ユースタイルラボラトリー株式会社
18歳の壁を越えて、医療的ケア児家庭に「休息」と「未来」を。医療的ケア児支援法改正を前に東京都が動いた~重度障害・難病ケアのユースタイルラボラトリー”医ケア児家庭支援2025”のあゆみ~
2026年01月19日
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医療的ケア児は、障害福祉サービス「重度訪問介護」が使えない
24時間365日、痰の吸引や経管栄養などの医療的ケアを必要とする子どもたち(医療的ケア児)とその家族。日本国内に2万人以上存在すると言われるご家族の日常は、常に「介護」と隣り合わせです。
親御さんは片時も目を離すことができず、夜中も数十分おきの吸引があり眠れない。
両親のどちらかは当然のように退職を選択せざるを得ない。
親が兄弟児に関わる時間が減る。
…など、負荷の高い環境が課題となっています。
重度障害・難病ケアの専門事業者として重度訪問介護事業を全国最大規模で運営する「ユースタイルケア重度訪問介護」の現場でも、こうしたご家族の悲痛な声を伺ってきました。
障害福祉サービスである「重度訪問介護」は、最重度の障害・難病者の長時間の在宅介護を可能とするサービスです。しかし、対象は18歳以上となっており、医療的ケア児は重度訪問介護サービスが利用できません。
経管栄養や人工呼吸器などの医療的ケアを受けて暮らす医療的ケア児・者に対する支援の強化を目的に2021年6月に議員立法で成立した医療的ケア児支援法(正式名称:医療的ケア児及びその家族に対する支援に関する法律)。
超党派の議員連盟が、2026年現在「医療的ケア児支援法」27年度本改正施行に向けた議論を本格化させる動きを見せています。この改正案の大きな焦点の一つが、医療的ケア児・者のスムーズな支援に繋がりを阻む「18歳の壁」の解消です。
しかし、法改正を待つ間にも、現場のご家族は限界を迎えています。
重度訪問介護が使えないのなら、18歳未満も利用できる通常短時間を想定した障害福祉サービス「居宅介護」で、医療的ケア児ご家庭への長時間支援を可能にできないか?
私たちユースタイルラボラトリーは、医療的ケア児への居宅介護の長時間利用実績を2017年から積み重ねてきました。
「医療的ケア児支援プロジェクト」行政と共に現場から支援を推進
ユースタイルラボラトリーはこれまで、埼玉県を中心に「居宅介護」の枠組みを最大限に活用した、医療的ケア児家庭への長時間支援を行ってきました。これは全国的にも極めて珍しい取り組みです。
これまでに医療的ケア児への居宅介護の長時間利用実績は約20件。現在も利用者は約20名で、10歳未満の医療的ケアのあるお子さんが主です。0~1歳の乳児の利用者様もいらっしゃいます。夜間の見守り支援ニーズが高いことがわかっています。
2025年、私たちはこのモデルを全国へ広げるため「医療的ケア児支援プロジェクト」を社内で組成しました。プロジェクトチームの注力軸は3つです。
- 全国の医療的ケア児家庭の支援ニーズの抽出
- 福祉関係者・行政関係者への具体的な情報提供
- 東京都をはじめとした行政への情報提供と政策提言
<全国の医療的ケア児家庭の支援ニーズの抽出>
まず取り組んだのは、全国の事業所に寄せられた過去の相談事例の全件洗い出しです。
18歳未満であることを理由に支援を断念せざるを得なかった事例を再検証し、改めてご家庭へお声がけを行いました。
医療的ケア児の親御さんが加盟する全国組織「全国医療的ケアライン(アイライン)」のイベントや地域支援団体による勉強会など、親御さんたちの生の声を聞かせていただく場に積極的に参加してまいりました。そこで浮き彫りになったのは、医療的ケア児者の18歳の壁を取り払う期待とともに、「今、この瞬間の助けが欲しい」という切実な声でした。
全国の医療的ケア児支援センター・相談支援専門員・医療機関・地域の訪問看護師などへの聞き取りも、直営のユースタイルケア重度訪問介護事業所全約50施設で実施しました。
<福祉関係者・行政関係者への具体的な情報提供>
埼玉県での20件以上の実績をもとに、支援事例集を作成し福祉関係者や行政関係者に提供しました。2025年5月より毎月オンライン開催している「ユースタイルケア重度訪問介護セミナー」では、医療的ケア児の支援ケースに関するテーマ回を設けました。
同回には全国から200名以上もの相談支援専門員や支援職の皆さんが参加申込をしてくださり、関心の高さを実感しました。
<東京都をはじめとした行政への情報提供と政策提言>
医療的ケア児家庭支援への想いをもつ関係者や議員の皆さん、行政の皆さんと半年以上の時間をかけ、多くの情報交換をさせていただきました。
全国介護事業者連盟 障害福祉事業部会 東京都支部(支部長 大畑 健:ユースタイルラボラトリー株式会社 代表取締役)を通じて、また重度障害・難病ケアの在宅介護現場運営事業者として、医療的ケア児家庭支援が現行制度の活用でもっと具体的に推進できることを、東京都福祉局の皆さんと確認をしてまいりました。
そして2025年12月19日、東京都から「居宅介護の長時間利用」を推進する画期的な周知「医療的ケア児に係る居宅介護の支給決定における勘案事項について」がなされました。
東京都福祉局障害者施策推進部地域生活支援課より都内各市区町村へされた本通知により、保護者の就労や睡眠確保を目的とした「居宅介護の6時間を超える長時間支給」が、東京都において明確に認められることとなりました。
医療的ケア児の親御さんの疲弊を、放っておけなかった
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ユースタイルラボラトリー医療的ケア児支援プロジェクトを推進した社内担当者のコメントです。
ユースタイルケア重度訪問介護事業
ゼネラルマネージャー:菅野 真由美
「埼玉で重度訪問介護サービスを拡大していた頃、上尾市に住む医療的ケア児を育てるお母様と出会いました。24時間介護で疲弊したお母様の現状をなんとかしたいと思いました。埼玉県内はもとより、全国でも居宅介護の長時間活用はほとんど事例がなく、埼玉県の当時の担当者の方にも大変ご尽力いただきました。私たちが長時間支援に入ることで、ようやく『子どもが退院してから初めて眠ることができた』と言っていただけた時、この支援の必要性を確信しました。今回の東京都の通知により、支援の輪が広がる土壌が整いました。2026年の法改正を追い風に、エリアや年齢を問わず、医療的ケア児者が必要な支援を受けられる社会を目指します。」
プロジェクト統括:堀上敦(ユースタイルケア重度訪問介護事業・ブロックマネージャー)
「埼玉で始めた頃はあくまで『特例』扱いでした。あたりまえや常識にとらわれない当社の社内ですら、全国展開は難しいのではという声も聴かれました。しかし、今その『あたりまえ』が変わろうとしています。
東京都は介護現場からの情報提供に対し真摯に向き合い、『当然、居宅介護を長時間で使うべきだ』と応えてくださり、全国に先駆けて通知を発信されました。私たちの目標は、今まで諦めていたご家庭に『明日も、未来も大丈夫』という希望を届けることです。まだまだスタート地点ですが、試行錯誤を成果につなげていきたいです」
ユースタイルラボラトリーは、全国最大規模の重度障害・難病在宅ケアの専門事業者として、年齢やお住まいのエリアを問わず、「すべての必要な人に、必要なケアを届ける。」というミッションに今後も邁進してまいります。
【サービスについて】
重度訪問介護・居宅介護等を全国で提供する在宅介護サービス「ユースタイルケア」。
直営事業所約50事業所、フランチャイズをあわせ全国約100事業所で重度障害・難病者・高齢者のための在宅介護サービスを届けています。
<会社概要>
名称:ユースタイルラボラトリー株式会社
代表:大畑 健
本社:〒164-0012 東京都中野区本町1-32-2 ハーモニータワー18階
設立:2012年2月
事業内容:重度訪問介護事業、日中サービス支援型グループホーム運営など全国160事業所
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