株式会社ジェーシービー
【後編】JCB×EMVCoの挑戦! アジア代表としてIC決済の標準化で築く、キャッシュレス社会の未来
2025年06月24日
株式会社ジェーシービー(以下:JCB)は、2004年から安全なクレジットカード決済とグローバルでの互換性を促進する「EMVCo(イーエムブイコ)」に参画しています。JCBがEMVCoに参画し20周年を迎えた現在まで、さまざまなプロダクトや仕様の検討・開発、啓蒙などに携わってきました。
前編では、塩田さん、湯浅さん、岩﨑さん、藤本さんにICの概要とお客様に与えるメリットについて話を伺いました。後編では、やりがいやJCBのエピソードに関して話を伺います。
■前編の記事はこちらから
国際標準を支えるJCBの奮闘。担当者が語る挑戦とやりがい
――EMVCoでの標準化活動の中で、特に苦労したことは何ですか?それをどのように乗り越えましたか?
岩﨑:言語・時差・知識の壁が大きかったですね。仕様書のレビューやメンバーとのコミュニケーションで確認を重ね、理解を深めるよう努めました。また、英会話レッスンの受講や、専門知識は「とにかく聞く」ことで克服し、今では議論の内容が理解できるようになりました。
藤本:EMVCoの会議はオンラインが中心のため、正しく理解出来ているかを確認するのが難しかったです。会議の前後に個別で確認を行い、議論の内容を整理することで、より分かりやすいドキュメント作成にも貢献できました。
――特に印象に残っている出来事を教えてください。
藤本:私たちが関わる端末のテストワーキンググループでは、長年にわたって標準化に取り組んでいる経験豊富なメンバーが多く、特にフランス国籍の方が多いのが特徴です。私が初めて電話会議に参加したとき、当然ながら分からないことばかりでしたが、一番引っかかったのが「ダタ」という言葉でした。
最初は「どこかの会社の名前なのか?」「固有名詞なのか?」と考えていたのですが、会議後に先輩に尋ねたところ「データ(data)のことだよ」と言われて驚きました。英語の「data」がフランス語だと「ダタ」と発音されていたようです。今では笑い話ですが、最初は本当に何の話をしているのか分からず苦労したエピソードの1つです。
岩﨑:私は大学時代にフランス文学を学び、フランス語を勉強してました。JCBに入る際は「さすがにフランス語を使う機会はないだろう」と思っていました。ところが、会議ではフランス語なまりの英語が頻繁に飛び交い「あれ?これなら理解できる!」と驚きました。予想外の形で大学時代の学びが活かされ、嬉しい発見でした。
湯浅:EMVCoの活動に参加して強く感じたのは、プロフェッショナルとしての意識の高さです。年齢やキャリアに関係なく、すべてのメンバーが「自分が会社(=ブランド)を代表している」「個人としてパフォーマンスを発揮する」という意識を持っていました。
誰もが対等な立場で自分の意見を持ち、積極的に発言します。日本の企業文化では、先輩や上司の指示を仰ぎながら学ぶスタイルが一般的ですが、この場では「自分で調べ、自分で考え、自分で結論を持ってくる」という姿勢が求められました。
最初は戸惑いましたが、彼らの働き方を見て「自分もこうありたい」と思うようになり、責任感の強いプロフェッショナルな働き方を間近で学べたのは、非常に貴重な経験でした。
――EMVCoの活動の中で、どのようなときにやりがいを感じますか?
藤本: 3年目の頃に自分の提案が標準仕様として採用されたときです。決済端末にはEMVCoの認定が必要で、その認定には有効期限があります。当時、接触型端末の認定期限は4年、非接触型端末は3年と異なっていました。社内で「このルールを4年に統一した方がよいのでは?」という議論があり、それをワーキンググループに提案しました。そこから各ブランドで議論を重ね、最終的に4年に統一しようという結論に至りました。
自分が提案した内容が国際的な仕様として承認され、実際に業界に影響を与えたことに大きな達成感を感じた瞬間でした。
岩﨑:JCBからEMVCoに参加しているメンバーは、社内でもごくわずかです。そのため、自分がJCBの代表として標準化活動に関わっていること自体に、大きなやりがいを感じています。
社内からもEMVCo関連の質問や相談を受けることが増えてきて、自分がJCBの中でも重要な役割を担っていると実感できるようになりました。EMVCoの活動を通じて、社内外で活躍の場が広がっていることに、大きなやりがいを感じます。
塩田:標準仕様を策定する立場にいるということ自体が、大きなやりがいです。単に日本やアジアだけでなく、世界中の決済の基準を作るという貴重な機会に携われているのは、本当に嬉しいですね。
また、EMVCoに加盟できるのは国際ブランドのみで、日本でこの活動に参加できるのはJCBのみです。そう考えると、JCBの代表として、この国際的な標準化に貢献できるのは特別な経験だと感じます。この仕事に関わっていること自体が、大きな誇りです。
湯浅:一番やりがいを感じるのは、業界の問題を解決できたときです。例えば、システムのエラーを解消したり、業界関係者と協力して新しい仕組みを作ったりしたときに「これは世の中にとって本当に役に立つよね」と喜びの声を聞けると自分たちの活動が業界の発展に貢献できていることを実感できます。こうしたフィードバックを直接受け取れるのは、本当に嬉しいですね。
――IC決済の標準化に関わることについて、どのような思いを持って活動しているか教えてください
岩﨑:EMVCoの活動の目的は、世界中で安全かつ便利に決済ができる環境を整えることです。その目的を常に忘れずに「より便利な決済を実現するためには何が必要か?」を常に考えながら取り組んでいます。
他ブランドの意見を聞くことも重要ですが、JCBとしての意見をしっかり持ち、それを発信することを心がけています。
藤本:私は決済端末のワーキンググループに所属していたため、最終的に認定された端末が加盟店に設置され、JCBの会員が利用する場面を常に想像しながら活動しています。「この端末にJCBのマークがあれば、安心して決済できる」「セキュアな取引が実現できる」といった信頼感を持ってもらえるように、一定のテスト基準を保つことが重要です。
もちろん、他のブランドの経験豊富なメンバーから学ぶことも多いですが、自分の実務経験を活かし、小さなことでも貢献できることを探しながら、少しでも業界の発展に寄与できるよう努めています。
湯浅:最終的に目指すのは、安全で安心な決済環境を提供することです。そのため、既存のIC決済の標準化だけでなく、新しい技術が登場する中で「何を標準化すべきか?」「それが業界やJCBにとってどういうメリットがあるのか?」を考えながら取り組んでいます。
また、他ブランドがどのような考え方をしているのか、どういう判断基準を持っているのかは、日本国内ではなかなか学べない部分です。EMVCoの場で得た知見を持ち帰り、JCBの戦略にも活かせるような取り組みを意識しています。
塩田:JCBの会員数は約1億6900万人に上ります。私は、会員様の代表としての視点を持ち、また加盟店やアジア全体を代表するつもりで、EMVCoの活動に取り組んでいます。JCBは、日本で唯一の国際ブランドとしてEMVCoに参加している立場です。そのため、日本やアジアの決済市場の状況を適切に反映し、国際的な標準に貢献することが求められます。その責任を自覚しながら、業界全体の発展に貢献できるよう努力しています。
未来へつながるIC決済。JCBが届ける安全・安心なキャッシュレスの世界
――最後にJCB会員に向けて、メッセージをお願いします。
藤本:EMVCoの標準化は、各ブランドの長年の知見を集約し、共同で作り上げたものです。6つの国際ブランドが、それぞれの経験を持ち寄り、もっとも安全で信頼できる仕様やテストスキームを策定してきました。その基準をクリアした決済端末が加盟店様に設置され、ICカードが会員様のもとへ届けられ、日々の取引に使われています。今後も、より安心してご利用いただけるよう、引き続き取り組んでまいります。
湯浅:皆様がいつでもどこでも安全・安心にIC決済をご利用いただけるよう、環境整備を進めています。標準化の仕組みを通じて、よりスムーズで信頼できる決済が実現できるよう、これからも取り組んでいきます。
塩田:JCBのカードを、これからも安心してご利用ください。技術は日々進化しており、新たな決済方法も次々と登場しています。私たちは、それらの技術を取り入れながら、皆様が安全に決済できる環境を整備していきますので、引き続き安心してご利用いただければと思います。
岩﨑:決済業界は常に変化しており、次世代の決済手段もどんどん生まれています。私たちは未来を見据えながら、次の時代の決済がより安全・安心に進化するよう、EMVCoの活動を通じて取り組んでいます。これからも安心してJCBカードをご利用ください。
■前編を読む
https://pr.global.jcb/n/n7910ce5e9d9d?utm_source=prts0619&utm_medium=emvco2&utm_id=prts0619
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