株式会社EDAHA

「人を増やすより、仕組みを変える」人手不足時代を勝ち抜く“数字の見える化”戦略とは?

2025年10月08日

 福岡を拠点に、美容室グループ「Anchor 」とスイーツ専門店を展開する株式会社ANCHOR。美容部門ではチーム体制による高品質施術や託児スペースを備えた働きやすい環境を整え、飲食部門では「FRUITS SAND THREE」や“揚げサンド”の「Age.3」を国内外に展開するなど、異業種を横断した挑戦で成長を続けている。


一方で、その華やかな表舞台の裏側では、契約・発注・請求といった日々の事務処理を紙やExcelに頼る場面も多く、業務負担が経営のスピードを阻む課題となっていた。

「人を増やすか、仕組みを変えるか」──。経営判断の岐路で即断したのは、代表取締役・中嶋公治氏自らによるクラウドサービス「EDAHA」の導入だった。

本記事では、中嶋氏と株式会社EDAHA代表・黒瀬啓介氏の対談を通じて、導入の決断から社内浸透のプロセス、DXがもたらした効果、そして今後のグローバル展開を見据えた展望までを深掘りする。


1|出会いから即断即決──トップ自ら導入を決めた瞬間

――まず、EDAHAを知ったきっかけを教えてください。


中嶋:共通の知人から黒瀬さんをご紹介いただき、直接お話を伺ったのが最初です。システムの仕組みや導入事例を聞いて「これなら現場の課題を解決できる」と直感しました。私は普段から経理を含めバックオフィス業務を把握しており、課題感が強かったので、導入は即決でした。「人を増やすよりも、仕組みを変えるべきだ」と判断したんです。


黒瀬:多くの企業では経理担当や管理部門が中心となって検討しますが、中嶋社長ご自身が現場フローを理解され、トップ自ら「変える」と決断されたのが大きな特徴でした。経営者が明確に方針を示すと、社内浸透も早いんです。


中嶋:導入を後押ししたのは、システムの性能だけではありません。黒瀬さんの人柄や、伴走する姿勢にも信頼を持てました。

2|紙とExcel依存が浮き彫りにした拡大事業の限界

――導入前、どのような課題を抱えていたのでしょうか?


中嶋:弊社ではスイーツ事業のBtoB卸を展開しており契約から発注、受注、在庫管理までをすべて自社で行っています。規模が拡大するにつれて業務量は増え、人件費も膨らみ、現場が処理しきれない状況が続いていたんです。紙やExcelを中心とした運用は煩雑で、データが属人化しやすく、入力や確認の遅れが取引全体に影響してしまうこともありました。


――実際に現場でトラブルが発生したことも?


中嶋:たとえば発注書の数字をExcelに転記する際の入力ミスや、紙の伝票を回覧する間に確認が遅れてしまうケースがありました。そうなると納品や請求が後ろ倒しになり、先方にご迷惑をかけてしまうこともあります。スタッフも「また処理が遅れた」と精神的な負担を感じていました。


――「このままではまずい」と強く感じられた瞬間はどこにあったのでしょうか?


中嶋:やはり「人を増やしても根本的に解決しない」と気づいた時です。新しい人材を採用しても、紙やExcelの運用に依存している限り、いつか同じ壁にぶつかる。経営者として、このままでは持続的に事業を伸ばしていけないと強く危機感を抱きました。だからこそ、「仕組みを変える」ことが必要だと判断したのです。


黒瀬:ANCHORさんの場合、「人手不足」という業界共通の課題を背景に、単純な効率化ではなく、経営の持続可能性を見据えて導入を決断されたのが印象的でした。現場の苦労を理解したうえで、トップが「変える」と決めたことが、大きな推進力になったのだと思います。

3|トップ主導で進んだ導入──現場も納得した決断のプロセス

中嶋:EDAHAさんのお話を伺ったとき、すぐに「これは導入すべきだ」と判断しました。通常であれば経理担当や事務スタッフに詳細を任せるケースが多いと思いますが、当社では私自身が経理や契約まわりを把握しているため、現場任せにせず社長として即決しました。人を新たに採用するよりも、仕組みを変えて効率化する方が合理的だと直感したからです。


黒瀬:社長自身が即断即決されたというのは、他の導入事例と比べても非常に印象に残っています。通常は社内稟議や複数部門の調整で時間がかかることが多いのですが、スピード感ある判断ができたことで、導入もスムーズに進んだのだと思います。

中嶋:もちろん、現場の理解を得ることも重要でした。実際に事務スタッフから「業務が軽くなって時間が生まれる」と前向きな声が出たことが、導入を後押ししました。EDAHAさんがトライアル期間中も細やかにサポートしてくれたことで、現場も安心感を持って受け入れることができたと思います。

黒瀬:ありがとうございます。システム導入はどうしても“現場に負担をかけるのではないか”という不安が先に立つものです。ANCHORさんの場合は、トップが明確に方向性を示しつつ、現場スタッフが「使ってみてよかった」と納得する。この両輪が揃ったことが、スムーズな定着につながったのだと感じています。

4|既存システムとの連携──「まずは使ってみる」から始まった定着の工夫

中嶋:当社の場合、既存のBtoC向けECで使っていた仕組みやフローをBtoBに置き換えるイメージで進めました。システム導入というと、どうしても「担当者に一任する」形になりがちですが、今回はあえてそうしませんでした。全員で「まず使ってみる」ことを優先し、現場が自然に慣れていくプロセスを重視したのです。


黒瀬:それは非常に大切な考え方です。多くの企業では「システム担当者だけが詳しい」という属人化が起きがちですが、ANCHORさんのように現場全員で“体験を共有”していただけると、システムが単なるツールではなく「現場の共通言語」になるスピードが速まります。


中嶋:もちろん、最初からスムーズにいったわけではありません。実際には疑問やエラーが発生する場面もありましたが、そのたびにEDAHAさんに相談しながら、一緒に改善していきました。チャットワークで気軽に質問できる体制を整えていただいたのは本当に助かりましたね。現場が「すぐ聞ける、すぐ解決できる」と感じられる環境は、安心感につながりました。


黒瀬:ありがとうございます。チャットでの即時対応は私たちが重視しているポイントです。導入時に不安が出るのは当たり前で、それを一つずつ解消していくことで「使えば使うほど便利になる」という実感が積み重なります。ANCHORさんの現場から出たフィードバックも、今後の開発に大きく活かされています。

5|社内への浸透──現場に“自然と”定着していった理由

中嶋:導入のタイミングは、ちょうど繁忙期でした。普通なら落ち着いてから入れるものですが、業務をこなしながら同時に使い始めたことで、「使うのが当たり前」という空気が自然に生まれたのは良かったと思います。


黒瀬:繁忙期導入はリスクもありますが、逆に効果をすぐに実感できる場面が多いんです。ANCHORさんの現場でも「入力が早い」「思ったよりシンプル」といった声が出ていて、短期間で手応えがありましたよね。


中嶋:そうですね。UIが直感的でわかりやすかったので、教育コストをほとんどかけずに慣れてもらえました。特に、最初は頻繁に利用するスタッフを中心に使い込んでもらい、そこから周囲へと波及させていく形をとりましたが、短期間で全体に浸透したのは大きな成果でした。

6|導入効果──数字だけでなく“心理的な余白”を生んだDX

中嶋:導入して一番大きく変わったのは、やはり発注・契約書まわりの処理時間です。これまでは紙やExcelでやり取りしていたので、確認や入力の手間が膨大でした。EDAHAシステムを入れてからは、その時間が大幅に削減されて、他の業務に振り分けられるようになりました。


黒瀬:数字で表せる部分もそうですが、それ以上に「心理的な余白」ができたとおっしゃっていたのが印象的でした。


中嶋:そうですね。今までは担当者が一人で抱えてしまう部分が多く、責任が偏っている感覚があったんです。でもシステムを軸にやり取りするようになってからは、履歴がすべて残るので「自分が判断を間違えたらどうしよう」という不安が減ったと聞いています。お客様とのやり取りでもシステムに裏付けがある分、精神的に負担が軽減されたと思います。


黒瀬:属人化が解消されると、単に効率が上がるだけでなく、人のモチベーションや安心感に直結しますよね。


中嶋:まさにそうです。業務量自体はむしろ増えているのに、処理能力が上がったことで「追い詰められている感じ」がなくなったと感じるスタッフも多かったようです。そのおかげで私自身はもちろん、メンバーも新しい仕事や改善に時間を割けるようになり、組織としても前向きなサイクルができたと実感しています。

7|EDAHAへの評価──“スピード感と柔軟さ”が信頼の理由

中嶋:導入して改めて感じたのは、EDAHAさんのサポートが本当に迅速だということです。こちらが要望を出すと、すぐに改善策や開発の方向性を示してくれる。スピード感と柔軟さは、他のシステムベンダーではなかなか得られない価値だと思います。


黒瀬:ありがとうございます。ANCHORさんの場合は社長ご自身が導入の意思決定をされ、現場の声も直接フィードバックいただけたので、私たちとしてもすぐに対応しやすかったです。中間に何層も挟まらないぶん、開発や改善のスピードをそのまま発揮できました。


中嶋:現場で「こうなったら便利だよね」という声があがったときに、すぐに相談できる体制があるのは本当に心強いです。例えば、顧客へのメッセージ送信に商品リンクを添付できるようにしていただいたときも、思っていた以上に早く対応してもらえて驚きました。社員たちも「現場の声をちゃんと反映してくれるんだ」と感じていて、安心感や信頼につながりました。


黒瀬:開発側としても「使う人の声を最短距離で反映する」ことを常に大切にしています。ANCHORさんのように社長直下での意思決定と現場の声が合流しているケースは、私たちにとっても理想的な進め方だったのかもしれません。

8|今後の展望──異業種展開を支える“経営インフラ”として

――今後の展望についてお聞かせください。


中嶋:これからも美容室の運営に加えて、飲食など新たな事業領域に挑戦していきたいと考えています。その際に欠かせないのが「数字の見える化」です。経理や労務をシステムで一元的に管理できることは、スピード感のある経営判断を支える基盤となります。EDAHAは、まさにその“経営インフラ”として不可欠な存在になると確信しています。

特に飲食部門の「Age.3」においては、累計50万個を突破するなど、事業成長の成果も着実に積み上がっています。年内にはニューヨーク、ドバイへの出店も予定しており、今後美容・飲食の両軸で展開を加速させていく中で、正確な数字の把握と迅速な判断がより一層重要になると考えています。


黒瀬:EDAHAは「現場で数字を活かす」ことを最優先に開発してきました。売上推移やコスト構造をリアルタイムで把握できると、投資判断や新規事業への挑戦が格段にしやすくなる。ANCHORさんのように複数業態を展開される企業にとっては、特に経営基盤としての強みを発揮できるはずです。


中嶋:経営者として常に意識しているのは、「人材不足の中でどう効率よく事業を拡大するか」というテーマです。システムで業務を効率化できれば、その分をお客様への価値提供や新しい挑戦に充てられる。そうした循環をつくりながら、10年後も地域に根ざし、多様な人材が輝ける会社を目指していきたいと考えています。


黒瀬:EDAHAとしても、そうした未来を共につくるパートナーでありたいと思っています。現場の声を反映しながら、今後も伴走し続け、企業の挑戦を支えていきます。

EDAHA創業までの歩み

広島大学で環境工学を専攻し、2009年に博士号を取得した代表黒瀬は、福岡に戻ったのち、北九州市に本社を置く環境系ITベンチャー企業を創業。廃棄物管理システムの開発に従事しました。クライアント企業の多くが紙ベースでアナログに業務管理している状況を目の当たりにし、こうした現状を自らの手で改善していきたいという想いのもと、2021年7月に同志を持つ3社で株式会社EDAHAを設立。2024年には、「福岡市トライアル優良商品認定事業」において、取引支援システムが優良商品として認定されました。2027年の株式上場に向け、各企業と連携してシステムの導入を進めています。

代表プロフィール

黒瀬 啓介(くろせ・けいすけ)1979年福岡県生まれ。広島大学在学中に環境工学を専攻し、2009年博士号を取得。2010年に北九州市で知人と共に廃棄物管理に特化した業務用の管理システムを開発した「株式会社グリーナー」を創業。2021年に新たな取り組みとして「株式会社EDAHA」を設立。現在までに5つの環境やシステムの特許を取得しており、EDAHAでは主にシステム開発を担当している。

企業概要

会社名 :株式会社EDAHA

設立  :2021年7月

代表者 :黒瀬 啓介

事業内容:企業間取引のマッチングプラットフォームの開発・提供

所在地 :〒810-0004 福岡市中央区渡辺通5-10-18 ibb Bloom Tenjin 206

電話番号:092-518-1403

HP    :https://edaha.co.jp/


パートナー企業

アイユーコンサルティンググループ(https://bs.taxlawyer328.jp)

株式会社Re-Birth         (http://www.re-b.co.jp/index.html)




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