株式会社丸福繊維

農業発の丸福繊維が、原点となる遮熱帽子を「ShaBō(シャボー)」にリブランディング。新たな市場開拓と顧客獲得の挑戦。

2025年06月24日

 創業73年を迎える株式会社丸福繊維(本社:愛知県西尾市、代表:村瀬 智之)は、紫外線・熱中症対策商品の企画製造を行っています。2010年発売の紫外線対策フェイスカバー「ヤケーヌ」はUVカットフェイスカバーのパイオニアとして累計300万枚のロングセラーヒット商品です。一方でオリジナル商品の第1弾は2000年の発売開始より、本年で25年を迎える熱中症対策帽子「涼かちゃん」です。


涼かちゃんの開発

 2000(平成12)年頃のある日「農業資材を使って暑さ対策ができないか」という相談がありました。その方は、砂地の過酷な暑さの中で農作業をされている鳥取県のらっきょう農家さんでした。以前より農作業服専業として弊社が製品を作っていたことからお声をかけて頂きました。そのとき、当社が開発したのが遮熱アルミ素材「ダイオミラー」を使った帽子「涼かちゃん」です。



開発の苦労

 「ダイオミラー」は高い遮熱効果を発揮しつつ、通気性も確保する優れた素材である一方で、元々は農業用資材であったため、帽子の縫製には適していませんでした。そこで当社は素材メーカーと共同で帽子の縫製に耐え得る強度の高いオリジナル仕様に変更することで帽子の形状に縫製することに成功しました。



農業現場での評価と課題

 「涼かちゃん」を実際に着用された方かたは、これまでに体験をしたことがない涼しさを絶賛する声が多く寄せられました。太陽光を大幅にカットしつつ風を通す涼かちゃんの独自機能は実際の農業現場で非常に高い評価を受け、私たちは「涼かちゃん」が厳しい環境で働く農家の方々にとって欠かせないアイテムとなると確信しました。

一方でアルミ蒸着素材「ダイオミラー」のキラキラとした見た目から着用をためらう声も多く聞かれました。私たちは粘り強く地道な販売活動を続け、実際に手に取っていただく機会を増やすことで、その効果を実感してもらうことに注力しました。また、各地JAを回って商品説明会を実施し「涼かちゃん」の特長を詳しくお伝えすることで、少しずつ理解が広がっていきました。

さらには、一度使用されたお客様からの口コミが大きな力となり、「見た目以上に効果がすごい」といった声が次第に広がっていきました。結果として酷暑の農業現場で必要不可欠なロングセラー商品に成長しました。


リブランディング、農業分野以外への展開

 「涼かちゃん」が農業現場の暑さ対策として受け入れられる中で、この涼しい機能をより多くの暑さ対策を必要とされる方々に実感していただきたいという想いがずっとありました。しかしながら「涼かちゃん」は農業シーンでは高い評価を受けていましたが、そのデザインにはアルミ蒸着独特のキラキラとした見た目から、一般市場やアウトドアシーンでは受け入れられにくいという課題がありました。機能性は優れているにも関わらず、そのデザインが障壁となり、多くの方に使ってもらうことが難しかったのです。


アルミ遮熱帽子「涼かちゃん」から「ShaBō(シャボー)」へ

 そこで、より多くの人に受け入れられるようにデザインを一新し、洗練されたシンプルなデザインの「ShaBō(シャボー)」へとリブランディングを行いました。これにより、農業分野だけでなく、アウトドアやスポーツ、日常使いにも馴染む帽子として展開を開始しました。


独自機能 “アルミクールテック”

 デザイン面の改良に加えて機能についても改良を行いました。従来より使用している「ダイオミラー」を含めた生地・メッシュの3層構造により、高い熱反射と綿の2.5倍の高通気を同時に実現することで、比較品と比べて帽子内温度が10℃以上涼しくなることを実現しました。このアルミ蒸着遮熱素材からもたらされる-10℃を実現する機能を「アルミクールテック」と銘打ち、ShaBō(シャボー)に搭載いたしました。




 リブランディング第1弾として2023年に発売を開始したウルトラライトハットは当社WEB店舗での試験販売では、再販のたびに完売を繰り返すほどの大きな反響をいただくことができました。涼しさや日常・アウトドアになじむスタイリングもさることながら、着用時の疲労を軽減する軽さ(75g)や洗濯機での丸洗いが可能なイージーケア、コンパクトに畳んで持ち運べる便利さなども多くのお客様からご評価いただく事ができました。



日本の夏にShaBō(シャボー)

 本年3月からは全国のハンズ店舗(一部店舗を除く)にて、ウルトラライトハットに加えてキャップとバケットハットを加えて展開を開始いたしました。毎年最高気温が更新され、本年も猛暑予想が出ている夏の暑さ対策の必須アイテムとして、今後も皆様に快適な夏をお届けできるように、様々なシーンでご活用いただけるように商品開発を続けて参ります。ぜひ「ShaBō(シャボー)」の涼しさを体感してください。




【代表インタビュー】

◯ 異常気象や熱中症リスクについて

ここ数年の酷暑を肌で感じる中で、帽子による暑さ対策の重要性は年々高まっていると感じています。「地球沸騰化時代」とも言われる現在、私たちの独自機能「アルミクールテック」を搭載したShaBō(シャボー)は、旅行や観光、日常の外出といった幅広いシーンで、皆さまのお役に立てると確信しています。

(※参考:ロイター通信 2024年5月15日配信記事「昨年の北半球、過去2000年で最も暑い夏」)


◯ 「見た目より機能性」から「デザイン × 快適性」へ

従来の「涼かちゃん」は、銀色の遮光素材を前面に押し出した“機能性重視”のアイテムでした。農業など機能が最優先される現場では評価いただいていた一方で、日常生活や街中での使用にはややハードルがありました。そこで私たちは、「涼しさはそのままに、誰でも被りたくなるデザイン」をテーマに、試作と検証を重ねてShaBō(シャボー)を完成させました。デザインと快適性を両立することが、今回のリブランディングの大きな柱となりました。

◯ リブランディングを通じて得た気づき・学び

農業向けでは「機能性こそすべて」でしたが、一般市場では“軽さ”や“携帯性”、“服との相性”といった視点が重要だと気づかされました。また、想定以上に使われるシーンが多様で、帽子に求められる役割の幅広さに驚きました。テレビで取り上げていただいた際の大きな反響は、ShaBō(シャボー)が“日常に根付く帽子”として十分に可能性があるという手応えにもなりました。

◯ 次なる挑戦やビジョンについて

「アルミクールテック」は当社独自の技術であり、その機能には自信を持っています。今後は帽子に限らず、さまざまなシーンに対応した製品展開を視野に入れながら、ブランドとしての価値をさらに高めていきたいと考えています。そして、「夏に涼しい帽子といえばShaBō(シャボー)」と、誰もが思い浮かべる存在に育てるのが私たちの目標です。





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