株式会社 竹内

京都発・錺金具(かざりかなぐ)の魅力をもっと自由に、身近に届けたい。飾ることの力を日常に届ける新ブランド「錺之-KAZARINO-」が切り開く未来

2025年02月26日

飾ることの力で、人々の暮らしに新たな彩りを——。

京都で半世紀以上にわたり、神社仏閣や仏壇の装飾金具を手掛けてきた「錺金具(かざりかなぐ)竹内」。職人の技と機械加工を融合させ、業界に先駆けて効率化を進め、成長を遂げてきました。

しかし、時代の変化とともに錺金具の需要は減少。技術をどう未来へつなげるのか——その答えを模索する日々が続いていました。


「そもそも、錺金具という言葉すら多くの方に知られていない。まずはその魅力を知ってもらうことから始めなければ。」


その想いを胸に、錺金具の持つ価値を改めて見つめ直しました。たどり着いた答えは、「飾ることが持つ、人の心を動かす力」でした。この力を、もっと自由に、もっと身近に届けたい。そんな想いから2020年に錺金具の技術を活かした新ブランド 「錺之-KAZARINO-」 を立ち上げました。本ストーリーでは、錺之-KAZARINO-誕生の背景をお伝えします。



【仏壇市場の変化とともに歩んだ50年。伝統技術を受け継ぎ、未来へつなぐ錺金具竹内の歩み】

錺金具竹内(株式会社竹内)は、昭和42年に私の父が灯篭を作る会社として創業しました。その後、時代のニーズに合わせて仏壇用の錺金具の製造を開始。以来50年以上にわたり、錺金具・社寺金物・仏具・納骨壇金具といった和の装飾金物を手掛け、これまでに製作した金型の総数は約3,000点に及びます。


創業当初、仏壇の需要は高度経済成長とともに拡大の一途をたどり、錺金具の市場も活況を呈していました。特に昭和の好景気時代には、仏壇の製造がピークを迎え、錺金具の需要も急増。この時、当社は業界内では珍しく、いち早く機械化を導入し、量産体制を整えました。職人の手仕事と機械加工の技術を融合させることで、高品質かつ安定した製品供給を可能にし、会社の成長を支えてきたのです。


しかし、私が入社した2008年には状況が一変していました。ライフスタイルの変化により、仏壇の需要は大きく減少し、それに伴い錺金具の市場も縮小。業界全体が衰退の一途をたどり、多くの同業者が廃業に追い込まれていました。職人の高齢化や後継者不足も深刻化しており、業界の未来に対する不安は年々増していきました。そして2020年、私は父の後を継ぐ決断をしました。


「父が築いてきた技術や歴史をどう受け継ぎ、今の時代に必要とされる企業へと進化させるのか。」


この問いが、私の頭の中を常に支配していました。業界が縮小していく現実の中で、私たちの技術をどのように未来へつなげていくべきか。その答えを探る日々が始まったのです。


そしてもう一つ、私の中にはずっと、「錺金具で人を幸せにしたい」という漠然とした思いがありました。幼い頃から身近にあった錺金具の美しさ、素材や加工の精巧さ、そして仕上がったときの特別な存在感。それらをただ守るだけでなく、もっと多くの人に届けることができたら——。

その想いと向き合いながら、私は新たな道を模索し始めました。


       錺金具竹内 代表取締役社長 竹内直希

知られざる錺金具の魅力を現代へ。伝統の枠を超え、暮らしにもたらす美しさと喜び 

そもそも、「錺金具」という言葉すら一般の方にはあまり知られていないのが現状です。お客様がデザインを考えたり、装飾するための何かを探したりしているときに、錺金具は選択肢にすら上がってこない。これでは、いくら素晴らしい技術や歴史があっても、人々の暮らしに届けることはできません。 


「まずは多くの方に錺金具の存在を知ってもらうことから始めなければならない。」 

そのためには、錺金具が持つ美しさや価値を、今の時代にふさわしい形で伝えていく必要があるだろう。では、どうすればいいのか?考えた末にたどり着いた答えは、「普段の暮らしで使えるアイテムを作ること」でした。

 

もし錺金具が暮らしの中に溶け込み、ふとした瞬間に喜びや心の華やぎをもたらす存在になれたなら、それはきっと、多くの人の幸せにつながるのではないか。 

しかし、これまで仏壇や社寺向けの金具を作ってきた当社にとって、全く異なる市場への参入は未知の領域。どこから手をつけていいのかも分かりませんでした。


従来の装飾金具としての枠を超え、ライフスタイルに馴染むアイテムへ


【京都職人工房での学びと異業種交流が導いた気づき。錺金具の可能性を広げ、未来を考える】 

そこで、私は「京都職人工房」に参加することを決めました。京都職人工房は、商品開発やブランド創出を目指す職人や作り手が、専門家のアドバイスを受けたり、異業種の作り手と交流したりしながら、商品開発のステップを学べる場です。


月に数回、仕事を終えた後に職人工房で開催される講座に通い、課題に向き合う日々。自社の素材や技術の特性を整理し、どのような強みがあるのかを明確にしました。また、同業他社の製品や動向を調査し、どこに差別化のポイントがあるのかを分析。特に市場調査には力を入れました。


どの分野で金属の装飾技術が活かせるのか、どんな商品なら消費者に受け入れられるのかを探るため、店舗視察・ECサイト分析・トレンドリサーチを繰り返しました。その結果、仏壇仏具に限らず、 錺金具の装飾技術はアクセサリーやインテリア雑貨、さらには実用品など、幅広い分野で活かせると確信しました。


【装飾の本質を見つめ直し、錺金具の技術を暮らしへ。新ブランド「錺之-KAZARINO-」が目指す未来】

次に、ブランドコンセプトを考えました。錺金具の本質とは何か?職人工房でのディスカッションを通じて出した答えは、「飾ることが持つ、人の心を動かす力」でした。

たとえばお気に入りのアクセサリーを身に着けると自信が湧いてくる。誕生日など特別な日には空間を飾りつけることで心が弾む。そうした「飾る」ことの先には、いつもワクワクする気持ちや前向きな未来がある。

錺金具の役割は単なる装飾ではなく、「人を幸せにする力がある」と確信しました。


そこで、錺金具の技術を生かし、日常の中で楽しめるアイテムを生み出すブランドとして「錺之-KAZARINO-」を立ち上げることを決意しました。


ブランドコンセプトは、「飾り」のない世界は味気ない。


金属の持つ高級感に、錺金具ならではの繊細な「飾り」を施し、見て楽しみ、使うことで愛着が深まるものづくりを目指します。さらに、「飾る」ことが持つ力——気持ちを高めたり、自信を生み出したりする力を、多くの人に届けることを使命としました。



【ブランド名「錺之-KAZARINO-」に込めた想い】 

ブランド名を決めるにあたり、最も大切にしたのは「錺金具の伝統を受け継ぎながらも、新しい道を切り開く」という決意でした。


錺金具は、これまで主に仏壇や神社仏閣を飾るために使われてきたもの。しかし、その美しさや技術には、もっと広い可能性がある。伝統を守りつつも、新たな形で現代の暮らしに活かしていきたい——そんな思いを込めて、「錺之(かざりの)」という名前を選びました。


「之」という漢字には、「真っ直ぐに進む、行く、至る」という意味があります。そこに「錺金具の力で人を幸せにする夢に向かって真っ直ぐに進む」「錺金具の新しい道を切り開いていく」 という決意を込めています。


また、「の」という響きには、「錺金具"の"技術を使った新しいものづくり」 という意味も重ねています。



【ブランドの世界観を築く。理想の顧客像の設定から、錺金具の魅力を伝えるHP制作へのこだわり】 

そこから、ブランドの世界観を構築するために、次のような作業を進めました。

・理想の顧客像の設定

・目指すブランドのイメージを調査し、世界観を固める

・ターゲットとなる雑誌や販売先、展示会の選定


さらに、ブランドの基盤となるHPも自分で制作しました。単に商品を作るだけでなく、錺金具の魅力を伝えるために「どう見せるか」にもこだわり、ブランドイメージを丁寧に作りあげていきました。


こうして少しずつ形になり始めたブランドですが、確立するにはまだ大きな壁が待ち受けていました——。

【伝統業界の壁と社内の戸惑いを乗り越えて。SNS戦略と職人の想いが導いた、錺金具ブランド成長の道】 

ブランドを立ち上げ、錺金具の飾る力を広めるための第一歩を踏み出したものの、すぐに大きな壁にぶつかりました。 


課題①:仏壇・仏具業界以外に販路がない 

これまで当社の取引先は、仏壇・仏具業界に限られていました。新しいブランドを立ち上げたとはいえ、どこで販売すればいいのか、誰に届ければいいのかが全く分からない状態でした。仏壇仏具とは異なる新しい市場への挑戦には、販路の構築が欠かせませんでした。 


そこで、まずは自分たちでできることから始めようと、Instagram・Facebook・X(旧Twitter) などのSNSを活用し、ブランドの認知拡大に取り組みました。 

特に力を入れたのはInstagram。錺金具は繊細な装飾が魅力のため、文字よりも画像で訴求するほうが伝わりやすいと考えました。コツコツと投稿を続け、興味を持ちそうなアカウントには積極的に「いいね」を押し、フォロワーとの交流を図ることで、少しずつ認知度を上げていきました。 


また、より多くの人にブランドを知ってもらうために広告運用も自分で試行錯誤しながら行いました。ターゲットを設定し、どの画像やキャッチコピーが効果的なのかを分析しながら、少しずつ改善を重ねました。SNS広告は初めての試みで、効果が出るまでには時間がかかりましたが、運用を続けるうちに商品やブランドの世界観に共感してくれる人が増え、フォロワー数やアクセス数も徐々に伸びていきました。 


SNS運用は時間がかかり、すぐに結果が出るものではありません。それでも、一つひとつの投稿を大切にし、試行錯誤を重ねながら発信を続けることで、ブランドの存在を知ってくれる人が増えていきました。

https://www.instagram.com/kazarino_kyoto


課題②:業界の閉鎖性と、新しい試みに対する不安 

錺金具業界は、伝統を重んじるがゆえに閉鎖的な部分があり、新しいことを始めることに対して慎重な姿勢を取る傾向があります。 


「仏壇や神社仏閣の装飾金具を作る会社が、雑貨?アクセサリー?そんなものに手を出して大丈夫なのか?」 


業界の人たちからどう思われるのか。批判されるのではないか。そんな漠然とした不安が常につきまとっていました。錺金具の技術を生かして何か新しいことをしたいという想いは強くても、それを公にすることに対して、どこか怖さを感じていました。 

しかし、「飾ることの力を届けたい」という思いは揺るぎませんでした。業界内でどう思われようとも、まずはお客様に受け入れられることが大事。そう考え、少しずつ前へ進む決意を固めました。 


課題③:社内の戸惑いと不安 

社内では、「本当に成功するのか?」 という疑問の声が上がり、様子をうかがうような空気がありました。 

仏壇・仏具の製造に携わってきた職人たちにとって、まったく異なる市場への挑戦は未知の領域。慣れ親しんだものづくりとは異なる方向性に、不安を感じるのも当然のことでした。 


それでも、一歩ずつ進めていきました。ブランドコンセプトを伝え、試作品を作り、SNSで発信を続け、展示会にも積極的に参加しました。 

すると、少しずつ変化が生まれました。

 

SNS経由で「この商品を買いたい」という声が届き、少しずつ売れ始めたのです。さらに、展示会でも「かっこいい!」「これ欲しい!」といった言葉を聞くことができました。錺金具を知らない人たちが、純粋にデザインや質感に惹かれ、興味を持ってくれたことは大きな手応えでした。 

 

「本当に売れるのだろうか?」と半信半疑だった社内のメンバーも、実際にお客様の反応が返ってくると関心を持つようになり、少しずつ協力的になっていきました。特に、職人が手がけた商品が「美しい」と評価されることで、「自分たちの技術が新しい形で活かされている」 という誇りを取り戻すきっかけにもなりました。 


こうして、業界の閉鎖性や社内の戸惑いと向き合いながらも、一歩ずつブランドの基盤を築いていきました。 




【「飾る」ことが生み出す幸せと錺金具の新たな未来。「錺之-KAZARINO-」の歩みとこれからの挑戦】 

SNSでの発信に加え、展示会などにも積極的に出展することで、少しずつ錺之-KAZARINO-の認知度は広がってきました。初めてブランドを知る方が多い中で、「かっこいい」「こんなの見たことない」といった反応をいただくことも増え、錺金具の新たな魅力を伝えられる手応えを感じています。しかし、まだまだブランドの存在を知っている人は限られており、さらなる発信が必要だと実感しています。 

また、実際に商品を購入した方々からの声も、ブランドの成長につながる大きな財産になっています。 


「プレゼントに選んだら、とても喜ばれた!」 

「こんな商品はないの?」 

こうしたお客様の声が、次の商品のアイデアや改良のヒントになっています。特に、ギフトとして選ばれることが増えてきたことは、”飾り”の持つ力が、人とのつながりを通じて幸せを生み出している証だと感じています。

 

さらに、今後は名入れサービスを開始する予定です。大切な人への贈り物や、自分だけの特別なアイテムとして、より愛着を持ってもらえるものづくりを目指していきます。 

少しずつ形になり始めた錺之-KAZARINO-ですが、まだまだ成長の途中。 

錺金具の新たな可能性を探りながら、これからも挑戦を続けていきます。 






【錺之-KAZARINO-】 

 

「飾り」のない世界は味気ない  

  

思いを寄せている人と初めてのデートの日、かっこいい時計やアクセサリーを身に着けると、緊張が自信に変わり気持ちが前を向きます。 

楽しみな約束がある日、いつもより丁寧に化粧をし髪型がうまくきまると、ますます胸が躍ります。 

誕生日のお祝いやクリスマスパーティー、部屋の飾りつけをしていると、どんどん心が弾んできます。 

  

自分を「飾る」、空間を「飾る」 

  

どちらの「飾る」にも自信を生みだすエネルギーや気分をわくわくさせる力があります。 

「飾る」ことの先にはいつも楽しさや前向きな未来があるのです。 

  

私達が京都で約50年間作り続けてきた錺金具は、仏壇や神社仏閣を「飾る」金具です。 

  

錺之-KAZARINO-は錺金具の「飾る」という力で人を幸せにしたいという思いから、錺金具の技術を使って普段の暮らしの中で楽しめるものを作っているブランドです。 

  

高級感あふれる金属の艶に錺金具ならではの「飾り」を施した錺之-KAZARINO-のものづくりが目指すのは、 

目で楽しんでいただくこと、 

使って親しんでいただくこと、 

そして「飾り」の持つ力、気持ちを高めたり自信を生み出したりする力をあなたに届けることです。 

  

あなたの心が上を向き、自然と笑顔になることを信じて。 

  

錺之-KAZARINO-のある暮らしはきっと明るい。 



 

▼錺之-KAZARINO-のサイト

https://www.kazarino.com/


▼錺金具竹内のサイト

https://www.kazaritakeuchi.com/


▼新商品「錺之ピアス」について

×

▼過去の関連プレスリリース

××

【会社概要】 

会社名 :錺金具竹内(株式会社竹内)

代表取締役:竹内 直希 

所在地 :京都府京都市伏見区竹田向代町93番地 

電話番号:075-681-3245 

メール :metalwork@kazaritakeuchi.com 

【お問い合わせ】 

担当者 :竹内 直希 

電話番号:075-681-0676 

メール :contact@kazarino.com 

HP   :https://www.kazarino.com/contact







行動者ストーリー詳細へ
PR TIMES STORYトップへ

記事一覧に戻る