VeritasChain株式会社
日本からAIの国際標準に挑む、無謀に見える挑戦者・上村十勝。VeritasChain Standards Organization(VSO)が生まれた理由。
2025年12月09日
── AI と金融インフラの「透明性問題」を、暗号技術で解決するために。
2024年から2025年にかけての金融市場では、AIとアルゴリズム取引がかつてない規模で意思決定を行う一方で、その判断を 後から正しく検証する方法が存在しない という深刻な問題が浮き彫りになっていました。
市場の混乱。
トレーダーと企業間の出金紛争。
アルゴリズムの暴走。
そして真実を示すはずのログは、管理者権限で「いくらでも書き換えられる」。
「透明性が欠けたAIは、人を守れない。」
そう考えて立ち上がったのが、
VeritasChain Standards Organization(VSO) です。
その中心にいたのが、創設者 上村 十勝(Tokachi Kamimura)でした。
■ 高専の情報通信科で始まった、「技術者としての原点」
上村は、学生時代、エンジニアリング・ネットワーク・暗号・組込み技術といった現代のシステム基盤を支える低層の技術を学びました。
AI やブロックチェーンのような華やかなテーマより 「システムが正しく動くための土台づくり」に興味があったのです。
その後は、受託開発・SaaS構築・システム設計を、多様な領域で経験します。
■ 株式会社ビルドサロンでの経験は、「コミュニティシステムの透明性」への気づきだった
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22歳、個人事業主として始めたスモールSNSの開発からピボットして立ち上げた「株式会社ビルドサロン」では、法人向けにサブスクシステムの開発・会員管理システムの開発・提供を行っていました。
この頃から、AIが普及し始め、顧客からも「AI対応システムを作ってほしい」「AIでの管理システムを付けたい」といった要求が急激に増えていきます。
そこで見えてきたのは、
「データの透明性が担保できないシステムは、人間同士の不信を生む」
という事実。
管理者権限が強いシステムほど、ログやデータを管理者が変更できてしまう構造は、どんなに善意があっても「疑念を生みやすい」。
この時得た実感が、後の VCP(VeritasChain Protocol) の基礎思想につながっていきます。
■ 金融AI問題と出会い、「透明性の欠落は市場全体を壊す」と確信した
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2025年、会社を売却後、資産を守るため、投資信託・為替取引を開始。
そこで、ロット数の管理を間違え、破滅的な経験をしました。
「何故このようなことになったのか?」
「詳細な原因は?どこでロットを間違えた?」
私は徹底的な検証を試みましたが、わかったのは「ロット数の制御ミス」のみ。
証券会社から発行される書類は、淡々とロット数と損益が並んでいるだけのCSV。
そこで、単一のAIを搭載した実験用のEA(自動取引システム)を開発します。
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単一のAIは、どうしてもハルシネーションを起こすことがわかり、5つのAI(4LLM)を利用した合議制マルチコンセンサスEAを開発。
しかし、そこでも問題が発生。
約定結果について、どのAIが、どのような判断を下したのかがわからなかったのです。
例えば、損害が発生した場合、それぞれのAIが、どのような理由でシグナルを出したのかがわからなかったのです。
これは致命的でした。
なぜなら、「原因が究明できない」という、過去の過ちを繰り返すことになるからです。
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そこで、1か月の試行錯誤の末、時間枠で結びつけていたAIシグナルと約定結果を、チケットIDで完全に紐付けることにようやく成功しました。
そこで見えてきたのは、AIの集合知による暴走でした。
例えば、5つのAIが同じ判断を下した場合、むしろ逆方向に強い価格変動が起き、損害が発生しやすいという傾向が明確に現れたのです。
C = Σ w_i * s_i
- w_i = AIごとの重み(EAのAIモデル重み)
- s_i = 方向(BUY = +1、SELL = -1、NONE = 0)
(AI合議の内部スコア計算の式)
これを私は「AI合議のパラドックス」と名付けました。
私はこの現象に強い興味を持ち調べたところ、金融市場で起こる「フラッシュクラッシュ」という危機的なメカニズムを知りました。
さらに、欧州では EU AI Act によって
「AIを利用した取引判断のログを、後から検証可能な形で残すこと」
が求められつつあることを知り、 背景を掘り下げていくうちに、
「世界中の規制当局が、私と同じ構造的懸念──【民間ブローカーのAI判断を実証できない】という問題を共有している」
という確信に至りました。
また、AIアルゴ取引が急速に普及する現在、この【透明性の欠落】は将来的に、いえ、近い将来に 市場全体へ重大なショックをもたらす可能性があると強く感じるようになりました。
誰もやらないなら、自分がやるしかない。
そして上村は決断します。
「誰も破壊できない監査証跡のプロトコルをつくろう。
AIの判断を、数学で再現できるようにしよう。」
■ VeritasChain Protocol(VCP)が誕生した
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「私は気づいた。AI の判断を後から検証できない世界は、必ず同じ悲劇を繰り返す。」
VCP は、
暗号学 × 分散システム × 規制要件
を統合した、世界初の「AI監査プロトコル」。
- Hash chain(改ざん検出)
- Merkle Tree(高速証明)
- Hybrid Signatures(Ed25519 + Dilithium)
- Completeness(欠落検出)
- Multi-log replication(外部監視)
- RFC準拠のタイムスタンプ・データ構造
これらを一つの標準仕様として体系化し、
高頻度取引(HFT)にも耐える数百万イベント/秒の性能を実現しました。
■ なぜ標準化団体(VSO)なのか?
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「プロダクト」「商品」ではなく、「標準」として世界に提供すること。
これが VeritasChain Standards Organization(VSO)の使命でした。
VSO はアルゴリズム取引の監査に特化した独立・非営利の標準化団体として設立。
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2025年末までに、世界14法域・20規制当局(SEC, CFTC, FCA, EU, MAS, SFC, ASIC, RBI など)へ VCP v1.0 を提出しました。
(アメリカ、イギリス、EU、香港、シンガポール、オーストラリア、UAE(ドバイ)、インド、ブラジル、カナダ、スイス、リヒテンシュタイン、韓国、サウジアラビア)
「正直、14カ国20当局への提言なんて無謀だと思っていた。
でも、AIの透明性の問題を放置した未来の方が、もっと恐ろしかった。」
標準仕様は英語・日本語・中国語のオープンソースで公開され、誰でも無料で検証できるように設計されています。
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https://github.com/veritaschain/vcp-spec
■ AIが判断する未来に、「AIを監査する基盤」を提供する
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自動運転、医療AI、ロボティクス、FinTech……
あらゆる領域で AI の判断は増え続けています。
しかし、
「AIが何を判断し、なぜそう判断したのか?」
これを証明できるシステムは、まだ世界に存在しません。
- 自動車事故:目撃者、防犯カメラ、ドライブレコーダー
- 航空事故:管制記録、搭乗者証言、ブラックボックス
- 医療事故:電子カルテ、看護記録、検査データ、病理解剖
しかし現在、AI判断による事故を検証(証明)できるそのような仕組みは存在しないのです。
だから私は、AIだけが「ブラックボックス」でいてはいけないと確信しました。
VCP は、その「証拠のレイヤー」を担う標準です。
AI の透明性は、人の安全を守るためのインフラになる。
その未来を信じて、VSO は標準づくりの挑戦を続けています。
「私は、AIの透明性を世界のインフラにするまで、歩み続ける。」
VeritasChain Standards Organization(VSO)
公式サイト:https://veritaschain.org
Email:info@veritaschain.org
Tokyo, Japan
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