光陽オリエントジャパン株式会社
世界一のブラック企業が作った“光らない定規” SNSの一言が、弱視の「見えづらさ」を変えた
2026年01月30日
SNSの一言が、試行錯誤の1年を越えさせた
「弱視で黒い定規を使っていますが、
反射で数字やメモを捉えるのが難しいことがあります」
SNSに届いた、その一通のメッセージが、
約1年間続いていた私の試行錯誤に、はっきりとした“答え”を与えてくれました。
光を当てると、定規は光る。
それが当たり前だと思われてきた世界で、
“光らない定規”を本当に必要としている人がいた。
これは、自動運転や光学機器のために
「世界一の黒」を研究してきた企業が、
一人の切実な声に導かれてたどり着いた、一本の文房具の物語です。
ブラック企業を自称する。それは、極限の『黒』を追求してきた証。
私たちは、自らを
「世界一のブラック企業」と呼んでいます。
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もちろん、過酷な労働環境の意味ではありません。
私たちが追求してきたのは、
目立つための黒ではなく、
光を極限まで吸収する黒。
光学機器の内部で、不要な反射が精度や安全性を損なわないこと。
自動運転のカメラが誤認識しないこと。
これまで私たちの技術は、
社会の表に出ることのない「影の役割」を担ってきました。
そんな黒の技術が、ある日、全く別の「光」を見つけることになります。
技術はある。でも「形」が見つからなかった1年
無反射素材の可能性は、以前から感じていました。
私は約1年間、
この素材を使った製品開発に本気で向き合い続けてきました。
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無反射素材で試作された数々のプロトタイプ。
製品化には至らなかったが、すべてが次につながる試行錯誤だった。
無反射看板。
無反射パネル。
無反射レリーフ——。
思いつく限りのアイデアを出し、試作し、世に問いました。
けれど、結果は泣かず飛ばず。
「技術はすごい」
「でも、決め手に欠ける」
そんな評価だけが残り、
“社会に届く形”を見つけられずにいました。
技術的にはできる。
それでも、意味のある製品として結実しない。
このもどかしさが、
1年間、私の中に静かに積もっていたのです。
SNSで見えたのは、「見やすさ」への反応だった
そんな中、私は
自動運転用に開発していた無反射マーカーの動画や
比較画像をSNSに投稿していました。
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強い光を当てても反射せず、
輪郭だけがくっきり浮かび上がる黒。
すると、意外な反応が返ってきました。
「こんなに見え方が変わるのか」
「この素材、ほかの道具にも使えない?」
性能そのものよりも、
“見やすさ”への驚き。
その違和感が、
後に大きな転機となります。
「欲しいです」——その一言が、すべてを変えた
無反射定規の試作品写真を投稿したときのことです。
届いた一通のメッセージに、私は息をのみました。
「弱視で黒い定規を使っていますが、
反射で数字やメモを捉えるのが難しいことがあります。
この“無反射”、画像で見るだけでもとても見やすくて、欲しいです」
画像越しでも「見やすい」と感じてもらえた。
その事実は、
この試作品が、私の想像以上に
切実な困りごととつながっていることを示していました。
約1年間、形にできなかった理由が、
この一言で、はっきりと輪郭を持ったのです。
立ちはだかったのは、15,000円という現実
無反射素材を加工すること自体は、難しくありません。
問題は、コストでした。
定規のように形状が複雑になると、
加工費は一気に跳ね上がります。
従来の方法で試算すると、
1本あたりの価格は 15,000円。
文房具として市場に出せる価格ではありません。
これでも、まだ途中でした。
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価格の壁を越えるために生まれた、試作に試作を重ねた定規たち。
この感覚には、覚えがありました。
1年前、別の無反射製品開発でも、
同じ壁にぶつかっていたのです。
「せっかく反応はある。性能もいい。
それでも、届けられない」
だからこそ今回は、
簡単に引き下がるわけにはいきませんでした。
突破口は、現場ではなく「データ」にあった
材料は変えない。
無反射性能も落とさない。
社内のコストルールの中で、現実的な価格を実現する。
無理難題だと分かっていながら、
加工プロセスを一から見直しました。
突破口は、
製造現場そのものではなく、
加工に使うデータの再設計でした。
工程を組み替えることで、加工時間は大幅に短縮。
人の手と機械が動く時間そのものを減らすことで、
これまで越えられなかった壁が、
ようやく「届く数字」に変わりました。
「これなら、届けられるかもしれない」
約1年間続いた試行錯誤が、
初めて一本の線につながった瞬間でした。
「反射しない」だけで、こんなに世界が変わる
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この一本の定規から、すべてが始まった
こうして生まれた「無反射定規」。
SNS投稿後、当初は測定用途のみを想定していたこの定規に、
測量、医療、福祉、教育、研究と、
分野を越えて声が集まり始めました。
「反射で見えづらい」という課題は、
想像していた以上に、あちこちの現場に存在していたのです。
「反射しない」——
ただそれだけの違いが、
ここまで作業のしやすさを左右していたことに、
正直、あとから気づかされました。
定規が光らないことで、
- 目盛りを追う負担が減る
- 姿勢を変えずに作業できる
- 撮影や記録のやり直しが減る
一つひとつは小さな変化でも、
それが積み重なることで、確実に「楽になる人」がいます。
そのとき、気づきました。
私は、 ただ文房具を作っていたのではない。
“見えづらさ”という、
当たり前になっていた不便を減らす道具を
作っていたのだと。
この一本の定規から、プロジェクトは始まる
「無反射定規」は、ゴールではありません。
これは、私たちのアンチリフレクション・プロジェクトの第一歩です。
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ロービジョンの方が使う文具や教材、
医療・産業現場での撮影、記録、位置確認などを支える作業補助ツール、
正規の測定器を補完し、 「反射による見えづらさ」を減らすためのスケール類——
すべては、
「光って困る」という現場の声から生まれます。
SNSに投稿した、たった一本の画像。
そこから届いた一言が、この製品を生みました。
これからも私たちは、
声と一緒に考え、
声と一緒に形にしていきます。
世界一の「黒」は、
まだ入口にすぎません。
光を足さないという選択
社名にある「オリエント(東方・日の出)」。
光を象徴する名前を持ちながら、
私たちが研究してきたのは、黒でした。
目立つための光ではなく、
誰かの視界を邪魔していた反射を消すこと。
その先に、
「見える」という当たり前が戻る瞬間があると、
私たちは信じています。
自称「世界一のブラック企業」が生み出しているのは、
黒そのものではありません。
世界を、少しだけ見やすくする選択肢です。
その「見えづらさ」は、現場のせいではありません
屋外・屋内を問わず、
強い光や照明、撮影環境の中で作業をする人なら、
誰もが一度は経験しているはずです。
こうした悩みは、特別な現場だけのものではありません。
「見えない」ほどではないけれど、確実に集中力と作業効率を奪っていく、小さなストレス。
私たちは、その“当たり前になっていた不便”に向き合いました。
不要な反射を確実に吸収する。
そして、その答えとして形になったのが、この「無反射定規」です。
製品情報
製品名:無反射定規
価格:
・15cm ¥1,870(税込)
・30cm ¥2,310(税込)
発売日:2026年1月
製品詳細:「無反射定規」製品ページ
ご使用上の注意
本製品は、JIS規格に基づく厳密な測定を目的とした製品ではありません。
撮影時のスケール確認や、作業工程での位置確認・記録補助など、
反射を抑えることで視認性を高める用途を想定しています。
数値の正確さそのものではなく、
「反射による見えづらさ」を減らすことを重視して設計されています。
暗素研について
暗素研は、光陽オリエントジャパン株式会社が展開する、
光吸収特性を持つ黒色素材専門のブランドです。
世界一黒い水性塗料「真・黒色無双」をはじめ、
光の反射を極限まで抑える黒色素材の研究・開発・製造・販売を行っています。
ミッション:
- 光の反射に起因する産業課題の解決
- アート・表現分野における美しい黒色表現の提供
活用例:光学機器の迷光対策、クリエイター支援、日常の「見えづらさ」へのアプローチ
現在、独自の黒色素材技術は世界60カ国以上で採用されています。
ブランドサイト:https://ansoken.black/
光陽オリエントジャパン株式会社 会社概要
代表者:代表取締役 清藤 新一郎
所在地:埼玉県上尾市東町2-3-2
設立:2002年8月
URL : https://www.koyo-orient.co.jp/
事業内容:
- 光学機器用機構資材の販売
- 精密ゴム・プレス加工部品の調達販売
- 化粧品・健康サプリメントOEM/ODM
- 工場設備・生産機器の販売
- 錦江町産 茶葉を活用した加工製品の輸出販売
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