株式会社ダイワコーポレーション

“個人の想い”が夢の舞台をつくる。倉庫会社が続ける少年野球大会「ベイサイドカップ」の挑戦

2025年12月04日

119チームが集った少年野球大会の裏側にある、社員と企業の物語

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

個人の想いから始まった“小さな大会”

 2015年、株式会社ダイワコーポレーションの一人の社員が、仕事とは別に一つの大会を立ち上げました。

学童野球大会「ベイサイドカップ少年野球大会」。

その創設者は、現在同社軟式野球部の監督を務める堂上洋行です。自身も野球を続けてきた経験から、息子の少年野球チームの監督を務めていたことがきっかけでした。


軟式野球部監督 堂上洋行

「少年野球は同じ地区のチームと試合をすることがほとんどです。でも、子どもたちのためにはたくさんのチームと試合をすることが良いのではないかと考えました。“勝つこと”よりも“野球を楽しめる機会”を増やしたかったんです。子どもたちの笑顔を見るのが、たまらなくうれしかった。」




 この「個人の想い」が、大会の最初の一歩でした。

第1回は知り合いの監督に声をかけて集めた神奈川県内の20チームで開催しました。

スケジュールや会場の調整をはじめ、審判や記録も、参加チームと堂上の「手作り」。目的はただひとつ──子どもたちがもっと野球を楽しめる場所をつくることでした。

スポンサー企業を自ら募って運営を続けるなど地道な積み重ねが地域に広がり、参加チームも年々増加していました。

■社内にも広がった野球文化。軟式野球部が誕生

 当社でも2017年に社員交流を目的として軟式野球部が発足します。「野球が好き」という共通点から部署を越えてメンバーが集まり、社内に一体感が生まれていきました。

 やがて、新卒採用でも「野球が続けられる会社」としてポジティブな話題となり、野球部出身者が多く入社するように。2020年度からは国スポ・天皇杯出場を目指す社会人チームとして、平日の終業後や土日に練習や試合を行うチームへと成長しました。

■ コロナ禍が奪った“野球の時間”

 その矢先のことです。

新型コロナウイルス感染拡大により、軟式野球部が出場予定だった東京倉庫協会野球トーナメントが中止。プロスポーツでさえ中断・無観客が続くなど、さまざまなことが楽しめない時勢になってしまいました。

 ベイサイドカップも開催にはこぎつけたものの、最後まで続けることが難しくなり、途中で中止という苦渋の判断を下さざるを得ませんでした。

 その知らせを監督から聞いた野球部員たちは、複雑な気持ちを抱えていました。


野球部員

「軟式野球部の大会も次々と中止になった中で、堂上監督から”ベイサイドカップも途中で中止になった”と聞きました。楽しみにしていた子どもたちの気持ちを思うと、本当に胸が痛かったですね。」


野球部員

「自分たちも大会が中止になって野球ができないことが辛かった。子どもたちにとって、公式な試合や大会が中止になる中でベイサイドカップの開催は希望になっていた部分もあったと思います。コロナ禍の終わりが見えない中で、来年以降は大会をどうしたら守れるのか?と思うようになりました。」


堂上監督が個人で続けてきた大会が止まる──その事実に、野球部員たちは強く心を動かされました。

■野球部員の一言が企業を動かした。「会社で主催できませんか?」

 「子どもたちの夢を、止めたままにしたくない」――その想いから、野球部員は行動を起こします。


野球部員

「会社が力を貸してくれたら、ベイサイドカップを続けることができる。自分たちも子どもたちの夢のために協力したい。そう思い、堂上監督に相談し、会社に提案しました。」


 その提案に、会社は迷わず賛同。

当社は横浜DeNAベイスターズのスポンサーとして横浜スタジアムに看板を掲出していた縁もあり、企業主催としての再スタートに合わせて、ファイナルステージ(準決勝・決勝)を横浜スタジアムで開催することが決定。

 こうして2021年、7回目の開催から正式に「ダイワコーポレーション主催ベイサイドカップ少年野球大会」が始まったのです。

■ 企業主催で大きく飛躍。大会運営は“すべて社員”

 当社主催となってからは、決勝トーナメント当日のボールボーイやバットボーイ、写真撮影、表彰式などの大会運営は、全てダイワコーポレーション軟式野球部が担当しています。

 また、大会専用ページやSNSも開設し、プレスリリースでも情報を発信しています。

その発信力が功を奏し、参加チームはさらに増加。2025年大会では過去最多の119チームが参加する大会へと成長しました。


決勝進出チーム監督(過去大会)

「楽しい場を用意していただいたので、楽しんで一生懸命やろうと選手たちに伝えました。コロナで1年間楽しいことが少なかったですが、このような素晴らしい舞台を用意していただいたダイワコーポレーション様、ありがとうございます。」


決勝進出チーム監督(過去大会)

「近年、子供たちが野球をする場が非常に少なくなりました。ともすると「声を張り上げるな」「バットを振ったら危ないじゃないか」と言われ、野球をする場所を取り上げられ、野球をしている子どもたちを近所ではほとんど見かけなくなりました。そんな中、しかもコロナ禍で、思い切り声を出し、バットを振って一生懸命走る。選手もそうですが、ベンチや客席で応援してくれる子や父兄にとっても、いい思い出になりました。」


 ベイサイドカップ出場チームの関係者からの「試合を観戦したい」というお声にお応えし、2022年大会からファイナルステージの試合をインターネットスポーツライブ中継の「応援.TV」(https://ohen.tv/bayside/)にて配信しています。

■広がる舞台、深まる評価──「第18回かながわこども・子育て支援大賞」奨励賞を受賞

 決勝戦の舞台も広がりを見せています。

横浜スタジアムでの開催を経て、第10回大会からは千葉県立長生の森公園野球場という新たな地へフィールドを移し、より多くの子どもたちが“特別な舞台”に立てる取り組みを続けています。

 また、スポーツ振興を通じた地域貢献の形として、「コロナで高校野球大会ですら開催できなかった時に、少年野球大会を支援したのは少年たちの夢を支援する良い取組み」との評価をいただき、2024年には「第18回かながわこども・子育て支援大賞 奨励賞」を受賞しました。


堂上監督

「舞台が変わっても、想いはずっと同じ。野球が大好きな子どもたちが、全力でプレーできる環境を守っていきたいです。」


 大会の成長と受賞は、“個人の想い”から始まった活動が、いまや地域に根づいたスポーツ文化として広がっている証でもあります。

■野球の発展と、物流業界の認知向上へ

 株式会社ダイワコーポレーションは創立70年以上、物流・倉庫業を通して“人とモノをつなぐ”役割を担ってきました。

 「ベイサイドカップ少年野球大会」は、その「つなぐ力」を地域に広げた代表的な取り組みです。


堂上監督

「勝つより育てる──この大会はその想いを形にしたものです。

子どもたちの挑戦を支える場所として、これからも続けていきたいです。」

 

 野球の発展と、物流業界の認知向上に貢献する取り組みとして、ベイサイドカップの挑戦はこれからも続いていきます。








行動者ストーリー詳細へ
PR TIMES STORYトップへ

記事一覧に戻る