合わせるFinTechという領域で事業開発や他社との協業による新サービスの立ち上げをしていたのですが、当時から三井住友銀行はデジタルに強いイメージをもっていました。


非金融サービスを軸にする会社でFinTech事業を手掛けていた中井は、これまでの経験を生かし、今度は金融サービスを軸にした会社で新事業の立ち上げをしたいと転職。テクノロジー・デジタルを起点に、金融と非金融両面にサービス展開していく領域の広さが自身の成長にもつながると考え、三井住友銀行を選んだと話します。


中井 じつは、初めに三井住友銀行の方と話をした時点では、「少しメガバンクの話も聞いてみよう」という、かなり気軽な気持ちでした。でも、自社でのサービス立ち上げや、他社との協業で新しいサービスをつくっていくことへの意識も高く、グローバルにチャレンジできる領域もあると知り、テクノロジーを社会のサービスに実装して広げていくことができる場所として、とても魅力的だと感じたのです。


IT企業と消費財メーカーでキャリアを積んできた清水も、当初は金融機関に転職するつもりはなかったと振り返ります。


清水 鳥巣さんとは逆で、私は手触り感のある事業に取り組んできました。テクノロジーを使った事業再編にも携わるうちに、従来の日本の仕組みや考え方ではグローバルで戦えないと感じたのです。

さまざまな企業を見る中でも、自分がやってきたことを超える魅力を感じるものがなかったのですが、デジタル戦略部の話を聞いたら、想像している金融機関のビジネスとまったく違うことに取り組んでいたので興味を惹かれました。

金融という触ることのできないサービス、さらにテクノロジーに関わる金融がどういったものかを想像できないことがおもしろそうだと感じたんです。


それぞれ経験と実績がある3人。周囲からはメガバンクに転職することに懐疑的な声もあったと言います。


中井 一部ではまだ「メガバンクは古い業態」というイメージもあるようで、「今さらメガバンクに移るの?」という意見はありました。ですが、SMBCグループでは、最新のテクノロジーの活用していこうという考えはかなり浸透していますし、メガバンクは日本を動かす大きな力のひとつ。それは、入社後に自分が立ち上げる事業のインパクトやサービスの普及につながりますし、他の事業会社とは見えている日本の広さが違うのではないか、経験できることの深さも変わるのではないかと思いました。

顧客理解の奥行きと粒度、トップマネジメントの変化への危機感が強み

株式会社三井住友銀行 デジタル戦略部 部長代理 中井 沙織氏


テクノロジー導入のスピード、オープンイノベーションへの意識の高さ、金融機関の枠にとらわれないビジネスの創出──入社前に感じた魅力は、そのまま仕事のやりがいになっていると口をそろえます。


中井 金融関連にとどまらず、本当にさまざまな業種・業態・規模のお客様と、協業を見据えて互いの業務理解のために深いところまで話をしますので、自分の知識の幅や対応範囲が広がったと感じます。この幅の広さは事業開発においても大事で、価値観を固定させず、いろいろな領域でサービス展開のチャンスをとらえていくことができると考えています。


鳥巣 法規制や組織の特性など、新しいことに挑戦するうえで外からは見えない苦労やしがらみはあります。それでも、事業会社の中で働くことで、これまでのキャリアでは得られなかった多くの気づきがあると感じています。


また、全国に多数の拠点を持ち、企業と密に関わる金融機関ならではの強みも、オープンイノベーションにおいて力を発揮していると続けます。


清水 法人営業の場合、お客さまとのタッチポイントが経営層なので、お金の面だけではなく会社の本質的な課題を深く理解しているんです。だからこそ、課題解決のためにどんなアプローチをすれば良いのかを考えるベースがきちんとあると感じます。


中井 そうですね。顧客理解の奥行きと粒度に驚きました。それは、お客さまとの接点を連綿とつくってきて、信頼を積み重ねてきた歴史があるからです。


加えて、現状への危機感や「変わらなければいけない」という意識の強さがあることも魅力だと話します。


中井 リスクをとってでも先進的なことに挑戦するという空気がありますよね。


鳥巣 たとえば2024年の春頃、デジタル戦略部が主体となり生成AIを使って三井住友銀行のプロモーション動画をつくろうという企画が立ち上がりました。生成AIのような先進的な技術を活用したコンテンツづくりに対しては、レピュテーションリスクなどの観点から行内で少なからず反対意見もあり、当初は稟議を通すのは容易ではないだろうと思っていました。しかしながら、最終的には上層部からGOの判断を得ることができたのです。現場が出す柔軟なアイデアを歓迎してくれて、承認の判断も早い。「銀行でこんなことをやっていいんだ」と感じることがよくあります。


清水 トップマネジメントほど変化への意識が強くありますし、実際に変化をリードしている。それが企業カルチャーとしても先進的だと感じます。

グローバルを当たり前に──SMBCグループが主体となり、世界にビジネスを広げていく

常に変化を続ける環境で、新たな事業、新たな価値観を生み出すべく奮闘する3人。その視線は、世界を見据えています。



清水 私自身、ルーツが海外にあるので、アジアをはじめとした世界にサービスを広げていくことが自分のミッションだと考えています。創業時から海外展開を視野に入れたスタートアップも増えていますし、日本が中心となるビジネスを作っていかなければ、今の日本の現状は変わらない。そこに、SMBCグループがしっかりと関わっていくことが重要だと思っています。


中井 実際、グローバルの垣根はなくなってきています。Web3領域においては、市場そのものがグローバルですし、パートナー企業も日本に限りません。そういったサービスを作っていくことを当たり前にしないといけないですね。


さらに、社外だけではなく、グループ内部における人材も含めた「オープンイノベーション」も主導していきたいと語ります。


鳥巣 そのためには、「ダイバーシティ・エクイティ・インクルージョン(DE&I) 」がキーワードになると思っています。銀行でキャリアを積んできた金融分野のプロフェッショナル人材と、私たちのように金融とは異なる領域に精通する人材、それぞれが価値を認め合い、互いに足りないパーツを補完し合いながら一緒にゴールに向かって邁進していく。ダイバーシティの先にあるインクルージョン(包摂性)の理念を大切に、個々の能力を最大限引き出す組織づくりを進めることがオープンイノベーションには不可欠です。


そのミッションを達成するため、それぞれに信念を持ち、自分とも向き合いながら道を切り拓いていきます。


中井 SFが好きなのですが、仕事上では「経済なき道徳は寝言である」が私のモットー。とくに先進的なテクノロジーを活用したサービスの開発は、一見すると実現性がないと思えるものに挑戦するので、収益を生み出すことや現実のサービスへの落としどころを意識することが大事だと考えています。業務の難易度や新しいテクノロジーを楽しむことと収益性を追うことを両立させながら、新たなサービスをつくっていきたいと思います。


鳥巣 私は十数年間、毎週末にトマトパスタをつくることを習慣化しています。同じことを繰り返しながらも、「どうしたらもっと良くなるか」と自分の中で試行錯誤を重ね、理想を突き詰めることにやりがいを感じているのだと思います。生成AI領域を中心に、オープンイノベーションという「外」とのつながりを生み出す役割を担ううえでも、自分という「内」との対話を大事にしつつ、探求を続けていきたいですね。


清水 「けんかするほど仲が良い」とよく言いますが、日本の企業はまだ、本気の話し合いが足りない気がします。年齢も役職も関係なく、本音の議論を交わしてこそ強くなっていくはず。だから、けんかがしたいです(笑)

けんかをしても、仲直りすれば良い選択肢しか残っていないはずです。そうやって現状を変えながら、新たなものを生み出していきたいですね。

【プロフィール】

株式会社三井住友銀行 / 株式会社三井住友フィナンシャルグループ

デジタル戦略部 上席部長代理

清水 博氏













組込み系カーナビゲーションやデータ暗号開発のITエンジニアを経て、消費財メーカーで業務用セールス、海外事業のM&A、事業経営、酪農・乳牛・ワインの新規事業立ち上げ後、グループIT戦略の企画立案やモダナイズアーキテクチャ戦略をリード。現在は三井住友銀行にて、デジタルIDを中心とした新規事業開発やオープンイノベーション施設の運営に従事しています。


株式会社三井住友銀行 / 株式会社三井住友フィナンシャルグループ

デジタル戦略部 上席部長代理

鳥巣 悠太氏













2024年株式会社三井住友銀行入行。生成AIをはじめとしたデータプラットフォーム領域を中心に、マーケットインテリジェンス(市場戦略情報)の調査や、ビジネスエコシステムの構築を推進。入行以前は、外資系コンサルティングファームや外資系シンクタンクにて、ITアナリストとして十数年間活動。講演・執筆の実績多数。


株式会社三井住友銀行 / 株式会社三井住友フィナンシャルグループ

デジタル戦略部 部長代理 / デジタルビジネスエキスパート

中井 沙織氏













イノベーションチームにて、Web3サービス(Digital Asset、暗号資産関連、オルタナティブ投資等)および他社とのアライアンス、新サービス開発に取り組む。

金融機関、通信会社FinTech部門での金融サービス開発・ビックデータ利活用・アライアンス事業、MBA(組織論専攻)の後、現職。

社外においても、事業立ち上げや、FinTech関連コミュニティの企画運営・登壇を務める。

歴史、SF、ドラえもん、料理が趣味。最近は船舶免許を取得し、船の操舵を練習中。

【SMBCグループ/DX-Link】






SMBCグループはお客さまと社会の課題解決のためのソリューションを

提供するためにデジタルを活用し、外部のパートナー企業とも連携しながら、

金融・非金融の垣根なく、ニーズを先取りしたサービスを提供していくことを

目指しています。


“DX-link(ディークロスリンク)”では、 DXにおけるSMBCのビジョン、

企業のDX推進のためのソリューション、共創パートナー企業との取組、

DXの最新動向などの情報を発信し、業種や地域等の垣根を越えて、

様々な情報やサービス、企業がクロスする場としていきたいと考えています。


皆さまとともに、明日につながる新たな価値を創出できるよう、

SMBCはグループ一丸となってDXの取組を進めてまいります。




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