株式会社北國フィナンシャルホールディングス

ハンドボール新時代へ~北國ハニービー石川 リーグH初代女王への決意とハンドボール普及への思い~

2024年12月26日

2024年9月に始動したハンドボールリーグ「リーグH」。

前身の日本ハンドボールリーグから、新たに地域密着型の「ホーム」、希望の「ホープ」、そして「英知(エイチ)」の意味が込められ、それぞれの頭文字を取って名付けられた。


石川県を拠点とする女子ハンドボールチームの北國ハニービー石川も新リーグへ参戦。

チーム名もアップデートし、新体制で挑んで3カ月が経過した。


日本ハンドボールリーグから10連覇中の北國ハニービー石川。

チーム在籍7年目で、2024年8月から新キャプテンを務める佐原奈生子選手が挑む、新リーグ初代女王への決意とハンドボール普及への思いとは…。


               佐原奈生子キャプテン

ハンドボールとの出会い

福島県本宮市出身の佐原は地元の中学校に進学し、松韻学園福島高等学校、大阪体育大学を卒業。2018年に北國ハニービー石川に加入した。

学生時代を振り返る佐原に、ハンドボールとの出会いについて聞いた。


「中学校で部活動を選ぶ際、初めはバスケットボール部を考えていました。仲の良い友人が小学生からハンドボールをしていて、興味を持ったところがはじまりです。

1学年200人くらいいる中で、同級生の入部者がその女の子1人しかおらず、仲が良かったこと、1人は寂しいのではという思いからハンドボールも見に行ってみようかな、やってみようかなと思ったことがきっかけです。」


中学校時代は女子で1番背が高く、身長は大学生まで伸び続けたという。

身長が高く目立っていたこともあり、高校進学時にはハンドボールでスカウトされ松韻学園福島高等学校に進学。

現在はハンドボールの道を進み、活き活きとプレーしているが、高校時代の佐原の思いはその姿からは感じられない意外なものだった。


「ハンドボールは高校までで区切りかなと考えていました。母親が美容院を営んでいて、近くで働く様子を見ていたこともあり、美容専門学校に行きたいと思っていました。

当時の松韻学園福島高等学校ハンドボール部は、福島県内では強く県大会では1位でしたが、全国大会では1回戦敗退、勝てたら奇跡というくらい。レベルが違いすぎて同じハンドボール競技をしているのに、全く違うスポーツをしている感覚。同年代の子たちとここまで差があるのだと痛感しショックでした。」


そんな時、大阪体育大学から一緒にやらないかと声を掛けてもらった。

ハンドボール界で名門の大学に声を掛けてもらえたことで、自分にもそのステージで活躍できる可能性があるのかもしれないと思い、気持ちが変わったという。

ハンドボールで道を切り開いていく覚悟が決まった瞬間だった。

強豪 北國ハニービー石川に加入

大学入学後もハンドボール選手として着実に成長していった佐原。卒業後、社会人選手として佐原が選択したチームが北國銀行ハニービー(現:北國ハニービー石川)だった。佐原が加入した当時の北國ハニービー石川は、非常に高い競争力と強いチームスピリットを持ち、レギュラーシーズン3年連続全勝を達成。プレーオフでも優勝し3連覇を果たしていた。

今では考えられないが、ハニービーに加入し3年目まではほとんど試合に出場できず、ついていくのに必死だったという。


         北國フィナンシャルホールディングス本社にて


「最初の3年間は苦しかったですね。3年目が特に自分の中でもどうしよう…という気持ちでした。全然うまくいきませんでした。1、2年目の新人としてついていくのに必死な時期から、先輩としてプラスで求められるものが増えてきましたし、技術も追い付かず、焦る気持ち、後輩も入ってきて…」

佐原にとって我慢の時だった。

それでも腐ることなく、試合の出場機会が少ない中でも自分を表現、練習してきたことを出すことを心掛けた。その努力が実を結び4年目からは少しずつ試合に出場するようになった。そこでは、自身のプレーが勝ち負けを左右する責任を感じたという。


「あまり試合に出場していなかったこともあり、それまでは直接的に自分のプレーが結果に関わることはありませんでした。それが試合に多く出場することで、出る人の責任を感じましたね。

でも、3年目までの期間があったからこそ、試合に出場できない、ユニフォームを着ることができなかったメンバーの思いも背負って戦おうと思えました。」


苦しかった3年間を無駄にはしなかった。

佐原自身も成長したと胸を張って言えるという。


その後も様々な経験を重ねていく中で、チームのプレーオフ前人未踏の10連覇に貢献、日本代表としても活躍し選手としてのキャリアを積み上げてきた。

そして、2024年8月からはキャプテンに就任した。


新チーム名、新体制 発表記者会見


「自分がキャプテンになると思っていませんでしたし、周囲も思っていなかったと思います。後輩からいじられるところもあり、キャラ的にも違うと思っていました。」


恥ずかしそうに話す佐原に、キャプテン像について聞いた。


「チームを引っ張りたい、ついてこい、という気持ちではないです。みんなで一緒に良いチームを作っていきたいね、みんなと一緒にという気持ちが強いのが自分らしさです。」と断言する。


これまで経験してきたものをチームに返したい、伝えていけたら良いと語る、そんな佐原が支える北國ハニービー石川。リーグHに参入して3カ月を振り返ってもらった。

新リーグ 始動

「シーズンスタートした9月から、3カ月経過し7試合戦いました。

思うように勝てず、引き分けも続き、もどかしいシーズンスタートとなりました。そんな中でも掛けてもらう言葉は『応援してるね』『頑張ってね』。それが1番嬉しかったですね。連覇しているチームなのでプレッシャーをかけないようにと温かい声をかけてくれる方も多かったです。過去は気にせず今のチームで頑張ってと声を掛けてもらえ、次の試合への意欲に繋がりました。」


年明けからは怒涛の日々が始まる。

1月からほぼ毎週試合に挑み、5月まで駆け抜けなければならない。


「コンスタントに試合があるので、戦略を考えることに集中できると思います。余計なことを考える時間がないのは、ある意味で良いことだと考えています。試合数も増え、より白熱した戦いが行われると思うので期待してほしいです。」と力強く語った。



1月18日には佐原の出身地である福島県本宮市総合体育館で試合が行われる。

佐原の原点ともいえる場所。


「ハンドボールコートが2面ある大きい体育館です。中学校時代は練習や練習試合、地域の大会があった時は必ずその体育館でした。ハンドボールをするとなったらこの体育館という場所です。リーグ戦と言ってもなかなか東北で開催されることはないので、お世話になってきた体育館で、いつもは見に来られない人たちに頑張っている姿を見せられるのは幸せなことだと思います。試合で恩返ししたいという気持ちに尽きます。」と嬉しそうに語る。


地元の声援を受け、佐原のプレーがより一層躍動することだろう。

チーム名に地域性 より地域と共に歩むチーム作り

リーグHではホームタウンとなる地域名をチーム名称に設定する必要がある。

それだけ、よりチームと地域の繋がりを通じた地域貢献の実現が求められることの表れだろう。これまで北國ハニービー石川では地元小学校を訪問しスポーツ教室を開催、地域と交流を図ってきた。


「今までもスポーツ教室などはたくさん開催しましたが、商業施設でイベントを開催したり、県のイベントに参加することが増えたなと感じます。ハンドボールはマイナースポーツだと思うので知ってもらうことが大切です。より地域に密着したチーム作りの一歩になっていると思います。

県民の人たちと以前より距離が近くなり、そこで『頑張ってね』『今日楽しかった』と言ってもらえてとても嬉しいです。

震災復興支援の一環で能登へ行った際には、元気を届けに行ったはずなのに、逆に元気をもらいました。現地に赴いてこそ感じることがあったのでこういう活動、繋がりは大切にしていきたいと強く思います。」と語る。


さらなるハンドボール普及に向けて地域との接点、交流を大切にしていきたいと話す佐原。各種SNSでもスポーツ教室の様子や試合情報を随時発信している。


【公式HP】https://www.hokkokubank.co.jp/honeybee/index.html

【Instagram】https://www.instagram.com/hokkokuhoneybeeishikawa/

【X】https://x.com/hokkokubank2020

リーグH 初代女王に向けて

リーグ戦スタートから7試合終了し、ハニービーは現在2位。

順位には納得がいっていない様子の佐原に、残り23試合への意気込みを聞いた。


「リーグH初代女王はもちろん目指していますが、メンバーが変わっても強いチームでありたいという気持ちです。やはり勝っているチームに魅力があると思います。勝っているチーム、連覇しているチームだからこそ、ハニービーとして活動できていることもあると思いますし、それを続けていくためにも勝たなければいけません。チームみんなを信じて戦いたいです。」と気合いを入れる。


         普段の練習場所 北國銀行スポーツセンターにて


リーグ戦では1戦1戦の獲得ポイントで順位が決まっていく。

勝利2ポイント、引き分け1ポイント、敗戦0ポイントとなる。

今シーズン、敗戦や引き分けを経験し、ポイントの重みを感じるという。


「リーグ戦はこれまでずっと1位通過で、正直ポイントを重視、意識したことがありませんでした。今シーズン、敗戦や引き分けを経験し、勝ち点に対して執着ではないですが、2ポイントの重みを感じるようになりました。今まで他のチームもプレーオフ進出に向けてポイントを気にしていたのだろうなと思います。そういう思いも分かるようになりました。」


そう語る佐原からは“勝ち”を望む気持ちが痛いほど伝わる。


近年の北國ハニービー石川の歴史を見ても、今が1番の変わり目かもしれない。

そんな時を「変わるということは、より良い方向に進むと信じたいです。」という佐原がどう乗り越えていくのか。

ぜひ、試合会場へ足を運んで見届けてはいかがだろうか。

新時代に突入したハンドボールの魅力を存分に伝えてくれるはず。




行動者ストーリー詳細へ
PR TIMES STORYトップへ

記事一覧に戻る