独立行政法人環境再生保全機構

発表×交流!全国ユース環境活動発表大会に参加した学校の活動ストーリー

2025年10月08日


『日頃の研究が世界の環境問題を救う!?』

全国ユース環境活動発表大会実行委員会(環境省/独立行政法人環境再生保全機構/国連大学サステイナビリティ高等研究所)主催で、今年は第11回目となる全国ユース環境活動発表大会の地方大会が全国8ブロックにて11月より実施されます。

昨年度、地方大会を通過し全国大会で、環境大臣賞、環境再生保全機構理事長賞、国連大学サステイナビリティ高等研究所 所長賞の3賞を受賞した3校に活動のきっかけや今後の目標などをインタビューしました。そこから見える本大会の魅力とは。


応募締切:2025年10月28日(火)18時まで


  • 環境大臣賞受賞:

徳島県立小松島西高等学校 TOKUSHIMA雪花菜工房×藻藍部

「藻場の再生で環境ビジネス!海洋GXと海洋DXでウミノ経済循環型社会を目指して」

▲活動の様子

今回のテーマを選んだきっかけや理由についてお教えください。

私たちが活動している美波町はウミガメの町として有名ですが、海水温の上昇や藻場の減少により一昨年は観測史上初の上陸がありませんでした。また、地元の漁師さんから藻場が減少すると魚の数も減り、漁業にも影響が出るというお話を聞き、私たちはウミガメをはじめとする多くの生き物たちを守ると同時に、海に関わる多くの人を支えることができる取り組みを行いたいと思ったのがきっかけです。


活動を通じて、一番大変だったこと、嬉しかったことはなんですか?

商品開発が一番大変でした。アイゴやブダイは海藻を食べるため、内臓処理をしても嫌な臭いが残ることが課題でした。昨年開発した金のブダイカレーは企業と何度も試作を重ね、納得のいく商品が完成しました。単に商品開発をするだけでなく、つくること・つかうことの責任を感じながら活動しています。

一番嬉しかったことはウミガメが産卵に帰ってきてくれたことです。確かなデータはありませんが、ウミガメが私たちの取り組みを評価してくれたようでとても嬉しかったです。


今後の活動の目標はありますか?

今後は肥料の再開発に力を入れていきたいと考えています。私たちの取り組みを始めてから美波町の海ではテニスコート約10面分の藻場が増えたことが確認できたので、肥料を再開発して藻場の成長をさらに早めていきたいです。また、多くの企業と連携し、この活動の幅を広げていきたいと考えています。


応募を検討されている高校生の皆さんへメッセージ――。

この大会に参加して、全国の高校生がそれぞれの地域で工夫しながら環境問題に取り組んでいることを知り、すごく刺激を受けました。他の学校の発表はどれも面白く、自そして何より、私たちの活動が評価され、環境大臣賞を受賞することができたのは本当に嬉しかったです。交流会では、同じように頑張っている仲間と話すことができて、とても心強かったです。発表は緊張しましたが、自分たちの想いを伝える良い機会になりました。参加を考えて

いる人には、「完璧じゃなくていいから、まずやってみること」が大切だと伝えたいです。少しでも環境を守りたいという気持ちがあれば参加してみてください。


  • 環境再生保全機構理事長賞:

宮城県農業高等学校 Re:温故知新 「Re:温故知新」

▲活動の様子

今回のテーマを選んだきっかけや理由についてお教えください。

農家から肥料が高くて買えないという相談を受けたことをキッカケに肥料を削減できる栽培法を構築しました。初めから大量に肥料を入れると、すぐに肥料を吸えるために根が伸びません。肥料が無いと肥料を求めて根を伸ばすという特性を発見しました。これが肥料削減に繋がったのです。


活動を通じて、一番大変だったこと、嬉しかったことはなんですか?

根量調査が一番大変でした。抜いた根を一本一本分解して、長さ、太さ、重量を量りました。一つの株に100~300本近くついているので、それを計測することは時間と根性が必要でした。また、自分達で肥料を追肥しましたが、10kgの動力散布器に20kgの肥料を入れて散布することもとても大変でした。

一方で、肥料が少なくとも収量がほとんど変わらない結果を得た時はとても嬉しかったです。


今後の活動の目標はありますか?

この肥料は環境に良い影響を与えます。肥料が少なくなるということは水質も汚さず、成分も流れません。また、土壌への負荷も少なくなります。肥料が少なく、茎が太く、短く、堅い丈夫な作物の栽培法を解明する研究を続けていきたいです。


応募を検討されている高校生の皆さんへメッセージ――。

全国から集まった高校生たちの情熱と創意工夫に大きな刺激を受けました。中でも、全く異なる地域やテーマの発表から「課題の捉え方」や「伝え方」の多様性を学び、自分たちの研究にも新たな視点が加わりました。他校との交流では、お互いの活動に共感し、連携の可能性を感じる場面もありました。大切なのは、完璧な研究よりも「なぜやろうと思ったか」という想いだと思います。失敗も含めて、自分しか話せない物語がきっとあるので、自信をもって伝えてください。


  • 国連大学サステイナビリティ高等研究所 所長賞:

北海道岩見沢農業高等学校 自然エネルギー班

「厄介者の見方を変えて味方にする!~雪ともみがらの循環利用による持続可能な農業経営の実現~」

▲活動の様子

今回のテーマを選んだきっかけや理由についてお教えください。

先輩方の代から20年以上続いている雪冷熱の研究に、もみがらのバイオマスエネルギーをかけ合わせることで、再生可能エネルギーを活用した循環型農業を実現できるのではないかと考えたからです。この活動を通して、再生可能エネルギーの活用による持続可能な農業経営を実現させ、農家の所得向上はもちろん、新たな北海道のブランド野菜を創り出し、働きがいにつなげていきたいです。


活動を通じて、一番大変だったこと、嬉しかったことはなんですか?

装置が大掛かりなため、不具合や失敗が起きてしまった時に修正することが困難なことが大変だと感じました。具体的には、雪山の下に装置を設置した後に、パイプの中をうまく水が循環しない問題が起きた時、雪を掘り起こしてしまうと冷熱を維持できなくなるため、装置全体の中を確認することができないことです。

本大会のように、審査員の方や同世代の高校生、発表を聞いてくださった方から活動を評価してもらうと励みになります。また、活動を共に行う外部の方から、お褒めの言葉をもらった時は嬉しかったです。


今後の活動の目標はありますか?

冷却装置についてはまだまだ改善の余地があることや、ペレットの材料比率による燃焼試験など、課題が多いので活動を継続してテーマを深めていきたいです。また、本校の農業科学科と連携し、実際に同じ作物を栽培した時の生育・収量の比較を行うなど、実証栽培も行っていきたいと考えています。そして、データが揃った際には、農家に冷却装置やバイオマス暖房を設置して、経営評価を含めた実証試験を行うことが当面の目標です。


応募を検討されている高校生の皆さんへメッセージ――。

環境活動に対する意識の高い学生が集まり、普通科や専門学科の垣根を越えて同世代との交流ができます。実際に参加してみると魅力を感じると思います。




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