ホールアドバイザー小川典子企画 歌曲でめぐる世界~ことばと愛~
ミューザ川崎シンフォニーホールで2月25日(土)、「歌曲でめぐる世界~ことばと愛~」と題したコンサートが開催されます。
ミューザのホールアドバイザーであり、ロンドンを拠点に活動する国際的ピアニスト、小川典子さんによる企画公演です。テーマは「愛」。音楽とことばで愛を表現する歌曲で、世界をめぐるコンサートです。次世代の期待の声楽家たちの輝く歌声を、小川さんのピアノの音に乗せて届けます。
国によって異なる〝愛の表現〟
国や言語によって愛の表現はさまざま。例えば、歌曲にぴったりの発音と深い意味のことばが印象的なドイツ、間接的な表現を用いるシャイなイギリス、すみずみまで気の利いているフランス、愛情さえも悲しみをともなうロシア、そして、淡い気持ちを温かく表す日本のことば―。コンサートでは、独・英・仏・露・日それぞれのお国柄を聴き比べることができるでしょう。
プログラム前半は、ドイツの作曲家シューマンの代表作として知られる『詩人の恋』。全16曲からなるこの連作歌曲は、ハイネの詩に曲を付けたもので、若き詩人の恋の喜びと憧れ、失恋の苦しみ、過ぎた恋への思いが、生き生きと感情豊かに描かれた名曲です。
この曲を歌うバリトン歌手の寺田功治さんは、イギリスの最高峰であるギルドホール音楽院を卒業し、世界で活躍する注目の実力派。語学も堪能で、後半では英語はもちろん、ロシア語、フランス語の歌曲も披露します。
歌曲の魅力をたっぷり堪能
後半は、ゲストとしてソプラノ歌手の隠岐彩夏さんが登場。シューベルト『アヴェ・マリア』、モーツァルト『すみれ』、ブラームス『子守歌』など誰もが聴いたことのある名曲を披露。このほか、寺田さんがドビュッシー『月の光』、隠岐さんが石川啄木の詩に越谷達之助が曲を付けた『初恋』などを歌うほか、プログラムの最後には〝隠岐&寺田〟の二重唱で極上のハーモニーを奏でます。
コンサートでは音楽評論家の奥田佳道さんによるプレトークや解説もあり、初心者にもおすすめ。歌声もピアノの音も美しく響くミューザ川崎シンフォニーホールで世界の歌曲の魅力をたっぷり堪能してみては。