キムチを食べる文化を継承するために
創業20周年を迎えた「おつけもの慶」
〝あごが落ちるほど旨い〟のキャッチフレーズでおなじみの「おつけもの慶」が創業20周年を迎えました。渥美和幸社長(53)に今までの歩みと今後の展望を聞きました。
■1坪の店でスタート
2003年に青果店を経営していた渥美社長と、キムチ職人の故城野勝さんが川崎区の渡田新町にわずか1坪のキムチ専門店をオープンしました。「祖父の代から焼き肉屋やキムチ屋に野菜を卸していましたし、近所にも店が多くあったのでキムチは子どものころから身近な食べ物でした。が、キムチを作る店が徐々に少なくなっていき、なんとかキムチを食べる文化を継承したいと思っていた矢先に城野と知り合い、開店を決意しました。最初は全く売れない日もあり、つらいこともありました」と当時を振り返る渥美社長。
■おいしさが口コミで
2人で試行錯誤を重ねるうちに、おいしさが口コミで広がっていきます。のらぼう菜など地元の旬野菜を使ったキムチや、イカのおなかにキムチを入れた〝元祖!おなかいっぱいイカキムチ〟などの新作も人気を後押し。楽天ランキング1位になるなどするうちに〝かわさき名産品〟や〝かながわ名産100選〟に選ばれるように。 「苦労もありましたが、何かやろうとするときに、必ず動いてくれる仲間がいました。キムチ文化を受け入れている川崎の土壌、行政や自治体の懐の深さに感謝しております」。
■視線の先は世界
昨年は、創業当時からキムチを作る際に出る端材を動物園に寄付する活動などが認められ〝第1回かわさきSDGs大賞〟を受賞しました。
また今年の10月から川崎ブレイブサンダースのスポンサーにもなり、とどろきアリーナでのホームゲームの際は、〝慶の豚キムチを使ったオリジナル丼〟を数量限定で販売予定です。 「まだまだです。〝川崎の名物〟と認められるよう全国で催事を行っていきます。海外進出も視野に入れています」。創業20周年を迎え、渥美社長はさらにギアを上げています。