株式会社チノー

計測器メーカーのチノーが既存システムを応用した「電力監視システム」を販売。契約電力オーバーを防ぐための社内アイデアが新サービスに。

2025年02月04日

株式会社チノーは1936年の創立以来「計測・制御・監視」の領域において事業を展開しています。温度の計測・制御・監視の一連の流れをシステム化し「ループソリューション」として提供しています。

「無線ロガーMD8000」と「集録・監視パッケージシステムCISAS」も温度の計測・制御・監視が主だった用途です。事業所内の契約電力オーバーに対応するために急場しのぎで使用したMD8000とCISASから誕生したのが、今回ご紹介する「電力監視システム」です。1993年に発売したCISASと2012年に発売したMD8000ですが、思わぬきっかけから温度計測以外の新たな販路を見つけました。今回STORYでは「電力監視システム」誕生のきっかけと開発担当者の思いを聞きました。



きっかけは事業所内の契約電力オーバー?!

発端は事業所で起きた契約電力オーバーでした。契約電力量を超えた場合、30分以内に電力を抑えないと、電力会社からのペナルティがある上、次回からの契約電力量が上がってしまいます。そのため契約電力に到達しそうになった段階で総務の担当者にメールが届くように対応したのがきっかけです。


それまでも契約電力に到達するとライトが点滅するようにはなっていたのですが、それだとライトを常に見ているわけではないので気づかないこともありました。まずはそこを改善しました。当社の既存のパッケージソフトCISASと無線ロガーMD8000を使い、契約電力に到達しそうになったら担当者にメールでお知らせするようにしました。


やってみて他社でも同様の課題があるのでは?と感じ、脱炭素をキーワードに電力監視が実現できないだろうかと検討を始めました。そこから社内の他部署の力を借りるため、プロジェクトチームを立ち上げるべく動きました。2023年4月にプロジェクトが始動し全社的に電力監視を推進することになりました。大掛かりな工事をする電力監視ではなく「手軽に」をキーワードにスタートしました。


スムーズ導入。簡単・手軽に電力を「見える化」する監視システムの全貌

「電力監視システム」に必要なハードウェアとソフトはすでに揃っていました。無線ロガーMD8000の電圧入力モデルと集録・監視パッケージシステムCISAS です。この2つがすでに揃っていたため準備には時間はかかりませんでした。とは言え、MD8000の計測データが正しい数字であることを確かめるために市販の電力計と比較して大きな誤差がないかどうかの実験・検証には1ヶ月半くらいかかりました。目安を知る程度であれば、正しい数字であることを確認できました。


昨今、ESGを考慮し省エネルギーへの取り組みに力を入れる企業も多くなりました。ですが、電力計を取り付けてシステムを構築するのはなかなか大変です。当社の「電力監視システム」は既存の分電盤にクランプを取り付けるだけなので手軽に電力監視を始めることができます。MD8000は電池駆動なので電源がないところにも簡単に取り付けることができます。取り付けも磁石の取付ホルダで簡単に貼り付けて完了します。


また、収録したデータは無線で収録器に飛ばすので、新たに配線する必要もありません。このように取り付けには手間も時間も掛からず、特別な工事も必要ないので工場などの稼働も止めることなく設置ができます。当社の事業所内では検証のため所内のあちこちにMD8000を設置する際にみんなの仕事の邪魔にならないようにセッティングするのは大変でしたが、工事作業自体は簡単でした。


CISASは電力の使用状況をグラフィックモニタで把握できます。グラフィックモニタは俯瞰図になっていて、施設内の状況をひとめでイメージでき確認しやすくなっています。また、電力オーバーしそうな時にはメール通報だけでなくグラフィックモニタと連動し音やランプなどでもお知らせができます。データはトレンドグラフ表示、グラフィック表示としても見ることができます。そのほか日報・月報の出力も可能です。


計測器メーカーの強みを活かした電力監視システム。実証済みの成果を公開中。

当社は計測器メーカーなので、既存の製品で「電力監視」など柔軟にシステム化できることが強みです。その強みを活かし、お客様同士の口コミで引き合いが増えていくこともあると思います。また、すでに電気炉の温度監視などでCISASをお使いのお客様にも電力監視もできることをアピールできればリピート受注につながると考えます。2024年9月に発売した最新版のCISAS5には発売から30年のこれまでのノウハウと技術が詰まっています。

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事業所の実証実験の結果として、事業所の電力の見える化もできました。こちらはホームページからご覧いただけますので、皆さんに見ていただきたいと思います。この成果として消費電力が高い空調設備を更新し省エネにも貢献できたと思います。

https://service.chino.co.jp/jp/serv/solution/detail/?did=127


当社の「電力監視システム」は電源なしで手軽に電力を計測でき、大掛かりな工事をせずに安価にシステム構築できるのが魅力です。SDGsの取り組みとして各企業でも省エネルギーが重要となっています。節電に必要な「電力監視システム」、ぜひ多くの企業、施設などで取り入れていただければと思います。




【会社概要】

社名:株式会社チノー

本社所在地:東京都板橋区熊野町32-8

代表取締役社長:豊田三喜男

事業内容: 計測制御機器の製造・販売、計装工事

設立: 昭和11年(1936年)8月1日

HP:https://www.chino.co.jp/





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