auじぶん銀行株式会社
auじぶん銀行が目指す“問い合わせゼロ”の未来 ~顧客満足度最大化を目指すCXデザインへの未知なる挑戦~
2025年06月25日
auじぶん銀行のCS(カスタマーサポート)は、2021年よりお客さまサポートを担う3つ(預金・サービス全般、カードローン、住宅ローン)すべてのコールセンターが「HDI格付けベンチマーク(依頼格付け調査)」で最高ランクの三つ星を獲得しています。さらに、預金・サービス全般を担うお客さまセンターは、三つ星認定企業のみが対象となる「HDI 五つ星認証」を2024年に獲得しました。外部機関からも高く評価されるauじぶん銀行のコールセンターは、業界屈指の品質を誇ります。
しかし、auじぶん銀行の顧客満足度向上への挑戦は、それだけに留まりません。「応対品質だけでは、真の顧客満足は実現できない」と考え、問い合わせが発生しない理想的な状態を目指して、カスタマーサポートの枠を超えた「CX(顧客体験)デザイン」に取り組んでいます。本記事では、CS本部長の堀野和明さんへの取材をもとに、auじぶん銀行が目指すCS・CX改革に迫ります。
auじぶん銀行株式会社 執行役員CS本部長兼CS企画部長 堀野和明
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【1】HDI三つ星を4年連続で達成
【2】お客さまのストレスをゼロに──「シフトレフト構想」で目指す理想の顧客体験
【3】タッチポイントの最適化!WEB上でのOne to Oneサポート
【4】CXの一括管理で、お客さまの期待を超える
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【1】HDI三つ星を4年連続で達成
2020年にスタートした改革の最初の一歩として、auじぶん銀行が取り組んだのはコールセンターの品質を最高水準に引き上げることです。堀野さんは次のように語ります。
「無形商材を提供するネット銀行にとって、コールセンターでの応対品質は企業の信頼性やブランド力に直結します。そのため、まずはHDI-Japanが主催する『HDI格付けベンチマーク』で最高ランクの三つ星獲得を目指すことにしました。」
<「HDI格付けベンチマーク(依頼格付け調査)」について>
「HDI格付けベンチマーク(依頼格付け調査)」は、企業からの依頼に基づき行われる格付け調査です。格付け経験豊富な専門調査員が実際にコンタクトセンターに電話するなど顧客の視点で評価し、HDI の国際標準に基づき設定された基準に沿って三つ星から星なしの 4 段階評価で格付けされます。
三つ星の取得、それは平坦な道のりではありませんでした。
「まず、HDIの評価基準を独自に分析し、良い応対とは何か、求められるスキルを明確化しました。この土台をもとに、品質向上を目指したトレーニングプランを策定し、計画的に実行しました。加えて、私が並行して取り組んだのは、このトレーニングプランの消化状況と個人の人事評価をしっかりと紐づける仕組みを構築することでした。応対業務を担うのはオペレーター、つまり「人」です。だからこそ、個々のオペレーターがこの取り組みの意義を深く理解し、トレーニングの成果に真剣にコミットすることが不可欠です。さらに、その努力が正当に評価されることで、現場の士気は一層高まり、オペレーター同士が良い意味で切磋琢磨する環境が生まれます。その結果として、私たちはお客さまに最高品質の応対を提供できると考えたのです。」
また、2024年8月に”カスタマーハラスメントに対する基本方針策定“を発表していますが、これも品質の応対を維持する重要な要素だといいます。
「私たちは、お客さまとの信頼関係を基盤に、より良いサービスを提供することを目指しています。お客さまが安心してお問い合わせいただける環境の維持向上には、スタッフが心理的安全性を軸としてお客さまと誠心誠意向き合える環境づくりは、より高品質なサービスを提供するために必要不可欠です。この方針は、すべてのお客様に満足いただける応対を実現するための基盤として、誠意を持って運用しています。」
改革開始から約1年後の2021年、ついに3つ(預金・サービス全般、カードローン、住宅ローン)すべてのコールセンターが「HDI 格付けベンチマーク(依頼格付け調査)」にて、三つ星※を獲得。2024年、2025年の「HDI 格付けベンチマーク(依頼格付け調査)」でも、すべてのコールセンターが「問合せ窓口格付け」と「クオリティ格付け」の両部門で三つ星を獲得し、ネット銀行として初の4年連続6冠を達成しました。また、預金・サービス全般を担う「お客さまセンター」は、2024年に3 部門(「問合せ窓口格付け」「Web サポート格付け」「クオリティ格付け」)でカスタマーサポートの運営体制等を評価する「HDI 五つ星認証」の取得をし、その認証は現在も更新中です。3部門での取得は邦銀で初となり、お客さまセンターは応対品質だけでなく運営体制も評価されています。
※預金・サービスを担うお客さまセンターは「問合わせ窓口格付け」で初の三つ星獲得、カードローンを担うローンセンターは「クオリティ格付け」で初の三つ星獲得し、「問合わせ窓口格付け」では2年連続三つ星獲得、住宅ローンを担う住宅ローンセンターは「問合わせ窓口格付け」で初の三つ星獲得しました。
この取り組みによって、auじぶん銀行の3センターは最高品質の電話対応が行えるようになりましたが、堀野さんはさらにその先を見据えています。
「問い合わせが発生する時点で、お客さまはすでに何かしらの問題を抱えている状態です。その問題を解決するために手間(コールセンターに電話)をかけること自体が、お客さまにとってストレスとなります。本来、問い合わせが不要な状態こそが理想と考えています。」
【2】お客さまのストレスをゼロに──「シフトレフト構想」で目指す理想の顧客体験
「シフトレフト構想」は、もともとソフトウェア開発やIT運用において使用されていたアプローチで、プロセスの早い段階で問題を予防し、品質を向上させることを目的とした考え方です。この構想は現在、カスタマーサポート(CS)の領域にも応用されており、顧客が問題解決のために負担を感じることなく、快適にサービスを利用できる環境を提供するための重要な理念となっています。
(出典:HDI-Japan)
堀野さんはこの「シフトレフト構想」の実現に向け、コールセンター運営に留まらず、WEBサイト上でのOne to Oneサポートに着手。更には2025年4月からWEBサイト・アプリの運営管理までをCS本部傘下とし、お客さまのタッチポイント全般を管理。一気通貫してCX(顧客体験)デザインに取り組むことになりました。
「問い合わせが発生しない状態、つまりお客さまが何の手間もかけずに、商品やサービスを快適に利用できることが理想です。また、万が一問題が発生した場合でも、お客さま自身で簡単に解決できる仕組みを提供することが重要です。」
【3】タッチポイントの最適化!WEB上でのOne to Oneサポート
お客さまがWEBサイトを訪れた際の閲覧状況を分析し、回遊しているページから潜在的なお困りごとを予測しています。お客さまの導線が特定の条件に合致した際に、予め設定したサポートウィジェットやFAQを、閲覧中のページにポップアップ形式で表示します。お客さまは、ポップアップに表示されるガイドに従って進んでいくことで、問題をスムーズに自己解決できるのです。
こうした改善を進めたことで、お客さまからいただくご要望も30%削減、電話を取ることに費やしていた人件費も、施策の検討に振り分けることが出来るようになりました。また、日常的なお困りごとの自己解決を想定していたところ、昨今のインターネット銀行を狙ったフィッシング詐欺が発生した際に、大きな成果を発揮しました。
「お客さまがご自身の状態を把握するための質問項目を、ウィジェット上で選択するだけで適切なチャネルにたどり着くことができるよう設定しました。
(該当のページに遷移すると、ウィジェットが表示され、クリック後に表示される質問に回答していくと、必要な対応が表示される仕組み)
お電話が必要かどうか、ご自身で確認することが出来る仕組みを提供。念のためご確認を希望するお客さまに対してはメールをご案内し、有人対応が必須の状況にあるお客さまからのお電話を確実に取れるようチャネルを振り分けました。有事の際に避けなければならないのは、センターへの入電殺到で電話が繋がらなくなり、緊急対応が必要なお客さまのお電話までもを取り逃してしまうことです。
WEB上での1on1のサポートにより、本来電話でなくとも解決できるお客さまには、その手前で解決を促し、有人対応が必要なお客さまとは直接コミュニケーションをとる。お客さまが求める、今必要な対応を適切にご提供出来るようになったのです。」
【4】CXの一括管理で、お客さまの期待を超える
今年度からはWEBサイト・アプリの運営管理までをCSが担うことになり、お客さま視点で導線設計し、迅速にPDCAを回す体制を整えました。コールセンターを運営を担うCS部門が、WEB領域まで一気通貫で管理する体制は珍しいと言えます。
「一般的には、専門性や目的・KPIが異なると言われる領域でありますが、お客さまとのタッチポイントであり、全チャネルを最適に設計していかなくては、真の顧客満足度を追求するに至らないのです。働く人や働き方などの観点から、近年24時間365日のカスタマーセンター運営をすることは難しく、運営している会社も少なくなっています。一方で、これだけ生成AIなどテクノロジーが進化しても、WEBだけでの解決が難しい場合があります。当社のような店舗もなく、無形商材であればなおさらです。そんな中で、お客さまの困りごとに対して、WEBで解決できることはChatGPTやFAQなどで解決、複雑な内容は電話で対応するなど、お客さまの状況にあわせて必要な打ち手を提示し、お客さまがリアルタイムで求めているものが得られる状態を目指しています。人にしかできない業務とAIなどテクノロジーで効率化できる業務を見極めながら、最適化を進めていきたいです。」
私たちauじぶん銀行が目指す、CS・CX改革の究極の目的は「お客さまの期待を超える」こと。CSとCXを一括管理し、よりパーソナライズしたサポートの提供を実現することで、お客さま満足度の最大化を目指していきます。
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