五月人形を親子で飾り触れ合いのひとときを
自分で飾れた喜びを自信に
人形工房はやしや
子どもの健やかな成長を願って100年。川崎の老舗人形店「人形工房はやしや」(川崎区新川通)では、端午の節句を前に、今年も勇ましい鎧(よろい)や兜(かぶと)、愛らしい大将飾りが店内に並んでいます。
■シンプルな〝令和逸品飾り〟や収納飾り、ケース飾りなど
店内に飾られている人形は、全て熟練した職人が丹精こめて作り上げた一流の美術工芸品。市内最高峰のものづくりの匠(たくみ)「かわさきマイスター」でもある、人形師で3代目の小林誠代表の見立てによるものです。
取り扱っている人形は、最初のデッサンの段階で全体のバランスを計算し、それをもとにフォルムが作られています。完成品のバランスが取れているのはそのためです。また、鎧や兜の色、細工の美しさ、大将飾りの表情の繊細な筆遣いなど、一目見ただけでクオリティーの高さが分かります。
飾り方は部屋の無地の壁を背景に、竹色の毛せんの上に季節の草花を飾る花器とともに人形を飾る〝令和逸品飾り〟のほか、木製の収納箱の上に飾る収納飾り、ペットのいる家庭はケース飾りなど。自分好みの飾り方が選べます。収納もコンパクトなので場所を取りません。
■自分で飾れた喜びが自信に
同店は一貫して、節句人形は親子で一緒に飾って触れ合いのひとときを過ごしてほしい、と呼び掛けています。「毎年同じ日に親子が向き合える機会なので、一年ずつの成長が分かる」と小林さん。親子で過ごすこれらの体験や時間は、成長して思い返した時に、かけがえのないものになるでしょう。
人形は幼い子どもでも飾れる大きさと重さ。自分で飾ると、より愛着が湧くとともに自分で飾れたことが自信につながります。「小さい頃から上質の作品に直接触れる経験は、お子さんの成長に良い影響を与えると思います」と小林さんは期待を込めます。
■手描きで絵付けした兜や五月人形も
ここ数年人気なのが、日本で唯一の節句人形彩色師、竹垣諒さんが、兜や五月人形の衣裳に直接手描きで絵付けした総手描彩色の作品です。
草花、竜、獅子の伝説など子どもに伝えたいメッセージが散りばめられています。見た時に一番美しい場所に絵が配置されているのは、手描きだからこそできる匠の技です。ぜひ、実際に店内で見て確かめてみては。
■絵付け実演会でお子さんの名入れを実施
3月30日(土)と31日(日)の午前10時~午後5時まで、手描彩色師、竹垣諒さんが、兜や人形の衣裳に子どもの名前や季節の花の絵などを描いてくれます(31日購入分まで)。
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場所 川崎区新川通3の10。「貝塚」バス停徒歩1分。JR川崎駅、京急川崎駅徒歩15分。駐車場あり。
営業時間 午前10時~午後6時。5月5日(日・祝)まで無休。
☎044(222)4835