株式会社GRIFFY

時を超えて築く未来への城壁 GRIFFYが守る復興の現場

2025年04月24日

かつて、戦国の世に名を轟かせた築城の名手・加藤清正が築いた「難攻不落の名城」熊本城。黒塗りの瓦と武者返しの石垣が連なるその姿は、幾度の戦いにも屈せず、400年の時を超えて熊本の誇りとしてそびえてきました。しかし、2016年未曾有の熊本地震が、堅牢を誇ったその城を無情にも崩しました。瓦が落ち、石垣が崩れ、天守も無残に傷つきました。「この城は、また必ず蘇る」その強い意志のもと、熊本城の復興は始まりました。



現代の名工たちが挑むのは、過去と未来をつなぐ壮大な“パズル”。崩れ落ちた数十万もの石垣を一つずつに番号を振り、写真と図面を照らし合わせながら、正確に元の場所へと戻していく。それは、気の遠くなるような手作業の連続です。その復興工事の一翼を担っているのが、日本の建設をリードする株式会社大林組(以下「大林組」)。炎天下の中、黙々と作業を続ける職人たちの姿には、尊敬の念しかありませんでした。


写真:崩壊した重要文化財

 

そして、その夏当社株式会社GRIFFY(以下「GRIFFY」)はその現場に体調管理ソリューション「GenVital(ゲンバイタル)」(以下「ゲンバイタル」)を提供しました。私たちが提供したのは、炎天下での作業者の熱中症対策に貢献する安全支援システム。作業者の心拍数と現場の暑さ指数(WBGT)の収集データを基に、現場作業員の体調をリアルタイムな情報をクラウドに集約し、異常を即時に通知し作業者を見守り続けました。


■工事実施にあたっての課題

熊本城の復興工事は、歴史を継承し災害に備えた復興が目的とのことです。そのため、重要文化財を含む再建は補修が出来ず、元に戻す作業に撤しての工事となるそうです。

そしてここ熊本の夏はとても暑く、その工事を成功させるためには、夏場の熱中症対策は必須の課題でありました。その大きな課題を解決するために当社製品ゲンバイタルを採用いただきました。

 

■課題解決へのアプローチ

熱中症の発症リスクを少しでも減らすべく、ゲンバイタルを作業員に装着し体調管理を行いました。結果的には、体調不良になる前にアラートがあがり、さらなる体調不良悪化を防げた印象があったとのことでした。では詳細についてインタビューを含めてご覧ください。



■ゲンバイタル製品概要

リストバンドにより収集された現場作業員の心拍数と位置情報、計測器により収集された建設現場内の暑さ指数から、独自計算アルゴリズムにより計算された指標が閾値を超えた場合に、瞬時に作業管理者に対し注意喚起メールを送信することで、現場作業員の体調管理をサポートするソリューションです。


専用クラウドサーバ「GRIFFY Wear.」にLTE通信にてデータを送信する親機、心拍数データを収集する中継機、現場作業員が装着し心拍数を計測するリストバンド※から構成されます。リストバンドから中継機の通信はBLE、中継機から親機への通信はLoRaを使用し、暑さ指数計測およびデータ収集は、環境モニタリングクラウド「SisMil」※を使用します。

 

心拍数の計測間隔は20秒、専用クラウドサーバ上の収集データは1分間隔で更新され、管理画面から心拍数や暑さ指数をリアルタイムで確認可能です。親機からクラウドサーバへのデータ送信は、LTE通信以外にも衛星回線や光回線も利用可能であり、電波不感地帯における建設現場への活用も可能です。

※リストバンドはホシデン株式会社製です。

※SisMilは株式会社オーク情報システムの登録商標です。

 

■製品写真



今回はその工事中の熊本城復興現場にお邪魔させていただきました。工事完了は2052年までかかる計画だそうで、通常は入れない現場に入らせていただきましたので詳細をレポートします。



崩れた石垣を復元する作業の説明をしていただきました。石垣も重要文化財のため、修復をすることは許されていないそうです。石垣は全てナンバリングされており、その石垣を元の位置に戻す作業をされていらっしゃいました。まるで3Dパズルのように石垣を組み立てていくそうです。











石垣にはナンバリングをしており、図面で管理されています(上記写真)。

次は、宇土櫓を見学させていただきました。宇土櫓は一旦解体して再度組み立てるとのことで全体的に囲われていました。



ここの最上部にゲンバイタルの親機が設置されていました。宇土櫓は天守閣の次に高い場所であり、まわりを一望できるため、こちらに親機を設置しているそうです。親機1台で熊本城すべてのエリアに電波は届いておりました。高い位置に親機を設置することにより子機へ届きやすくなります。


写真:親機設置の様子(写真左下に横置きされています)

 

それでは、大林組 熊本城土木工事事務所で工事長を務めている清水さんのインタビューをお届けします。



■インタビュー

國塚(GRIFFY)

この度は、ゲンバイタルを採用いただき、また復興現場の見学をさせていただきありがとうございました。

では、早速ですが、製品の採用の背景をお聞かせくださいますか。

 

清水(大林組)

ゲンバイタルはクラウドにて作業員一人ずつの体調を遠隔管理ができる点がやはり良いと思いました。

そして各作業員別にアラート通知もしっかりされるので安心でした。

 

國塚(GRIFFY)

ありがとうございます。では本製品は、スムーズに導入が行えましたか?

 

清水(大林組)

比較的スムーズに行えました、ただ子機の電波範囲を把握するのは時間がかかりましたが、それほど問題にはならなかったです。また現場内で電源が取れない場所では、モバイルバッテリ運用ができたところはとても良かったです。

 

國塚(GRIFFY)

なるほど、現場が広い場合ではバッテリ運用が有効ということですね。

では、導入して良かったこと(効果)はありますか?

 

清水(大林組)

実際にアラートが出たことは何度もありました。その都度作業員に確認し体調管理の確認をすることが出来て助かりました。また、当社(大林組)で使っているグループチャットツールへの連携も容易にでき、とても便利でした。

 

國塚(GRIFFY)

では、逆に課題はありましたか?

 

清水(大林組)

はい、1つありました。石垣を積む作業が多いため、手首にリストバンドを装着すると邪魔になる場合がありました。腕とかに巻くタイプもあれば良かったです。

※別途購入にはなりますが、腕に装着するバンドもございます。

 

國塚(GRIFFY)

来年も引き続き使用したいですか?

 

清水(大林組)

来年も使いたいと考えます。課題の改善を希望します。

 

國塚(GRIFFY)

ありがとうございました。引き続きどうぞよろしくお願いいたします。

 

インタビューと熊本城のご案内ありがとうございました。

写真:株式会社大林組 熊本城土木工事事務所 工事長 清水 英児 様

 

最後に・・・・

ゲンバイタルが見守るのは、ひとりの作業者の体調だけではありません。歴史を未来へと繋ごうとする、ひとりひとりの「想い」そのものです。かつて清正公が人々を守るために築いた城。今、その復興を担う人々を、私たちGRIFFYが見守っていきます。時代を超え、技術が受け継がれ、守るべきものが変わっても「人を守る」という信念だけは変わりません。熊本城が再びその姿を現すその日まで、GRIFFYは、未来への石垣のひとつとして、そっとその名を刻んでいきます。


※ゲンバイタルは医療機器ではなく熱中症の予防・診断を行う製品ではありません。


写真/文:(株)GRIFFY企画部 製品企画グループ 都鳥 真也







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