株式会社昭栄美術

国内トップクラスのディスプレイ総合企業へと成長したと評判の株式会社昭栄美術。コロナ禍を乗り越え、「会社は人を活かす場」という考えにたどり着いた社長のストーリー

2025年04月07日

株式会社昭栄美術(本社:東京都中央区 代表取締役社長:小林大輝)は、展示会・イベントの企画立案から設計、製作、施工、そして運営管理までワンストップで行う、国内トップクラスのディスプレイ総合企業として評判です。

今や年間3000件を超える国内外の展示会・イベントに関わっているプロフェッショナル集団を率いる小林社長が、自らの足跡や事業への想いなどについて語ります。

失敗を重ね、自らの無力さを痛感した入社後の日々

当社は、1979年5月に設立しました。私は空手に打ち込んでおり、大学を卒業後は武道のインストラクターとして2年間活動しました。昭栄美術に入社したのは、それからのことです。


入社後は末端の社員として本社の製作部に配属され、すぐに大阪工場の立ち上げに駆り出されることとなりました。私は工場の整理などの雑務しかできず、「自分はこんなにだめな人間なのか」と思ってしまうくらい無力さを痛感させられました。


ある日、現場で使う道具をホームセンターで購入してくるよう言われたのですが、店頭ではその道具を見つけられず、そのまま帰ってきたことがあります。どうしても必要な道具だから買い物を言いつけられたのに手ぶらで帰ってきて、「そんな道具はありませんでした」と要領を得ない報告をしたわけです。そのときは、すごく怒られました。


また、あるとき、事務所から現場に向かう前に「この道具は現場で使うから、絶対に持ってくるように」と指示されたので、事務所の出入り口に置いて忘れないようにしていました。「事務所から出る際は必ず目に入る」と安心していたのですが、いざ出発となったとき、私は別の出入り口から外に出てしまいました。

全部署の仕事を経験し、メンバーの想いと苦労を理解

こうして数々の失敗を経験した私は、やがて本社製作部に戻ることになったのですが、それからは毎年のように部署を異動しました。目まぐるしく異動したのは、私が失敗ばかりしていたからかもしれません。結果的に全部署の仕事を経験したのですが、各部署のメンバーがどんな想いで仕事をし、どんな苦労を乗り越えているのかということがわかりました。


製作部から営業部に移ったときは、「自分が会社の売り上げを牽引する」と意気盛んでしたが、全くうまくいきませんでした。そこで、「お客様のために仕事をしよう」と考え直したところ、少しずつ結果を出せるようになったのです。


その後、クリエイティブ部の課長を任されたときも、「自分が課を引っ張っていこう」と燃えていたのですが、私自身はデザイナーではないので、結局は何もできませんでした。でも、デザイナーたちが頑張ってくれたことで、「自分はこの人たちに助けられ、活かされている」という感謝の気持ちでいっぱいになりました。


営業部長となってからは、何事もトントン拍子で進んだというイメージです。しかし、社長に就任した2019年からは新型コロナウイルスが猛威を振るい、事業を取り巻く環境は大きく変化しました。ウイルスの感染拡大防止のために展示会・イベントはどんどんなくなり、経営はどん底に陥りました。

コロナ禍が変えた「会社」というものの考え方

そこで見つめ直したのが、「会社は人が集う場」という従来からの考え方です。私は「人を活かす場こそが会社」というアイデンティティにシフトチェンジし、「仕事は社会貢献が目的で、そのためには人間性を高める必要がある」と思うようにもなりました。


一人ひとりが主体性を持って人間性を磨き、その変化の過程を実感するからこそ仕事の楽しみやワクワクが内面から湧き起こる。今までできなかった取り組みにチャレンジし、できるようになれば、お客様に喜んでもらえる。そうして生まれた笑顔や変化を目の当たりにすることが、仕事の楽しみに結び付くのだと思います。


もちろん、チャレンジの過程に失敗はつきものです。しかし、自分の経験を振り返ってみても、そうした失敗こそが成長の一歩になると確信しています。実際に、コロナ禍を乗り越えた後の会社の売り上げは2.8倍まで伸びました。

届けたいのは「情報」ではなく、「人の想い」

当社が届けたいのは「情報」ではなく、「人の想い」です。お客様との共創を通じた新しいビジネスは、人の想いが届くことで生まれます。そうしたことから、会社のミッションを「人のつながりで価値を生む」と定めました。


ミッションを具現化するため、2020年までは個人を対象としていた報奨金の支給先をチームに変えました。その結果、社内では「自分本位ではなく仲間のために頑張る」という機運が高まりました。


各部署の目標に対しても「仲間と力を合わせて達成しよう」との意欲が湧いてきており、お客様の満足度も向上しています。このような仕組みで学びを深めるという考え方については、社内の勉強会や週1回の朝礼、社内掲示板などで、全社にくまなく発信しています。

最も大切なのは、身近な社員の幸せ

当社が志している道は、「ディスプレイ業を通じ社会に貢献し、存在価値のある企業として発展し社員のしあわせを得られる会社を目指す」という基本理念で、人々の幸せを追求し、社会・地球をこれまで以上に良くしていくことです。


その中で最も大切なのは、身近な社員の幸せに他なりません。社員が幸せで心豊かであれば、互いを認め合い、個々の特性を活かし合うことで、一人ひとりの輝きがさらに増すと思います。仕事のやりがいやワクワクが、お客様や協力会社様に伝播し、笑顔が広がれば、社会全体が豊かになっていくに違いありません。

「製販一体」の体制で目指す「四方よし」

当社が目指すのは、「売り手」と「買い手」が共に満足し、「社会貢献」もできるのが良いビジネスだという「三方よし」ではありません。「売り手」と「買い手」、「社会貢献」に加え、「地球にも貢献する」という「四方よし」です。人が中心の社会だけに目を向けるのではなく、私たちを活かしてくれている地球に感謝して仕事ができることを嬉しく思っています。


そうした考えのもと、私たちは廃木材の粉末を3Dプリンターで使用する素材に活用しています。当社の3Dプリンターは日本でも最大級です。通常は処分してしまう廃木材を有効に活用できているのは、展示会・イベントの企画立案から設計、施工、運営管理まで「製販一体」の体制を構築しているからです。


また、展示会・イベントで活用した製作物を改めてメンテナンスし、再利用しています。通常であれば、会場で使った後は壊して廃棄されますが、当社は千葉県市川市にサッカーコート5面分、8200坪もの面積を持つ製作拠点である「SHOEIベイスタジオ」を持っているため、製作物をストックすることができています。 

社員が活躍できる場を提供する

社員に対しては、仕事を通じての自己成長を望んでいます。社員が輝けば、会社全を成長させることになります。ただし、会社を大きくすること自体を目的にはしておらず、社員が活躍できる場を提供することを重視しています。


もちろん、売り上げや利益などの目標はありますが、それらは社員の成長や活躍を促すための手段に過ぎません。

つくり出しているのは、人の想いが込もった物語の始まり

当社の仕事は、お客様に心を傾け、自らの手と頭を惜しみなく使い、無限のイメージを有限のスペースで表現することです。そうして私たち全員で紡ぎ出した仕事が、その姿を留めているのは一瞬かもしれませんが、新しい世界をつくるビジネスはそこから始まります。そのことが、世の中の常識を変えるかもしれませんし、世界を変えるかもしれません。


私たちの仕事の原点には、常に人の想いがあります。だからこそ、1つずつの仕事に意味や意図という想いを込め、お客様の想いにも応えていかなければなりません。当社がつくり出しているのは、人の想いが込もった物語の始まりです。




行動者ストーリー詳細へ
PR TIMES STORYトップへ

記事一覧に戻る