子どもが主役のお節句に 小さい子どもでも飾れる
「令和逸品飾り」
100年の歴史を誇る老舗人形店「人形工房はやしや」(川崎区新川通)。今年も端午の節句を前に、熟練職人の手掛けた五月人形が店内に並んでいます。
■見て楽しむだけではなく、子どもが飾ってこそのお節句
大正12年創業。3代目で、川崎市内最高峰の匠(たくみ)「かわさきマイスター」でもある人形師、小林誠さんが代表を務める人形店としても知られています。店内の人形は全て小林代表の見立てによるものです。
小林代表が一貫して提唱しているのは、見て楽しむだけではなく「子どもが飾ってこそのお節句」。お節句は本来子どものためのものですが、高価なものだから子どもに触らせない、大きくて重いため子どもが飾ることができずに大人が飾るなど、大人が中心になっていないでしょうか。
そこで同店が勧めているのは2、3歳の子どもでも飾り付けができる「令和逸品飾り」です。
部屋の壁を背景に主役の兜(かぶと)や鎧(よろい)、人形をシンプルに飾る、というもの。幼い子どもでも手に取ることができる大きさと重さで場所も取りません。横に小さな花器を置いて、散歩の時に摘んだ草花を飾ると、より親しみが湧きますね。「自分で飾れた」「自分でできた」という喜びは、子どもの自主性や自信にもつながります。親子でお節句を楽しみながら「飾る時は手をきれいに洗う」「大切なものは丁寧に扱う」といったことも自然に身に付きます。コンパクトに収納できるのも助かりますね。
■全て熟練した職人による手作り品
付属品や背景がシンプルでも見映えがする、ということは、それだけ主役の兜、鎧、人形のクオリティーが高い証拠。店内の人形は全て熟練した職人による手作り品です。
美しい鎧兜作りで名高い美術工芸甲冑(かっちゅう)作家である力石甲人(ちからいしこうじん)、豊臣秀吉の家臣である竹中半兵衛の子孫の人形師、竹中つるの人形制作を継承している鶴屋半兵衛の作品などを購入できます。鶴屋半兵衛の「江戸おさな大将」シリーズは、顔や手足、誂(あつら)え兜などの製作に小林代表が協力しています。
日本で唯一の節句人形彩色師、竹垣諒さんが兜や五月人形の衣装に直接絵付けした総手描彩色(そうてがきさいしき)の作品も。身近に咲いている草花、竜、獅子の伝説など子どもに伝えたいメッセージが描かれています。
実際目にすると、細部まで丁寧に作り込まれた職人たちのこだわりが伝わってきます。
ぜひ、店頭で確かめてみては。
■制作実演会を実施
3月25日(土)・26日(日)の午前10時から午後5時まで、彩色師、竹垣諒さんが、兜や人形の衣装に花の柄を描いていきます。26日までに購入した兜、人形には竹垣さんが子どもの名前と季節の花を描いてくれます。
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午前10時〜午後6時。5月5日(金・祝)まで無休。
川崎区新川通3の10(駐車場あり)
☎044(222)4835