キユーピー株式会社

100周年を迎えるキユーピー マヨネーズと共に築く、未来に向けたサステナビリティ

2025年03月03日

サステナビリティトピックス


キユーピーは1925(大正14)年に日本で初めてマヨネーズの製造・販売を開始し、2025年でキユーピー マヨネーズ発売100周年を迎えます。キユーピー マヨネーズは食卓に新たなメニューを広めながら今日まで歩み続け、今では家庭に欠かせない調味料の一つとして、広く日本の食卓に根付くまで成長しました。

さらに、日本国内だけでなく、世界中のお客様に愛される存在をめざして、グローバル展開を進めています。当社がこの100年間で積み上げてきた創意工夫と大切にしてきた想いは、現在のサステナビリティの取り組みにも息づいており、未来に向けたさまざまな活動が進んでいます。


今回はキユーピー マヨネーズのサステナビリティをめざした活動について、さまざまな役割で関わる4名に話を聞きました。


山本 信一郎 

キユーピー 取締役 常務執行役員 コーポレート担当

伊藤 亮介 

キユーピー醸造 生産戦略部 生産技術チーム 兼 生産本部 五霞工場 生産技術課

斉藤 和佳

キユーピー 広域家庭用支社 家庭用営業部一課

守矢 大介

キユーピー 研究開発本部 食創造研究所 設計開発推進部 包材開発チーム


キユーピー マヨネーズ発売時から続く社会貢献への想い

山本「キユーピー マヨネーズが日本のご家庭で広く愛され、100年にわたり食卓に寄り添ってこられたことを、心から誇りに思います。これも支えてくださったお客様、共に歩んでくれている従業員、そして歴代の先輩方のおかげです。本当にありがとうございます。

創始者の中島董一郎は、『おいしく、栄養のあるマヨネーズを普及させ、日本人の体格と健康を向上させたい』という想いから、卵黄タイプで栄養価の高いキユーピー マヨネーズを発売しました。同時に、製造過程で余る卵白の活用に取り組み、創意工夫を重ねた結果、現在では卵の殻や卵殻膜まで無駄なく活用することができるようになっています。

中島の『食を通じて社会に貢献する』という想いは、サステナビリティという言葉が生まれる前からキユーピーの姿勢として受け継がれ、今もなお変わることなく息づいています」


キユーピー 取締役 常務執行役員 山本 信一郎


キユーピー マヨネーズに向き合うさまざまな部門の取り組み

山本「キユーピー マヨネーズの原料である卵・植物油・酢が自然由来であるように、私たちの事業活動は自然の恵みに支えられています。そのため、自然環境を守り、資源を大切にする取り組みを徹底し、未来の世代にしっかり引き継いでいくことが、私たちの責任だと考えています。

キユーピーでは、『食と健康への貢献』や『資源の有効活用・循環』など6つのサステナビリティ重点課題を掲げ、各部門やグループ会社がキユーピーグループらしいさまざまな挑戦を続けています。最近では、その取り組みの輪が社内外に広がりつつあります。こうした活動を通じて、社是である『楽業偕悦(高い志を持った仲間とともに、困難や苦しみを分かち合いながら事を成し遂げ悦びをともにする)』や社訓である『創意工夫に努める』が、日々の活動の軸となっていることを改めて実感しています」


伊藤「私が働くキユーピー醸造は、創始者 中島董一郎の『マヨネーズの味の決め手はお酢』という原料への強いこだわりから設立された会社で、さまざまな種類の酢を製造・販売しています。私は、五霞工場で生産技術を担当していますが、サステナビリティ担当としてもさまざまな取り組みに挑んでいます。

最近成功した取り組みのひとつが、これまで廃棄していた『もろみかす』を家畜飼料として活用する方法を確立したことです。酢は、発酵・ろ過・熟成といった工程を経て作られますが、発酵で残った原料の固形分、その他の不純物が「もろみかす」としてろ過過程で分離されます。今まで廃棄するしかなかったこの副産物を有効活用できないかと検討を進めた結果、牛の飼料として適していることが分かりました。グループで先行していた取り組みがヒントになりました。この取り組みはもろみかすの有効活用に加え、飼料自給率向上をめざす日本の農業にも貢献できると考えています」


キユーピー醸造 五霞工場 伊藤 亮介


守矢「私は研究開発本部の包材開発チームに所属しています。主な仕事は、新しい容器包装の開発、既存品の改良、そしてサステナビリティを高める研究です。

瓶、缶、ペットボトルなどはリサイクルが進んでいますが、マヨネーズやドレッシングのプラスチックボトルはほとんど進んでいません。それらをリサイクルできるようにする、もしくは環境負荷がより小さい素材に置き換える研究に取り組んでいます。

昨年から味の素さんと協力して、使用済みのマヨネーズボトルを回収する実証実験として量販店に回収ボックスを設置し、回収量や回収されたボトルの状態などのデータを収集しています。また、使用済みのボトルをボトルの原料として再利用できるかどうかの技術検証も進めています」


斉藤「私は営業担当として、量販店向けに季節や行事に合わせたキユーピー商品の提案を行っています。最近では、量販店が環境をテーマにした展示会やイベントを開催するようになり、キユーピーのサステナビリティの取り組みを紹介する機会をいただくことが増えました。その中で感じるのは、環境への配慮やサステナビリティに関心を持つお客様は、私たちが思っている以上に多いということです。

イベントでは、使用済みボトル回収の説明をしたり、キユーピーの取り組みをクイズ形式で紹介したりしています。その際にお客様から『回収ボックスの設置はうれしい』『やっぱりキユーピーさんですね』と言っていただけることも多く、こうした活動の意義をとても実感しました。イベントにはお子様も含め幅広い年代の方々が参加してくれます。これからも、このような機会を継続してもっていきたいと考えています」


キユーピー 広域家庭用支社 斉藤 和佳


社内外を問わず助け合うことで、可能性の広がりやモチベーションに

山本「企業としてサステナビリティにどう取り組み、グループ全体でどのように推進していくかを考え、実行していくのが私の役割です。また、外部との連携を支えることも重要な仕事のひとつです。サステナビリティは、『誰かがやるもの』ではなく、グループ従業員全員が『自分ごと』として取り組むことが大切だと考えています」


伊藤「キユーピーグループ各社の代表者が出席する、サステナビリティの取り組みに関するさまざまな委員会や分科会があります。各社がどのような取り組みを行い、どんな成果が出たのか、最新技術や事例を共有し合うことで、グループ内の連携が強化されています。

サステナビリティ担当を任命された当初は、『成果を上げられなかったらどうしよう』という不安もあったのですが、周囲が『バックアップするよ』とか『協力してくれる会社を紹介するよ』と言ってくれることが多く、どんどん後押ししてくれるんです。今後も、みんなで切磋琢磨していければいいなと思っています」


斉藤「周りが助けてくれるという社風は、私もすごく感じています。それこそサステナビリティの取り組みは営業部門だけでは限界があるため、サステナビリティ推進部など他部署の方と協力する機会が本当に増えたと感じています。量販店の環境イベントを企画する際も、ヒントやアイデアをいただくことが多く、とても助かっています。

営業はどうしても売上などの数字に目が行きがちですが、他の部署の方からお話を伺うと忘れかけていた自分の考えを取り戻せることもあるんです。サステナビリティというテーマを通じて交流する機会が増え、営業とは違う視点に自分自身の仕事との向き合い方も深まりました」


守矢「日々容器と向き合う中で、お客様からの反応や情報に直接触れることはなかなか難しいのですが、斉藤さんから『こんな反応があった』『応援してくれている』という話を聞けて、とてもうれしく感じました。活動のエネルギーになります。また、ボトル回収の取り組みで、多くの社外の方々と連携する中で、自分自身の視野が広がり、新しい学びを得ることができています。

マヨネーズボトルのリサイクルはまだ道半ばであり、お客様のご協力なくしては実現できない取り組みです。今回の実証実験では、マヨネーズボトルを半分に切り、洗って回収ボックスに入れていただくという手間をお願いしていますが、協力してくださったお客様がていねいに対応してくださり、大変感謝しています。

未来に向けて、やさしい社会をつくるという共通の目標に向かって、お客様と一緒に歩んでいけることを心からうれしく思っています」


キユーピー 研究開発本部 守矢 大介

サステナビリティの取り組みが当たり前に、普通にできるものに

伊藤「マヨネーズに欠かせない酢を、責任を持って安定的に製造し続けることはもちろん、環境に負荷をかけない生産体制を構築し続けることが私たちの大切な使命だと考えています。『もろみかす』などの残さの再利用をさらに進め、グループにも活動を横展開していきたいです。

酢の製造過程では、発酵によって熱が生まれます。この熱を活用して他のエネルギーに転用し、CO2排出を削減できないかという検討も進めています。また、使用した水をそのまま捨てるのではなく、再利用する仕組みづくりにも挑戦中です。

キユーピーグループの一員として、これらの活動を通じてサステナビリティ目標の達成に貢献し、より良い未来の実現に向けて努力していきます」


守矢「マヨネーズの容器は、1960年頃にガラス瓶からポリボトルに変えることで使いやすくなり、多くの方に手に取っていただけるようになりました。その後も軽量化や賞味期間の延長などお客様にとっての便利さと価値を追求しながら進化を続けています。環境への配慮は、時代とともに求められることが変化していきます。そのため、その時々で最適な方法を考え、歩みを止めずに取り組み続けていきたいと思います。

また、キユーピー単独ではで解決できない課題も多くあります。今後もさまざまな企業や団体に『ぜひ一緒にやりませんか』と働きかけて、仲間を増やしながら、より大きな取り組みにも挑戦したいと考えています」


斉藤「私たち営業は他の部門と比べて、お客様との接点が一番近いと感じています。直接お客様の声を受け取ることはもちろん、その声を他の部門に伝えることも営業の大切な役割だと考えています。これからは、そうした架け橋としての発信にさらに力を入れていきたいと思います。

私自身、イベントを通じてキユーピーのサステナビリティの取り組みをお客様にもっともっと伝えたいという想いがあります。取り組みを伝えることが、キユーピーというブランドの想いや活動を知っていただく良いきっかけになると実感しました。特に小さなお子様や小学生にもサステナビリティに興味を持ってもらえるよう、体験型のイベントを企画していきたいと思っています」


山本「グループ会社を含めて、サステナビリティに取り組む意識がここ数年でさらに高まったと感じます。環境への配慮や資源の有効活用を負担と考えるのではなく、必要なこととして自然に取り組めるようになってきたのだと思います。

私たちは、100年前にキユーピー マヨネーズを発売した当初から、食や健康に貢献したいという想いを持ち続けています。当時、日本ではマヨネーズそのものがあまり知られておらず、お客様に手に取っていただくために多くの工夫を重ねてきました。その努力が、今でも愛され続けている商品へと成長する原点となりました。

そのような創意工夫を重ねることは、私たちキユーピーグループにとって当たり前の姿勢です。同じように、サステナビリティの取り組みも、「当たり前」に、自然にできる会社でありたいと思います。特別なことをみんなで普通に実現する。それが私たちキユーピーのめざす姿だと思います」

関連リンク


2025年2月公開

※内容、所属、役職等は公開時のものです




行動者ストーリー詳細へ
PR TIMES STORYトップへ

記事一覧に戻る