ファイテン株式会社
ソックスの王として進化し続けるファイテンの「足王(ソッキング)」が、ランニングエコノミーの向上を目指してリニューアル
2025年02月26日
「足王(ソッキング)」は、「すべては健康を支えるために」をスローガンに、あらゆる人の健康をサポートするボディケアカンパニー ファイテン株式会社と、世界陸上競技選手大会にも出場経験のある元長距離ランナーの高尾憲司氏が共同開発し、ランニングに特化した機能性ソックスとして2013年に誕生しました。これまでのシリーズ累計販売数は2025年2月時点で150万足を超え、ランニングやスポーツを楽しむ多くの愛用者に支持されています。そんな「足王」が、さらに機能を充実させて2025年の3/13(木)にリニューアル。開発に携わった2人に、リニューアルでこだわった点や苦労した点、足王への想いなどについて話を聞きました。
▼足王(ソッキング)について詳しくはこちら
https://www.phiten.com/news/item/socking-renewal20250220/
左:商品企画第一部 商品制作チーム/金成奎
右:博士(スポーツ健康科学) 株式会社ブルーミング 代表取締役/ 高尾憲司
150万足突破のヒット商品をリニューアルする理由
―まずは「足王」の誕生からこれまでの歩みについて聞かせてください。
金:2013年に初めて「足王」を発売しました。もともとファイテンからは、スポーツソックスとしてクッション性の高い厚みのあるソックスを出していたのですが、当時ランニングブームが広がる中で、分厚いソックスで走るとケガをしやすいというお声がいくつか届いていて。ちょうどその頃に高尾さんとご縁があり、マラソン・ランニング専用のソックスをつくりたいという想いが一致し、共同開発させていただくことになりました。その頃はまだランニング専用ソックスというもの自体が、世の中にほとんどありませんでしたよね。
高尾: そうですね、われわれが作った足王ともう1社ぐらいだったんじゃないでしょうか。私は競技者として現役の頃にアキレス腱の手術を3度経験しました。そのことからランナーの故障を減らせないか、何か自分が貢献できることがないか、という強い想いがあったんです。当時、衝撃から足を守れる機能性の高いランニングシューズが続々と登場していましたが、靴の中ではどうしてもシューズと靴下の摩擦が起こってしまうことが気になっていました。そこで、足のブレやマメなどのトラブルを防げるようなソックスがつくれないか、と考えたんです。
金:開発には2年という期間がかかりましたが、発売後は大反響をいただきまして、おかげさまでシリーズ累計販売数は2025年2月時点で150万足を突破しました。これまでファイテンが発売したソックスの中でもダントツで売れています。愛用者の方々から「ケガが少なくなった」「ラクにフルマラソンを走れるようになった」など、たくさんのお声が届いています。
高尾:ソックスって消耗品なので、一度使って気に入らなかったら次は手に取ってもらえないと思うんですよね。だけど何度もリピートしてくださっている方も多いようで、良さを実感していただけているということは嬉しい限りです。
初代 足王 5本指 / 丸つま先
―今回「足王」をリニューアルすることになった経緯を教えてください。
金:先ほども言った通り、発売当時はランニング専用ソックスというものが世の中にほとんどなかったのですが、足王が注目されたこともあってか、同じようなコンセプトのソックスが徐々に増えてきました。そんな中で、先駆者としてさらに上を目指して足王を進化させるためにはどうすればいいのかを模索し、高尾さんに相談させていただいたところ、以前から研究を重ねられている「ランニングエコノミー」の考え方を教えていただきました。
高尾:ランニングエコノミーとは「いかにエネルギーを使わずに、長く、速く走れるか」という一つの指標のことです。近年、長距離種目のパフォーマンス向上のために重要視されるようになってきました。ランニングエコノミーを高めるためには、様々な要因が関わってくるのですが、カギを握るのは「いかに効率よくジャンプができるか」ということがわかってきています。
そんな中、私は2つのポイントに着目しています。
1つ目は、足首の関節「足関節」です。ランニング時の接地において効率的な反発を生み出すためには、足関節が剛性(曲げやねじりへの抵抗力)を高めることが大切です。2つ目は、足の握力「把持力」です。足の指を曲げて握る把持力が強いほど、ジャンプ能力が高まり、走る速度も上がるということがわかっています。
これまでの足王でも、ランナーに“意識づけ”をしてもらえるよう様々なサポート機能を取り入れていただきました。金さんには、次はこの2つのポイントをサポートできる製品がつくれないか、というお話をさせていただいたんですよね。
金:はい。高尾さんからお話を聞いて、今回のリニューアルでは、「足関節」と「把持力」の2軸をできるだけ商品に落とし込むことを1番のテーマに取り組むことにしました。
把持力とリバウンドジャンプの測定を何度も行いながら、更なる商品リニューアルの開発に取り組んだ
足指や足裏アーチへの意識を高め、効率のいい走りへとサポート
―リニューアルで特にこだわったポイントはどこですか。
金:まずは、把持力をサポートするために、5本指ではなく、小指が抜けにくい新製法(4+1製法)という考えを採り入れたことです。
従来の5本指ソックスのつくり方では、5本分を一気に編んでいくのですが、今回は親指から薬指までの4本をつくり、それとは別に小指の袋をつくるという方法を採用しました。なぜかというと、人の足の指って、小指の股の部分だけが少し深くなっていて、独立しているそうなんです。従来品に限らず、5本指を使用される方から寄せられる悩みの中に「小指が脱げやすい、小指が突っ張る」というご意見が一定数あります。つまり、股の広さが小指に合っていない、走るときにうまく小指が使えていないということですね。既に沢山のご支持を頂いている足王を「更に満足いく仕様」に近づける為、小指に着目して試作を始めました。
数多くの機能性を維持し、小指の仕様変更する為に編み機を幾度となくカスタマイズし、小指の位置を変えることで人間本来の素足に近い今回の製法にたどり着きました。現在、特許を出願中です。
足王を「更に満足いく仕様」に近づけるため、試行錯誤が繰り返された
4+1製法/小指を独立させて編むことで指の根元から密着、履き心地UP
高尾:私は日頃多くの一般市民ランナーを見ていますが、足の小指までうまく使えている人は意外と少ないんです。パフォーマンスを上げるためには、ジャンプ力の向上や足の接地時間の短縮が大事で、そのためには把持力が重要なポイントになります。金さんには「小指も含めて足指全体をしっかり使うことを普段のトレーニングから意識づけられるようなソックスにしてほしい」とお伝えしていましたが、その点において今回かなり理想的なものができたと思います。
―サポート機能についても大きく変わった点があるそうですね。
金:足裏アーチサポートも大きく変わりました。今回のポイントは、“左右非対称”のサポート力。足の内側の締め付けが強く、外側は少し弱くしています。ここもランニングエコノミーと関係性が強い部分ですよね。
左右非対称のアーチサポートライン/内側を強く、外側を弱く締め付けることで、アーチを持ち上げながら足首が内側に倒れ込みにくいようにサポート
高尾:そうですね。土踏まずのバネ作用がランニングエコノミーに重要な役割を果たすのですが、走っているとどうしても足が内側に倒れ込んでしまうので、それを持ち上げるようサポートのパワーを上げたかったんです。これまでもアーチを持ち上げるサポート機能はあったのですが、全体のサポート力が強いと少しキツいと感じる人もいるようでした。そこで今回は内側に集中して意識してもらえるような機能をリクエストしました。
また、効率よく走るためには、前足部で接地することが大切です。今回のクッションパッドは、接地のときに力が外から内に抜けるような走りを意識づけられる配置と、衝撃を吸収できる厚みになっていますね。
金:はい。これまでのパッドは比較的あたりが柔らかかったのですが、今回はテーピングラインのようにしっかり中足部を押し上げる仕様になっています。ここを引っ張ることでアーチを上げるという機能も追加されました。
また、ホールド力やサポート力を確保しながらも通気性をアップするために、今回はメッシュをV字状に施しました。素材は、全体的には撥水するポリエステルの機能糸を使い、足首にファイテン独自のメタックスの糸を採用しています。
2025年3月リニューアル発売 足王 5本指
―開発では特にどういうところで苦労しましたか。
金:靴下の形状というのは特殊で、一部に調整を加えるだけでも全体のバランスが崩れてしまうことが、往々にしてあるんです。例えば指の形状を少し変えただけで、全体の締まり具合が弱くなってしまったり。ですので、何度も何度も試作を重ねましたね。その度に高尾さんにも履いていただいて、アドバイスをもらいました。
高尾: 難しかったと思いますよ、僕はいつも言いたい放題なので(笑)。金さんとはいつも「足の王様なんだから、王様の顔が変わったらアカンよね」という話をしているんです。機能は追加したいけれど、見た瞬間に足王だとわかる風格の部分は維持したい。そこのせめぎ合いは苦労しましたよね。
金:はい。足首のテーピングラインと母指球・小指球のクッションパッドに関しては、誕生からずっと守ってきた「足王の顔」とも言える部分です。こだわりの部分は継承し、変える部分はしっかりと改良しなければいけないので、全体のバランスをとるのが難しかったです。でも試行錯誤を繰り返したおかげで、誰もが納得のいく出来栄えになりました。
機能性、信頼性を追求し、より多くの人々の健康増進に貢献できる商品を目指す
―新しくなった足王をどのように使ってもらいたいですか。
高尾:現代の日本には、寿命は延びているけれど健康寿命との差があるという大きな課題があります。商品を考える上で一番大切にしないといけないことは、「いかに多くの人に、健康で、長くスポーツを楽しんでもらえるか」ということだと考えています。これからの人生100年時代をどう過ごすのかを考えたときに、アクティブに動けることは本当に重要で。その材料の1つとして足王を使ってもらうということを常に目指しています。
金:もともとは長距離ランナーに向けたソックスとして誕生した足王ですが、採用している機能は「ケガから守る」「トラブルを避ける」ことを目的にしたものです。高尾さんがおっしゃったように、快適に歩いたり、走ったりすることを楽しんでいただけるソックスになっていると思うので、ランナーに限らず多くの皆様に愛用していただけたら嬉しいです。
―今後、足王はどのように進化していくのでしょうか。
高尾: 今回のリニューアルでは、把持力やジャンプの能力に着目して開発を進めていただきましたが、金さんとは、今後はエビデンスを取得して認められるような商品づくりを目指したいという話をしています。実際にソックスという一枚の生地でエビデンスを取得するのは、極めてハードルが高いということはわかっているのですが、ソックスの王様として常に挑戦し、進化していきたいですよね。今後も私からのたくさんの注文と文句を聞いていただけると嬉しいです(笑)。
金:「履くことでケガが減った」「守られている」というお声をいただけるようなソックスであり続けたいと思いますね。シューズが変わったり、スポーツへの考え方や体の使い方が変わったりと、様々な要因で状況は常に変化しますが、足王は「足を守る」というコンセプトからブレることなく、今後もよりよい商品に進化できるよう企画開発に取り組んでいきたいと思います。高尾さんには引き続き厳しいご意見をいただければと思います(笑)。これからもよろしくお願いします。
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