石井食品株式会社

「地域と旬」が導く未来──石井食品、代表社長がキャンピングカーで生産者を訪ねる旅に出た理由

2025年04月28日

石井食品は2025年、創業80周年を迎えました。節目の年にあたってスタートしたのが『ほんとうの「おいしい」を問うキャンピングカーの旅』というプロジェクト。代表取締役社長の石井智康が愛娘・愛犬と一緒に、自らキャンピングカーで全国各地の生産地を巡り、生産者の皆さんと対話をしながらほんとうの「おいしい」を探るこの取り組み。これまで続けてきた「地域と旬」プロジェクトを振り返りながら、創業80年目にして考える機会となっています。

おそらく他に類を見ない「旅する経営者」。今回は旅路の途中で、「地域と旬」への想いと覚悟について聞きました。


はじめに:「地域と旬」プロジェクトとは?

「地域と旬」は、石井食品が長年取り組んできた持続可能な地域共創プロジェクトです。

日本の各地域で手間ひまをかけて育てられた食材を、当社の無添加調理技術によって魅力ある製品へとプロデュースしています。製品を通じ、その土地のアピールや地域の活性化につなげ、農家と消費者を繋ぐ役割を担いたいと考えています。


2023年の新入社員で訪れた白子たまねぎの収穫体験


京都の舞コーン収穫祭で舞コーンをほおばる石井食品社員


石井食品の強みは、社員自らが生産者のもとへ足を運ぶこと。そこで対話を繰り返しながら、原材料を仕入れさせていただいています。そうすることで、生産者の皆さまから商品に対するアドバイスをいただいたり、逆に私たちから原材料の有効活用のご提案などができるようになります。この双方向の関係により、「持続可能な農業モデル」を創出することができると考えています。

この取り組みを改めて振り返るために、代表の石井は旅に出ます。


石井 智康

代表取締役社長執行役員

80年の歴史があるからこそできる社会貢献

── まずは、創業80年という節目を迎えたお気持ちをお聞かせください。


80年という歴史の重みにはすごくリスペクトがありますし、感謝の気持ちでいっぱいです。先人の経営者、従業員、そして私たちの営みを応援してくださった多くの方々のおかげで、ここまで来られたと思っています。

ただ、それを“守る”というよりは、“活かす”という意識のほうが強いです。80年で培ったものをベースに、今の時代にどう貢献できるか。その視点を大切にしたい。焦りというより「やらなきゃ」という気持ちですね。



── 社長ご就任当初と今とで、お考えに変化はありましたか?


もともと、食にまつわる課題を解決したいという強い気持ちが原点です。当時、スタートアップ企業を興すか、石井食品に関わるかという選択肢があった中で、石井食品で働く道を選んだのも、石井食品にいた方が、リソースを使って社会にもっと貢献できると思ったからです。スタートアップ企業は自分自身が関わらなくてもたくさん生まれてくると思いますが、80年の蓄積がある石井食品だからこそ、その創業家の人間だからこそ、届けられる価値があると感じています。

特に、長年培ってきた無添加調理の技術や、生産現場とのつながりは、他の食品会社にはない強みです。それを活かして、どんな形で社会に貢献できるかを考えるのが、今の自分の役割だと思っています。

「旅」で確かめる日々の活動

── 今回「旅」に出ているのも、その延長線上にあるのでしょうか?


はい。もともと旅が好きというのもあります。「旅」って日常から離れる行為だと思うんです。その非日常の中で学んだり体験したりすることで、自分自身も会社もバージョンアップできる。そういう意味で、産地を訪ねる旅はすごく意味があると感じています。

日常業務ではどうしても売上や目の前の課題に追われがちですが、旅の中で得た気づきが未来の方向性を導いてくれるんです。現地の人と顔を突き合わせて話すことで、机上ではわからない発見があります。その価値は、数字に換算できないほど大きいです。



── 旅のゴール、得たいものはあらかじめ決めているのですか?


あえて設定していません。何かを得たい、という明確な期待があると、それ以外のものが見えなくなってしまうので。むしろ設定しないほうが、いろんな出会いや発見がある。多少は産地のことを知れたらいいな、くらいの気持ちで臨んでいます。

今回の旅は、「地域と旬」の現場を再確認する旅でもあります。私たちの取り組みがどこまで届いているのか、生産者にとってどう映っているのか。それを自分の目と耳で確かめたいという気持ちもありますね。

農家と消費者を媒介するのが石井食品

── 「地域と旬」を通じて、どのような価値を届けたいと考えていますか?


地域の方々にしか知られていない“旬”の味って、本当に魅力的なんです。その魅力を全国の人にも届けたい。それが「地域と旬」に込めた想いです。

単なる商品開発ではなく、農と食卓をつなぐこと。つまり、生産者と消費者の間の情報を媒介することが私たちの役割だと思っています。そして、生産者とともに新しいビジネスモデルをつくっていけたらと考えています。

「地域と旬」は、私たちの三大原則の中の「厳選素材」の考え方をアップデートする試みでもあります。ただ良い素材を選ぶだけでなく、その背景にあるストーリーやつくり手の想いまで含めて届けていくこと。それが、これからの食のあり方ではないかと感じています。

「日本一、生産者と地域に貢献する食品会社になる」

── 最後に、これからの石井食品について、どのような未来を描いていますか?


「日本一、生産者と地域に貢献する食品会社になる」──これは私たちが掲げているビジョンのひとつです。

80年という時間の中で築かれてきた信用やネットワークを、未来に活かすのが次のステージだと思っています。時代は大きく変化していますが、それでも変わらないのは、人と人との信頼関係。だからこそ、顔の見える関係を大事にしながら、私たちにしかできない価値を届け続けたい。

「地域と旬」を通じて、地域の味を未来へつなげる。そのためにこれからも、旅を続けながら、対話を重ねながら、まだ見ぬ可能性を探し続けたいと思っています。


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