ヌノニシタイ株式会社

縫製工場の片隅から生まれた鞄・雑貨ブランド「nuno ni shitai.」独立そして店舗オープンまでのストーリー

2025年12月10日


店舗外観


1975年創業の縫製専門会社・オオミスタイルから2024年に誕生した、自社ブランド「nuno ni shitai.」。それから1年後の2025年11月に独立し、JR湖西線 近江今津駅から徒歩圏内に工房兼店舗をオープンする運びとなりました。ブランドの立ち上げから企画・製造・販売までを一貫して行ってきた中矢佳希(なかやよしき)さんに工房兼店舗オープンに至った経緯や今後の抱負を伺いました。

縫製工場での7年と、芽生えたブランドへの想い


──店舗のオープン前は、どんなお仕事をされていたのですか?


京都府警の警察官を経て、2017年高島市今津町の縫製工場「オオミスタイル」(妻の家業)を継ぐことを視野に、入社しました。婦人服やバッグ、小物雑貨の縫製現場で、まったくの未経験から技術を学び始めました。


──なぜ自社ブランドを立ち上げようと思われたのですか?


オオミスタイルはOEM(他社ブランドの製品を製造すること)が中心の工場で、発注してくださるお客さまのブランドのために製品をつくります。ただ、以前から自社でも「地域資源を活用した製品で、直接お客さまとつながりたい」という想いがありました。そんな中、2022年に専務として経営に携わるようになり、2024年に初の自社ブランド「nuno ni shitai.」を立ち上げました。


──「nuno ni shitai.」をリリースしてみて手ごたえはありましたか?


初のクラウドファンディング(終了)


Instagramを中心にしたSNSでファンの皆さんに応援していただいたおかげで、クラウドファンディングでの発売で、160万円を超える応援購入がありました。その後、自社サイトでのインターネット販売をスタートし、発売するたびに即完売が続くほどになりました。

家族経営の中での葛藤、そして決断


──なぜ事業承継ではなく独立を決断されたのですか?


家族経営ならではの難しさや、目指すビジョンの違いに直面する日々でもありました。そんな中、2025年9月末に大きな転機が訪れ、オオミスタイルを離れて独立する道を選びました。 いつか独立する日が来るとは思っていましたが、予定よりもかなり早まりました。


──決断はすぐにできましたか?


正直なところ戸惑いもありましたが「nuno ni shitai.」を応援し待ってくださる方々の期待に応えたいという気持ちが何より大きく、立ち止まっている暇はありませんでした。ファンの方の声に後押しをされ、独立から2ヶ月というスピードで、店舗オープンまで進めることができました。

ブランド名「nuno ni shitai.」に込めた意味


──社名にもなっている「nuno ni shitai.」には、どんな意味があるのでしょうか?


「縦糸と横糸が組み合わさり大きな一枚の布になるように、地域のストーリーと人が繋がり、さらに人から人へと広がっていってほしい」という私たちの願いを込めています。ロゴである三つ編みのデザインには、糸と糸が編まれて布になっていくように、人・自然・文化が重なり合い新しいつながりが生まれる。そんな「ツナガル×キッカケ」が生まれることを象徴しています。


──素材やデザインにも特徴がありますね。


三つ編みバッグ


はい。持ち手の三つ編みが特徴の帆布バッグですが、滋賀県・琵琶湖生まれの素材ヨシ(葦)を使用した「琵琶の葦布®️」(高麻株式会社の登録商標)でつくられています。三つ編みの持ち手は、長さや太さを何度となく試作して完成させました。

今津町に店舗をつくる意味


──なぜ今津町に店舗を?


この場所は、JR湖西線 近江今津駅からシャッターが目立つローラン名小路商店街(なこじしょうてんがい)を抜けた先にあります。まずはこの場所で、地域の方に知ってもらいたい。そして、SNSを通じてつながったファンの方が「nuno ni shitai.」をきっかけにお店に来てくれることで、少しでも人通りの少ない通りに活気が生まれればと考えています。


──オープンまでに大変だったことはありますか? 


全てが初めてなので、大変でした。オープン日を決めたけれどオープンまでに発注したものや工事が間に合うのかとか、こちらでは出来ないこともありましたが「これ以上お客さまを待たせられない」という想いがあり、なんとか間に合わせることができました。


──店舗はどんな空間に仕上がりましたか?


通りから見える店内


通り沿いの入口はガラス張りで、窓からは工房の様子がよく見えるようになっています。通り沿いに並んだ2台のミシンが置いてあることから、ご近所の方などが、様子を見に来たり声をかけてくださったりして、地域とのつながりも生まれています。


──オープン後の反響は、どうでしたか?


オープン初日には開店待ちの列ができた


オープン初日には、30名以上のお客さまが開店前から列をつくっていました。その後も、関西圏だけでなく全国から渋滞を越えて高島まで来てくださった方がたくさんいました。そして「おめでとう」「オープンを待っていたよ」といったお祝いの言葉をいただきました。本当に、たくさんのお客さまに支えていただいていると実感し、あの日の決断は間違っていなかったと確信できました。


──最後に、これからの展望を教えてください。


代表取締役 中矢佳希さん(左)後川梨愛さん(右)


支えて頂く多くの方の想いにこたえられるよう「nuno ni shitai.」というブランドを通じて、人と人、地域と文化をつなぐ“きっかけ”になれるよう、歩みを続けていきます。これからも、ただバッグをつくるだけでなく、お客さまや仲間と共鳴しながら、自分たちらしいものづくりを続けていきます。

ここから本当の「ヌノニシタイ」が始まります。新たな一歩を、ぜひ温かく見守っていただけましたら幸いです。


 nuno ni shitai. (ヌノニシタイ)

住所:滋賀県高島市今津町名小路1-6-5

電話番号:080-6380-7041

定休日:不定休

営業時間: 12:00〜19:00

※ご来店の際は、InstagramからのDMまたは公式LINEにて予約ください




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