株式会社フェイガー
日本の農業スタートアップが描く持続可能な未来 COP・FAO登壇、ウガンダ政府機関と連携
2026年01月20日
#持続可能な農業 #農業由来カーボンクレジット #スタートアップの挑戦
農業の脱炭素化と食料安全保障という大きな課題に対し、政策・研究と連携しながら、生産者とともに“現場で実装”を進めてきた日本発スタートアップの株式会社フェイガー。
国内外で積み上げた実装モデルが、国際会議の議論に現場の視点を届けています。
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農業の脱炭素化や気候変動への適応は、国連や国レベルでの支援の枠組みがあり、研究機関や民間企業の技術・ソリューションが活用され、実装については農家はもちろん国連組織、民間企業、NPOやNGOなどがそれぞれの役割を全うすることでようやく前進するテーマです。
フェイガーは日本での取り組みを先行し、2025年は約1800人の生産者と活動を広げました。また、取り組みのなかで国、行政、地元の企業などを巻き込みながら、農業という産業の未来をともに作ってきました。これらの取り組みや、フィリピンを初めとする海外への展開が、一つのあり方としてFAO本部やCOP30といった国際会議の場でスポットが当たる機会が広がっています。
■ビジネスの世界で取り組みが広がることで、「持続可能な取り組み」として広がる
国際会議で注目されるポイントの一つに、これらの取り組みがビジネスの世界で実装され広がりを見せていることにあります。
農業界への支援はFAOやWFP、JICAや各国の農水省・行政などが支援を行っている分野であり、重要な役割を果たしています。一方で、そこには予算や人員の制限や、あらかじめ定められたスコープや期間があります。また、支援後に生産者が、支援対象ではなくビジネスとして農業分野で成功を収めるための支援は、こうした公的機関の支援とは異なるケースもあります。
フェイガーで行っている取り組みはあくまでビジネスとして、農家はもちろん、プロジェクトに関わる全ての人が経済合理性がある設計となっています。誰かの犠牲や善意を前提としていないため広がるスピードも多く、結果的に大きなインパクトを生むことができます。
気候変動という人類共通のトピックをある意味チャンスと捉えて、慣行農法の変更を促しながら収量・品質を高める取り組みが、ビジネスの活動の中で広がることは、今まで世界で議論されてきた政策や国連の支援等をより拡大し大きなインパクトを生む進め方として期待が高まっています。下記でご紹介するFAOやCOP等などの国際会議の場での認知が広がり、取り組みが広がることで、より多くの生産者とともに農業を盛り上げることができることを期待しています。
■FAO「World Food Forum 2025」──“緩和と適応”の両輪を世界へ
2025年10月、イタリア・ローマのFAO本部で開催された「World Food Forum 2025(WFF)」に、代表・石崎貴紘が登壇しました。
FAO創立80周年を記念した今回のフォーラムは、“Hand in Hand for Better Foods and a Better Future”をテーマに、各国政府、研究機関、企業、若者団体など世界中の関係者が集結。
フェイガーは、農業分野における気候変動の「緩和」と「適応」をテーマに、日本国内での農業由来カーボンクレジット実装モデルと、気候レジリエンス向上に向けた研究開発の取り組みを紹介しました。
またFAOローマ本部との協議では、アジア・アフリカ地域での技術展開や政策支援の枠組みづくりを議論。現場起点の農業モデルを国際政策の議論につなげる動きが始まっています。
「FAOとの連携は各地域で進展していますが、今回は1年ぶりに本部でベクドールFAO副事務局長をはじめ多くの方々と、より包括的な協働の可能性を議論できました。世界各国のスタートアップとの新たなつながりも生まれ、同じ志を持つ仲間たちとの共創の広がりを感じています。」
― CEO 石崎貴紘
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FAO World Food Forum 2025(WFF)での登壇の様子
■COP30(ブラジル・ベレン)──日本の民間連携を世界へ発信
続く11月、ブラジル・ベレンで開催された国連気候変動枠組条約第30回締約国会議(COP30)では、フェイガーは農林水産省が策定した「ミドリ∞(インフィニティ)」の趣旨に賛同し、味の素株式会社をはじめとする民間企業32社による共同声明「気候変動、アグリ・フードシステム及び持続可能な開発」に参画。農業・食分野における日本企業の連携と技術力を、世界に向けて発信しました。
「COP30では、農業の枠を越え“食のサステナビリティ”全体をどう再構築するかが問われました。その議論の中で、民間企業が自ら行動し、国と共に解決策を提示できたことに大きな意義を感じます。」
― CEO 石崎貴紘
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さらに会期中、農林水産省主催の「MIDORI∞INFINITY – Deploy GHG Emission Reduction Technologies with Private Sector」セミナーにて、フェイガーの取り組みも紹介されました。JCM(Joint Crediting Mechanism)を活用した間断灌漑(AWD)プロジェクトを中心に、現地の農家支援を通じた温室効果ガス削減と稲作の生産性向上ののアジア展開事例を共有しました。
12日にはフェイガー東南アジア事業ディレクターの坂本和樹が登壇し、フィリピン・ルソン島におけるYanmar Philippines Corporation、Philippines Rice Research Institute(フィリピン稲研究所)、National Irrigation Administration(灌漑庁)との協働モデルを発表しました。
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「日本の技術と現地の知見を掛け合わせることで、実装可能な脱炭素モデルが各国で動き始めています。今後もアジア地域での協働を通じ、食料の安定供給と気候変動対策の両立を進めていきたいです。」
― 東南アジア事業ディレクター 坂本 和樹
■ウガンダ共和国──アフリカでの実証が始動
アジアでの取り組みに加え、2025年はアフリカでも農業分野の脱炭素化に向けた実証が本格的に動き始めた年となりました。
ウガンダでは、都市化や人口増加に伴い米の消費が急増しており、稲作面積は2008年の8万haから2024年には約26万haへと拡大しています。こうした背景から、気候変動対策と収益性向上を両立させる稲作モデルの構築が喫緊の課題となっています。
2025年10月、フェイガーは同国で「カーボンクレジットを活用した環境配慮型稲作の実証事業」を開始しました(経済産業省「グローバルサウス未来志向型共創等事業費補助金」に採択)。東部ムバレ県のドホ灌漑地区を対象に、バイオ炭施用とAWD(間断灌漑)による農業生産と温室効果ガス抑制の効果を定量化し、カーボンクレジットの創出を含めた事業性を検証します。アジアで培ったカーボンクレジット生成・販売の知見をアフリカの気候レジリエンス課題へ応用する取り組みであり、国立農業研究機構(NARO)や国立作物資源研究所(NaCRRI)と連携し、技術移転・人材育成も含む協働を進めています。2025年からはウガンダで農業系カーボンクレジットの法整備も進んでおり、フェイガーは現地のこうした動向を踏まえつつ、官民・南北連携による実装モデルの構築を、関係機関と協働しながら進めています。
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■フェイガーとは──「農業を持続可能な産業にする」ために
こうした国際展開の根底にあるのは、創業時から変わらないシンプルな問いです。
それは、「気候変動の中で、持続可能な農業をどう実現するか」。
温室効果ガスの削減に取り組みつつ、生産者がそれを“ビジネスとして続けられる”状態をつくる。
フェイガーは、農業由来カーボンクレジットを通じて「削減量を価値化し、農業の収益構造を強くする」ことを出発点としてきました。
「気候変動は、安全な暮らしだけでなく、世界の経済や私たちの食を支える農作物にも深刻な影響を与えます。とくにお米は、乾燥や高温によって品質・収量が下がるリスクが高まり、このままでは『食べ物が足りない』未来が現実になりかねません。
その危機を避けるために、農業分野での温室効果ガス削減=“緩和”と、気候変動に負けない農の仕組みづくり=“適応”を進めること。これこそがフェイガーの軸であり、私たちが取り組む理由です。」
― CEO 石崎貴紘
創業3年目の現在、フェイガーは、創業時から進めてきた“緩和”(農業由来カーボンクレジット)に加えて、“適応”(耐候性ソリューション)へと取り組みを広げています。
緩和と適応を両輪で進めることで、環境価値の創出にとどまらず、生産性・レジリエンス・食料安全保障にまで貢献するフェーズへと事業を拡張しています。
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■生産者の努力を“価値”に変えるモデルを
世界の温室効果ガス排出の約10%は農業由来といわれています。
この事実は、生産者にとってもしばしば“ショック”を伴います。実際に、「気候変動の一番の被害者は農家なのに、同時に加害者でもあるなんて」と葛藤を語る声も少なくありません。
こうした現場のリアルを前に、農地の脱炭素化を進める後押しとなるのが、農業由来の排出削減を“価値”として扱うカーボンクレジット制度です。しかし日本では、制度や申請の負担が大きく、個々の生産者が自力で活用するには高いハードルがあります。
フェイガーは、この制度を“アクセル”に変えるため、生産者は削減活動に集中し、制度対応・申請・販売をフェイガーが担う仕組みを2023年から実装。
現在、全国35都道府県・1,200超の生産者と連携し、農業由来では国内最大規模となる累計約14万t-CO₂のクレジットを生成しています。
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さらに、この仕組みを支えているのが、クレジットを購入し、農地の脱炭素化に共に取り組む企業の存在です。国内の名だたる企業がフェイガーのクレジットを採用しており、その応援が、生産者にとって「環境に貢献する誇れる取り組み」として定着しつつあります。
■支える企業とともに、地域と地球をつなぐ
企業にとって農業由来クレジットは、単なるオフセット手段ではありません。
日本の食料自給率を支え、地域の農業を次世代へ残すという “ビジネスをおこなっている地元に具体的なインパクトを実現し、企業の持続可能性を高める活動” として、多くの経営者の方々から関心が高まっています。
フェイガーのモデルを通じて生まれる価値は、地域の生産者の挑戦を後押しするだけでなく、「日本の食を守る」という長期的な社会価値に直結します。
フェイガーは、こうしたパートナーと共に、“地域に根ざしながら世界に開く”プロジェクトを生み出しています。
■実績と基盤の拡大
- 提携先企業:JA全農、農林中金、ヤンマー、クミアイ化学、イビデン、ヤマタネ、ファーモ など
- クレジット生成量:累計141,722 t-CO₂(農業由来では国内最大級)
- 販売先:東北電力、三菱電機、ほか国内主要企業多数
- 資金調達:累計28億円規模を達成
- 研究開発予算:年間数億円規模を確保(補助金・共同研究を含む)」
■登壇・実証実績(2025年)
10月6日〜9日(オンデマンド配信)
Financial Inclusion Week 2025(FIW)/オンライン(主催:CFI、米・ワシントンD.C.)
登壇:CEO 石崎・フィリピン事業主任 並木明希子
テーマ:Driving Climate-Smart Farming and Financial Inclusion(小規模農家のレジリエンスと金融包摂)
10月7日〜9日
FAO Asia-Pacific Regional Workshop on Scaling Climate Solutions in Agrifood Systems(ベトナム・ハノイ)
登壇:ベトナムディレクター 吉田
テーマ:Financing the Carbon Market: Role of Private Sector/アジア太平洋の実装連携
10月10日〜17日
FAO World Food Forum(WFF)(イタリア・ローマ/FAO本部)
登壇:CEO 石崎貴紘
テーマ:農業分野における緩和×適応の両輪/国連機関との連携協議(本部)
10月開始(通年プロジェクト)
ウガンダ実証(ドホ灌漑地区)(ウガンダ・ムバレ/カンパラ)
概要:バイオ炭+AWDによるGHG削減の定量化と事業性検証/NARO・NaCRRI連携
11月10日〜21日(登壇:11月12日)
登壇:CEO 石崎、東南アジア事業ディレクター 坂本(オンライン)
テーマ:JCM×AWDの東南アジア展開/民間32社の共同声明参画(味の素ほか)
11月25日〜27日(ビジネスピッチ登壇:11月26日)
ASEAN–Japan Symposium for Promoting Sustainable Agricultural Development in ASEAN(東京・品川)
登壇:東南アジア事業ディレクター 坂本
テーマ:脱炭素×デジタルの官民連携/ASEAN連携の実装・マッチング
12月3日〜4日
DeCarbon Tokyo(東京・Hilton Tokyo)
登壇:CEO 石崎(Day1:プレゼンテーション”Rice Methane Reduction in Japan’s JCM Pipeline”、パネルディスカッション”Nature-based Solutions, Biochar, Agriculture-linked Projects”)、R&D Team Manager 船山静夏(Day2:パネルディスカッション”Tech CDR & Innovations – Biochar” )
12月9日
Carbon Digital Conference 2025 (バンドン・インドネシア)
登壇:東南アジア事業ディレクター 坂本
テーマ:AWDのインドネシア展開計画
12月17日
登壇:東南アジア事業担当 田島
テーマ:AWDのタイ展開計画
■今後の展望 ― フェイガーの挑戦は次のステージへ
① 農地を起点とした“緩和”と“適応”の両輪を強化
フェイガーは今後、農地を基点に 温室効果ガスの削減・除去(緩和) と 気候変動への適応 を、両輪としてさらに前進させていきます。
- メタン排出削減(中干し延長・AWD)
- バイオ炭施用による炭素貯留(CO₂除去)
- 耐候性ソリューションの開発(R&D)
これらの取り組みを組み合わせることで、環境価値の創出だけでなく、農業の安定生産・レジリエンス強化・食料安全保障につながるモデル構築を進めていきます。
② 国際機関・各国政府との連携拡大──日本発モデルを世界標準へ
アジア・アフリカでの実装の広がりを土台に、今後はFAOをはじめとする国際機関との協働をさらに強化し、よりグローバルな政策・実装プラットフォームへと展開していきます。
日本発の農業脱炭素モデルを、世界各地の水田・農地に適用できる 共通の実装モデル”として発展させ、気候変動による影響が進む国々と協働して、地球規模での食料安定に貢献する基盤づくりを進めます。
■地域と地球をつなぐ挑戦を、これからも
フェイガーの挑戦は、“農業の未来”を守る取り組みであり、同時に“地球の未来”を守る挑戦でもあります。
日本の水田から始まった動きが、アジア・アフリカの農地、国連機関、世界の企業とつながり、いま確かな変化を生み始めています。
私たちは、これからも地域と地球をつなぐ挑戦を続けます。
そしてその挑戦は、もっと多くの仲間が加わることで、さらに大きな力になります。
「農家とともに。地域とともに。世界の食と環境の未来とともに。」
フェイガーの取り組みや国際展開に関心をお持ちの皆さま、
ぜひ今後の動きを注視いただき、取材・協業のご相談もお気軽にお寄せください。
世界の食と地球を支える挑戦を、共に進めていきましょう。
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◾️株式会社フェイガーについて
株式会社フェイガーは、持続可能な農業を目指し、カーボンクレジットの生成と販売を通じて「環境価値市場の創出」と「農業体系の構築」に取り組んでいます。農家と協力して脱炭素農法によるクレジットを創出し、作り手として企業へ質の高いクレジットを提供します。
所在地:東京都千代田区大手町2-2-1 新大手町ビル3階 0 Club
代表者:代表取締役 石崎 貴紘
事業内容:農業由来カーボンクレジットの生成・販売、持続可能な農業ソリューション開発
フェイガーHP:https://faeger.company/
フェイガーYouTubeチャンネル:https://www.youtube.com/@FaegerCoLtd
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