株式会社ジェーシービー

【後編】EMVCoと3Dセキュアが支える安全・安心な決済JCBの標準化への取り組み

2025年07月02日


ネットショッピングの安全性を高めるために欠かせない技術が「3Dセキュア」です。「3Dセキュア」は全世界で利用されている仕組みであり、その国際標準化を行う組織 EMVCo にJCBも参画し、業界全体のセキュリティ強化に貢献しています。


前編では3Dセキュアの活動に携わった矢澤さん、硲さん、孫さん、谷さんに、業界全体でどのように安全な決済環境を築いているのか、JCBが果たしてきた役割や想いについて話をうかがいました。

後編では3Dセキュアの活動でのエピソードに関して話を伺います。


■前編の記事はこちらから

https://pr.global.jcb/n/n7bf070986692?utm_source=prts0624&utm_medium=emvco3&utm_id=prts0624


3Dセキュア標準化の最前線。担当者が語る挑戦とこれから

――標準化を進めるにあたり、EMVCoに参画している他のブランドとどのように協力していますか?

谷:「標準化の議論は週2〜3回のオンラインミーティングを開催し、各国の時差を考慮して深夜11時頃に行われることが多いです。さらに、年4回の対面会議も実施し、1週間かけて集中的に議論を進めます。3Dセキュアのワーキンググループは特に会議頻度が高く、世界中を飛び回りながら標準化を進めているのが特徴です。」


矢澤:3Dセキュアのワーキンググループは関与する分野が広く、参加メンバーも多いのが特徴です。JCBでは現在3人が中心となって活動し、これまで13人が関わってきました。標準化活動は大きな責任がありますがその分やりがいも感じています。」


――特に苦労したことは何ですか?それをどのように乗り越えたか教えてください?

谷:「大きな課題の1つは、3Dセキュアの仕様に長年携わってきた他ブランド担当者との知識・経験の差です。他ブランドには20年以上この分野に従事するような専門家が多いのに対し、JCBはジョブローテーションがあるため、チームメンバーの変更が避けられません。


チーム内で情報を整理・共有し、知識を補いながら対応していくことで知識のギャップを埋めていきました。最初は議論についていくのが大変でしたが、チーム内で継続的なキャッチアップを行ったことで徐々に対応できるようになりました。」



孫:「標準化活動は3Dセキュア単体の知識だけでは不十分で、新しいデバイスや市場動向、他の仕様との連携など、幅広い理解が求められます。新しい技術や仕様について会議が行われる際は、事前リサーチを徹底し、関連技術の文献や情報を調査したうえで、JCBとしての意見をまとめてから会議に臨んでいます。


また、地域ごとのニーズの違いも課題でした。日本やアジアのベンダーの意見を国際的なワーキンググループで伝えることは簡単ではなく、日本特有の課題を適切に説明できなければ、議論に反映されない可能性があります。地域の声を正しく伝えることが難しかったです。


――標準化活動を通じて、特に印象に残っているできごとは何ですか?

孫:「3Dセキュアのワーキンググループは、他のグループと比べてもメンバー同士の仲が非常に良いのが特徴です。


例えば、長時間の会議を終えた後に皆で飲みに行ったり、ワーキンググループのメンバーのホームパーティーに招かれたりすることもあります。単なる仕事上の関係ではなく、プライベートでも交流があることで、協力体制が強まり、仕事の面でも良い影響を与えています。


異なる文化的背景を持つメンバー同士でも、こうした交流を通じて理解し合い、標準化の議論をスムーズに進めていけるのは、非常に素晴らしいことだと感じています。『文化が違っても、共通の目標に向かって協力できるんだな』と実感し、温かい気持ちになりますね。」



――どのような思いを持って3Dセキュアの活動に取り組んでいますか?

硲:「常にお客様の目線に立ち、どのようなニーズがあるのか、どのような仕組みがあればお客様が喜ぶのかを忘れずに考えることが重要だと思っています。『この仕様を標準化すればお客様にメリットがあるのでは?』といった視点で取り組むことを心がけています。


谷:「3Dセキュアを実装する会社や関係者への配慮も大事にしています。JCBはイシュア・アクワイアラの視点も持っている貴重な立場にありますので『この仕様が業界全体にとって本当に価値のあるものなのか?』を常に意識しながら活動するようにしています。


矢澤:「ときにはJCBにとって不利なことや、面倒な対応をしなければならない場面もありますが、業界全体のことを考え、公平でフラットな視点を持つことが何より重要だと感じています。標準化の議論の中で、自分を追い込む場面も多いですが、それだけ責任を持って取り組んでいるという実感があります。」


EMVCoとJCBが築く3Dセキュアの未来。安全でスムーズな決済環境へ

――最後にJCB会員に向けて、3Dセキュアの重要性や安全・安心な決済についてメッセージをお願いします。

谷:「インターネットで買い物をする際に、3Dセキュアの認証が求められると『面倒だな』と感じる方も多いかもしれません。しかし、一つひとつの本人認証が、ネットショッピングでの決済の安全性向上につながっています。これからも、お客様目線で機能の改善を続けていきますので、どうぞ見守っていただければと思います。」


孫:「インターネット環境は、リアルな社会以上に急速に変化しており、新しいサービスや決済手段が次々と登場しています。その中で、JCBはEMVCoの活動を通じて、最新のセキュリティ技術を活用して安全性を確保し、より安心してご利用いただける決済環境を提供していきたいと考えています。会員の皆様が安心してJCBの決済をご利用いただければ嬉しいです。」


硲:「便利さや新しい使い方ももちろん大切ですが、クレジットカード決済は、もはや水道や電気のような生活インフラに近い存在になっていると思います。そのため、いつでも安全に利用できることが何より重要です。3Dセキュアはそのための1つの取り組みですが、他にもさまざまな施策を通じて、皆様が安心してカードを利用できる環境を整えていきたいと思います」


矢澤:「お客様にとって、安全・安心な決済は当たり前のことかもしれません。しかし、その当たり前を確実に提供するために、業界全体で取り組んでいるのがEMVCoです。今後も、より安全でスムーズな決済をお届けできるよう努力を続けていきます。」


■前編の記事はこちら

https://pr.global.jcb/n/n7bf070986692?utm_source=prts0624&utm_medium=emvco3&utm_id=prts0624



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