株式会社FCE

「7つの習慣J®」、20年前の英断が生んだ大きな変化-進学・スポーツ・人間力の育成で躍進した岡山学芸館高等学校の土台にある学校づくり

2025年12月18日


岡山学芸館高等学校は、2005年に「7つの習慣J®」を日本で初めて導入した私立学校。それ以来、20年という長きにわたり、その教育実践を通して生徒たちの「人間力」を育み、学校文化そのものを変革してきました。


かつて、困難な状況にあった時代から、今や全国に名を馳せる進学校、そしてスポーツの強豪校へと変貌を遂げた背景には「世界で活躍する立派な日本人を育てる」という揺るぎない建学の精神と、20年にわたり深く根付いた人間教育がありました。そこには、単なる教育プログラムの導入に留まらない、学校文化そのものを変革する壮大な挑戦があったのです。


本記事では、岡山学芸館高等学校の小笠原副校長と導入を支援し、伴走を続けてきた株式会社FCEの川村氏の活動を軸に、その背景や実践、そして成果と未来への展望を紐解きます。

森前理事長が目指した建学の精神「世界で活躍できる立派な日本人を育てる」とは

小笠原副校長:本校の建学の精神は「世界で活躍できる立派な日本人を育てる」こと。現在の森教育学園として新たな歩みを進める以前、約30年前の学園は、まだ知名度や教育的な評価が十分浸透しておらず、生徒指導上の課題を抱えていました。


転換期を迎えていた2005年、森靖喜前理事長は、日本の私立高校として初めて「7つの習慣J®」の導入を決断されました。岡山学芸館高等学校の卒業生であり当時大学生だった小笠原副校長は、森氏に招かれ、導入して間もない頃の「7つの習慣J®」の授業を見学します。この出会いが、彼のその後のキャリアに大きな影響を与えることになったのです。


導入以前の学校では、4月の段階で「なぜこの学校にいるのだろう」と戸惑い、主体的に行動できない生徒も見られたといいます。そうした子どもたちに、前向きな一歩を踏み出してほしい——。その想いが、「7つの習慣J®」導入のきっかけとなったのです。


川村氏:森前理事長は、もともと「本学」と「末学」という考え方を大切にされていました。「本学」とは人間教育、つまり目に見えない根っこの部分の教育です。「末学」とは、学力やスポーツの実績など、目に見える部分の教育を指します。どれほど良い成績を取っても、スポーツで素晴らしい実績を残しても、根っこの部分がしっかりしていなければ長続きはしないと考えておられました。



小笠原副校長:森前理事長は『7つの習慣』を読み「人類普遍の重要なことが書かれている」と、導入を即決したと聞いています。本校が大切にしてきた神道の考え方や、キリスト教的な博愛の精神が網羅されていると判断されたようです。


当時、外部のプログラムの導入に懐疑的な見方が広がる中、岡山学芸館高等学校の決断は教育界に大きなインパクトを与えました。


川村氏:多くの学校が注目し、岡山学芸館高等学校に視察に訪れました。「心の底から学びたいという気持ちを、どのようにアプローチしたら子どもたちに持たせられるか」といった課題への解決方法として、次々と30校もの学校が『7つの習慣J®』を導入したのです。


「本当に大切な学びとは何かを見失うな」教員たちが工夫を重ねたカリキュラム体制がやがて人間形成の土台に


現在、高校1年生は総合的探究の時間で「7つの習慣J®」と課題研究の二つを柱として学んでいます。高校では総合的探究の時間が3単位必要ですが、岡山学芸館高等学校では「7つの習慣J®」を含め2倍の時間を充てています。


小笠原副校長:限られた時間のなかで、授業のコマ数をどう確保するかは常に悩ましい課題でした。「7つの習慣J®」の時間を見直す案が持ち上がることもありましたが、その度に前理事長から「本当に大切な学びとは何かを見失ってはいけない」と背中を押され、私たちもその意義を改めて見つめ直せたのです。結果として、授業時間を50分から45分に調整するなど、全体のスケジュールを工夫することで、プログラムの時間を確保してきました。


高校1年生では「7つの習慣J®」のプログラムで、パラダイム転換、主体性、終わりを考えてから始めること(時間管理)、そして公的成功と私的成功といった原則を学び、人間関係の基礎を築きます。同時に課題研究では、普段のクラスとは異なるシャッフルクラスで新たな人間関係を通して、グローバルな視点や研究の基礎力を身につけるのです。


小笠原副校長:高校入学後に抱える悩み、例えば「周りに圧倒されて一歩が踏み出せない」「あれこれ手を出してうまくいかない」といったことと、「7つの習慣J®」の教えがリンクするようにプログラムが組まれています。この土台が、高校2年生、3年生での主体的な学習へとつながるのです。


高校2年生からは、23個のゼミの中から興味のある研究テーマを選び、深掘りしていく流れとなっています。全生徒が校内発表会でそれぞれの研究発表を行うため、真剣に取り組まざるを得ません。昨年は195もの研究発表が行われ、その中から選抜された8グループが全校生徒の前で発表しました。


小笠原副校長:「7つの習慣J®」は、部活動の指導にも共通言語として活用されています。例えば、サッカーの試合で熱くなって冷静さを失った選手には「一時停止ボタンが押せていないよ」と声をかけると、彼らは「冷静にならなければいけない」と理解します。生徒会の生徒が一人で抱え込みがちであれば「時間管理のマトリックスでいうと、今、どこが大事なんだっけ?」と話すと「緊急かつ重要なことばかりに追われていました」と気づいてくれる、というような形です。


「7つの習慣」の考え方は、人間としての成長だけでなく、社会の中の個人としての成長も促してくれるそうです。


7つの習慣の「私的成功」と「公的成功」


小笠原副校長:「7つの習慣J®」は「私的成功」と「公的成功」の二つに分けられています。私的成功は、第1から第3の習慣で学ぶ「自分自身を律する」部分です。私個人の整理の仕方ですが、課題研究は、社会貢献や世の中との関わりを学ぶもので、これは「公的成功」の部分にあたります。私的成功ができていない子が公的成功に取り組んでも、納得できる成果を出せません。この2つのバランスが非常に重要なのです。


『7つの習慣』の原則を中心にさまざまな取り組みを実践した結果、岡山学芸館高等学校は目覚ましい成果を上げています。この20年ほどで、東京大学や医学部への進学者、国公立大学への合格者数が飛躍的に増加しました。部活動の面でも、サッカー部が全国優勝、吹奏楽部が8年連続全国大会金賞、テニス部がインターハイ団体優勝、高校野球部も甲子園ベスト16に進出するなど、輝かしい実績を積み重ねています。


全国高校サッカー選手権2022/2023.

「第101回全国高校サッカー選手権大会」初優勝(1月9日 )


小笠原副校長:「人間力」については、「良行表彰」という形で素晴らしい行動をした生徒を表彰しています。例えばある生徒は、夜の公園を歩いていた小学生を保護したのですが、その子は捜索願が出ていた行方不明者だったことが分かり、警察から表彰されました。また、野球部が沖縄遠征中に、国際通りで倒れた高齢女性にAEDで心肺蘇生を行い、命を救った生徒もいました。彼らは大人から指示されたわけでもなく、自らの判断で行動を起こしたのです。このようなエピソードから、生徒たちの道徳心や倫理観が育っていると実感しています。


学校全体として、「7つの習慣J®」の導入は、学校の空気感を醸成し、まとまりを生み出してくれました。挨拶ができること、メリハリがきちんとできること、人として素晴らしい行動ができること、こういった基本的な「人として当たり前のこと」ができる生徒が増えたと感じています。


見えない成果に取り組んだ20年、数値では測れない「風土」として学校に浸透


20年にわたる導入期間の中で、プログラムの定着や効果的な運用がスムーズに行われたかといえば、決してそのようなことはなかったそうです。当然ですが、さまざまな障壁や困難に直面しています。


小笠原副校長:「7つの習慣J®」は、目に見える成果をすぐに求めるものではないため、その効果を数値で示すことは難しいです。先ほどご紹介した生徒たちの素晴らしいエピソードも、「7つの習慣J®」を実践した結果であると明確な因果関係を証明することはできません。そのため、「本当に効果があるのか」という疑問を抱く先生もいたと思います。


導入したから進学率が上がったなど、即効性や明確な数値で測れないため、文化として醸成するまでには時間がかかったそうです。しかし、授業を行う教員側にも、変化は現れたとのこと。


小笠原副校長:私自身も、仕事に行き詰まった時に「7つの習慣」の考え方で打開策を見つけることがあります。「相手を理解してから理解される」というコミュニケーションの原則や、「刃を研ぐ」(自己研鑽)ことの重要性、そして「信頼貯金」といった考え方が、無意識のうちに自分の生活や仕事に根付いています。


教員の中にも「7つの習慣J®」の考え方を実践できている先生はたくさんいらっしゃいますよ。ファシリテーターの資格を持つ先生はもちろん、資格がなくても本を読み込んだり、先輩教員からのアドバイスを受けたりして、生徒との接し方や部活動の指導に活かしています。そういった意味では、「7つの習慣J®」は学校の「風土」として根付いてきたと感じます。


ファシリテーターの資格取得については、本人の希望があれば積極的に取得を支援しているそうです。小笠原副校長から教員に対して「ぜひ取得しませんか」と声をかけることもあるとのこと。


小笠原副校長:学校にとってもホームルームの担任として、あるいは部活動の顧問として、生徒への接し方に良い影響を与えてくれると期待しています。


理想実現のための伴走者でありたい。5年後、10年後に「良かった」と手を取り合える存在になれることを願って

最後に、これから「7つの習慣J®」の導入を検討されている教育関係者や学校経営者に向けてのメッセージをおふたりに伺いました。


小笠原副校長:導入を検討する前に、学校の経営層が「7つの習慣」の本質を理解することが重要です。そのため「7つの習慣」そのものを知ることから始めるのが良いと思います。分厚い原著を読むのが大変であれば、YouTubeやアニメ、漫画など、さまざまな媒体で分かりやすく解説されているものがおすすめです。理解してみると、単なるツールとしてではなく、学校の考え方や組織風土として取り入れる意義が分かると思います。経営層が揺るぎない意志を持てば、組織全体にその思いが浸透していくのではないでしょうか。


川村氏:私たちFCEにとって「7つの習慣J®」を導入していただくことは通過点であり本当のゴールではありません。もちろん導入を検討いただけることはありがたいことですが、それ以上に大切にしているのは、学校の皆さんが直面している課題を、自分たち自身の課題として受け止め、ともに考え、ともに歩んでいく姿勢です。どの学校にも、その学校ならではの目指す姿や、大切にしている想いがあります。私たちは、そのビジョンの実現に向けて伴走し、5年後、10年後に「一緒に取り組んできて本当に良かった」と感じていただけるような関係を築いていきたいと考えています。「7つの習慣J®」がその一助となれるよう、長い目で見てご検討いただければ嬉しく思います。


ーー岡山学芸館高等学校が「7つの習慣J®」とともに歩んできた20年は、単なる教育プログラムの導入を超え、学校全体の在り方や、生徒一人ひとりの「人としての成長」に深く関わる取り組みでした。


時に立ち止まり、悩みながらも前を向いて変化を積み重ねてきた背景には、「世界で活躍する立派な日本人を育てる」というぶれることのない教育理念がありました。その理念と「7つの習慣J®」が持つ普遍的な価値観がゆるやかに響き合い育まれてきたのが、今の岡山学芸館の姿なのだと思います。変化の先にあったのは、“よりよく生きる力”を育てる、確かな手応えだったのです。


※『7つの習慣』及び「7つの習慣J®」はフランクリン・コヴィー・ジャパン社の登録商標です。






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